PEST分析とは マクロ環境分析に便利なフレームワーク
本記事では、PEST分析について具体例とともに紹介していきます。
目次
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PEST分析とは
PEST分析は、ビジネスや組織、プロジェクトに影響を与える外部マクロ環境要因を分析するためのフレームワークの一つです。
ビジネスでは、中長期的に自社業界を取り囲むマクロ環境を把握して洞察していくことが、事業を成長させていくうえでとても重要になってきます。
PEST分析は、そういったマクロ環境要因を網羅的に洗い出すことのできるフレームワークです。
PEST分析のPESTは、それぞれ以下のアルファベットの頭文字からつけられています。
- P・・・政治的要因(Politics)
- E・・・経済的要因(Economy)
- S・・・社会的要因(Society)
- T・・・技術的要因(Technology)
それぞれについて簡単に説明していきます。
政治的要因(Politics)とは
政治的要因とは、ビジネスや組織に影響を与える政府や政治システムの法律、規制、政策を指します。
政治や法律、政策などが変わることにより、自社の業界環境が変わることもあります。
この政治的要因がどのように変わっていくかを考えることで、ビジネスの未来を見据えることが可能です。
経済的要因(Economy)とは
経済的要因とは、ビジネスや組織に影響を与える経済状況のことを指します。
たとえば、金利、インフレ、経済成長、為替変動、貯蓄率などがそれらに該当します。
ここ数年だと、コロナの影響で為替に影響などもありました。
日本やグローバルの経済状況がどのように変わるかによって、人々の消費行動も変わってきます。
そのため、経済的要因もビジネスを考える上で重要な要素の一つです。
社会的要因(Society)とは
社会文化的要因とは、ビジネスや組織に影響を与える文化的および社会的側面のことを指します。
たとえば、人口統計学、価値観、信念、宗教などがあります。
社会や文化がどのように変わっていくかを予測することで、いち早くその変化に気づきトレンドを取り入れることで、時代の波にのることが出来ます。
技術的要因(Technology)とは
技術的要因とは、ビジネスや組織に影響を与える技術の進歩を指します。
たとえば、技術革新、特許、自動化技術、新しい製品やサービスの開発などがあります。科学や技術の進歩によって、出来ることは大きく変わってきます。
最近ではAIなどもはやってきて、これまで人的リソースを使って行ってきた作業も機会が代わりに行ってくれるようになりました。
そうすると、他のところに人的リソースを使うことが出来たり、またいち早く最新技術を取り入れることで、自社製品やサービスに新たな付加価値が生まれるかもしれません。
そのため、科学や技術の進歩を予測することも、ビジネスを考えるうえでの重要な要素の一つなのです。
PEST分析が重要な理由
ビジネスでは、未来を先読みしながら、時代の変化に対応し、未来を切り開いていくことが重要です。
ただ、漠然と想像するのではなく、ビジネスに重要となってくる要素の未来の先読みを整理しながら行うことができるのがPEST分析です。
ビジネスは大きく分けると、内部環境と外部環境の影響を受けます。
内部環境については、SWOT分析という手法で分析することが出来ます。
外部環境を分析していくときに、PEST分析が役に立ちます。
外部環境の分析は、ミクロ環境分析とマクロ環境分析がありますが、PEST分析はマクロ環境分析の分析に適したフレームワークです。
外部環境としては、先ほど説明した、政治的要因、経済的要因、社会的要因、技術的要因があります。
これらの変化が自社の業界に一体どのような影響を及ぼすのか、その変化への対応方法はどうするかなどをあらかじめ考えておくかどうかで、ビジネスチャンスをものにできるかどうかが大きく変わってきます。
そのため、PEST分析を行うことが重要となります。
PEST分析の注意点
ここからは、PEST分析の注意点をご紹介します。
その後のアクションも見据えて分析を行う
PEST分析に限った話ではありませんが、ただ分析しただけで終わってはほとんど意味がありません。
この結果をもとに具体的な対応方法、次のアクションまでしっかりと考えていくことが大切です。
そのために何の目的でPEST分析を行うのかをしっかり明確にしたうえで、アクションも含めてPEST分析をおこなうようにしましょう。
外部環境要因の変化に気づけるようにアンテナをはっておく
PEST分析で、自社業界に影響を及ぼす外部環境の変化や、変化があった際の対応を考えていても、そもそも変化に気づけないと対応が後手になってしまいます。
そのため、自社業界に影響を与える外部環境の変化にはすぐに気づけるように、日頃からPEST分析で挙がった要因について情報のアンテナをはっておくことも重要です。
ビジネスにおけるPEST分析の活用事例:食品メーカーの場合
ここからは、具体的に食品メーカーがPEST分析をおこなう場合を考えていきましょう。
政治的要因
まずは、政治的要因です。
たとえば、食品を取り扱う会社では、食品衛生法が関わってきます。
食品衛生法の中には添加物や輸入などの項目があります。
そのためこれらの要因に変化があれば、製品内容やパッケージを変える必要が出てくることもあります。
こういった理由で政治的要因として食品衛生法をあげました。
経済的要因
次に、経済的要因です。
経済では、たとえば材料費や運送費の高騰などがあります。
食品は、さまざまな原材料を組み合わせて作られています。
材料費だけでなく、流通にも費用はかかります。
特に海外から仕入れているものだと、輸送の費用も大きくなってきます。
例えば会社にとって材料費が高騰する場合や、流通経路が変わったりすると、それにあわせてコスト管理を見直す必要が出てきます。
このような理由で、経済の影響を受ける部分として、材料費の高騰、運用費の高騰といったように整理することが出来ます。
社会的要因
続いて、社会的要因です。
消費者のライフスタイルの変化、たとえば健康志向と整理することも出来ます。
売上には、消費者のライフスタイルが大きく関わってきます。
食品メーカーの場合、最終的にはエンドユーザーは消費者です。
特に昨今は、健康に対する意識がとても高まってきているため、食品によっては逆風や追い風が吹くこともあります。(例:カロリー0のブームなど)
健康志向の商品を開発することで、社会的要因に柔軟に対応していくということも食品メーカーにとっては重要な要素のため、このように整理しました。
技術的要因
最後に、技術的要因です。
こちらは、生産機械、フレーバーと整理しました。
テクノロジーは開発に大きく関わってくるポイントです。
例えば、同じ時間で2倍の生産量をできる機械が開発されれば、コストをかなり削減することができます。
ほかにも、新たなフレーバーが開発されることで、消費者に新たな例えば感動を提供できるようになります。
こういった技術的要因も、食品業界にとっては、とても消費者の行動お客様の行動を大きく変える要素となります。
そのため技術的要因の重要なポイントとして整理しました。
これらをまとめると、以下のようになります。
自社の業界に影響を与える要因がまとまり、イメージしやすくなったのではないでしょうか。
先述の通り、PEST分析しただけでおわるのではなく、この結果をもとに具体的な対応方法にまで落とし込んでいくことが大切です。
まずは、自社の現状把握するためにもPEST分析をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
PEST分析は経営戦略の計画をたてる際に有用なフレームワークです。
PEST分析を行うことにより、組織が外部環境の変化に対応するために情報を得ることができます。
PEST要因を考慮することで、組織は外部環境の変化に対応するための情報に基づいた意思決定ができます。
特に企業を経営する皆さまは、ウォッチすべき指標を把握するためにPEST分析を活用してみてください
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