1. HOME
  2. ブログ
  3. ビジネス
  4. MECE(ミーシー)とは 論理的思考の基本フレームワークを具体例とともに解説

KUROCO NOTE

データ分析・活用ノウハウや調査報告などを発信しています

ビジネス

MECE(ミーシー)とは 論理的思考の基本フレームワークを具体例とともに解説

ビジネスシーンでは、論理的に物事を考えることが重要になってきます。

そんなときに役立つのがフレームワークです。

なかでも、全ての論理的思考の基本とも言える考え方があります。

それがMECEです。

今回は、MECEについて、具体例とともに詳しくご紹介していきます。

MECEとは

MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveを略した言葉です。

Mutually Exclusiveは「相互に直複なく」を意味し、Collectively Exhaustiveは「全体にもれなく」を意味します。

これを簡潔にまとめて、日本語ではMECEを「もれなくダブりなく」と表現することが多いです。

分かりやすい例として、血液型の場合を考えてみましょう。

血液型についてMECEで考えると、A型、B型、O型、AB型となります。

これをもし「A型、B型、O型」と設定してしまうと、AB型が漏れているので、MECEになっていないということになります。

MECEは、論理的思考において基本となる考え方の1つです。

実際、ビジネスの現場では様々な論理的思考が求められますが、その際物事に矛盾がなく、漏れがなく思考することが重要になってきます。

MECEの活用シーン

例えば、マーケティングにもMECEの考え方はよく活用されます。

ターゲットを設定する際に、MECEになっているかどうかが重要です。

他にも、とある新商品のターゲットを以下のように設定したとします。

  • 大人向け
  • 子ども向け
  • 男性向け
  • 女性向け

こうすると、大人にも子どもにも男性・女性は含まれているため、ダブりが生じていることになります。

また、とあるお店のターゲットを以下のように年齢で分類したとします。

  • 20代未満
  • 30代
  • 40代
  • 50代
  • 60代

このような分け方では、70代以上の方について考慮されていないセグメント分けになってしまっています。

このように漏れがあったり、ダブりがあったりすると、適切に要素を洗い出して検討することができません。

考えに取りこぼしがないようにするためには、まずはMECEになっているかどうかというのは、非常に重要なことなのです。

MECEのコツ

MECEにするためのコツとしては、少しずつ因数分解しながら、要素を細かく分けていくことです。

たとえば、都道府県について考えるとしましょう。

そのとき「新潟、青森、山口、滋賀、・・・」といったように、ただ思いついたものを列挙していくという方法だと漏れが発生しがちです。

そこでまずは、北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、関西地方、中国地方、四国地方、九州地方、沖縄地方といったように地方ごとに分けてみます。

そのなかで、北海道地方(北海道)、東北地方(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)、・・・といったように各地方毎に都道府県を考えていくようなイメージです。

このように、焦らず段階をふんで少しずつ細分化していくことによって、MECEにしやすくなります。

MECEを体系化したロジックツリー

MECEを構造化、可視化するにはロジックツリーが有効です。

ロジックツリーは、様々な問題をツリー状に分解しながら原因や解決策を考えていくためのフレームワークの1つです。

なかなかイメージも沸きにくいかと思うので、具体的な事例で考えてみましょう。

ケース1 会社近くにある定食屋の場合

今回は、会社近くにある定食屋Aの売上増加に向けて、エリア内のビジネスパーソンをロジックツリーで整理してみます。

様々な分類方法が考えられますが、今回は以下の流れでエリア内ビジネスパーソンを分類してみることにします。

  1. まずは定食屋Aを知っている人、知らない人で分ける。
  2. 次に、 定食屋Aに行ったことがある人とない人で分ける。
  3. そして、今も食べている人、以前食べたことのある人、食べたことのない人などで分ける。

上記の流れで分類したものをもとに、以下のようなロジックツリーを作成することが可能です。

このようにロジックツリーに落とし込むことで、エリア内ビジネスパーソンの分類結果を上手に可視化することが出来ました。

また、ちゃんとMECEになっていることも把握しやすくなったかと思います。

このようにロジックツリーで整理することにより、取りこぼしなく効率的に網羅的に解決案を考えることが出来ます。

ケース2 とある企業の利益増加に向けて

たとえば、利益を増やすために何をすれば良いのか、利益増加の要因となり得ることを洗い出す際にもロジックツリーは有効です。

例えば、利益を増やすためには、以下のように分類を進めていきます。

  • 利益を増やすためには、売上を増やすか、コストを減らすか
    →売上を増やすためには、客数を増やすか客単価を上げる必要がある。
     →客数を増やすためには、新規客の獲得、もしくは既存客のリピート率の改善が上げられる。
     →客単価を上げるには、商品単価を上げるか、購入点数を増やすことが上げられる。
    →コストを削減するためには、固定費もしくは変動費の削減が必要になる。
     →固定費を削減するには、・・・
     →変動費を削減するには、・・・

といった流れで各要素を分類していくことが出来る。

固定費変動費の部分は例を上げ出すときりがないので割愛したが、同じように細かく分類していくとよい。

このように分類していくと、以下のようなイメージのロジックツリーを作っていくことが出来る。

このように要素を分解していくことで、利益を増やすために出来ること、すべきことは何なのか、把握しやすくなります。

また、MECEになるように各要素を細かく洗い出すことで、見逃していた改善点を発見するかもしれません。

MECEになるよう物事を考えることは、改めてその課題と徹底的に向き合うことでもあります。

まとめ

MECEはビジネスにおけて非常に重要な考え方です。

MECEになっていないと、売上を左右する重要な要素を取りこぼしてしまっていたり、またダブってしまっていることで正しくないデータや調査結果をもとに施策を考えてしまうことにつながりかねません。

物事を論理的に考える際には、とにかくまずはMECEになっているかどうかを確認する癖をつけるとよいでしょう。

関連記事