マーケティングに役立つデータ分析 7つのポイント
ビジネスにおいてデータを活用することで、素早い意思決定を実践したり、精度の高いマーケティング施策を立案したりすることができます。
しかし具体的にデータ分析をビジネスに活用するためにはどのような取り組みが必要なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事ではデータ分析をマーケティングに活かすためのコツを解説します。
目次
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マーケティングに役立つデータ分析 7つのポイント
データ分析とは、データを集めて整理、編集し、過去から現在までがどういう状況になっているのかを客観的な数値で把握することです。データを整理し、必要に応じて可視化することで現状を正しく把握したり、データから規則性やデータ同士の関連性を見つけることで将来を予測しビジネス戦略を立てるために活用することができます。
参考:データ分析とは?目的や正しいプロセス、手法、活用事例を解説
言い換えればデータを分析するだけでマーケティングがうまくいくということはなく、分析結果を具体的なマーケティング活動に落とし込んでいくことが欠かせないとも言えます。
データを効果的にマーケティングに活用していくためには以下のようなコツを抑えることが重要です。
- 目的を設定する
- 正しいフローで進める
- 打ち手に落とし込む
- 検証、改善のサイクルを構築する
- 業務を理解する
- 小さな成果を上げる
- 目的とスキルに応じたツールを導入する
目的を設定する
データ分析をして問題を解決しようとするとき、具体的な「目的」を決めないままに情報を集めたり、分析に入ったりしてしまうと、まったく役に立たない情報を集めたり、ムダな情報が集まってかえって頭が混乱したりで、結果として時間をムダにしてしまうことがよくあります。
一番問題なのは「膨大な数値データをとりあえず分析して、そこからわかったことをもとに次の施策を立てたい」といって、目的を決めずにデータ分析に入ったために、結局は何もわからず、迷路に迷い込んでしまうというパターンです。
正しくデータ分析を行うためには、具体的な課題を見つけ、現時点での仮説とその根拠は何か、仮説を確かめるにはどんな情報を集めてデータ分析する必要があるのかを検討することが大切です。
正しいフローで進める
目的を明確にしたらすぐにデータの収集や分析に取り掛かるのではなく、さらに以下のようなステップを踏んで進めることが大切です。
具体的な課題を見つけ目的を明確にしたら、課題に対する仮説を整理します。そしてその仮説を確かめるにはどんな情報を集めてデータ分析する必要があるのかを検討したうえでデータの収集と分析に取り掛かりましょう。
各ステップの具体的な取り組み方は「正しいデータ分析の手順とは?成果につながる5つのステップ」で解説しています。
打ち手に落とし込む
データ分析で自社の現状が明確になったら、その現状を踏まえて、自社のビジネスを成長させるための打ち手を決定していきます。データを分析して終わりではなく、データに基づく打ち手を決定し実行していくことが、本当に成果につながるデータマーケティングです。
例えば、十分な新規顧客が取れていないという分析結果が出たのであれば、「認知・集客不足」が解決すべきポイントとなりますし、店舗によって収益性に差が出ているという分析結果が出たのであれば、「低収益店舗の発生」が改善するポイントとなります。
改善ポイントは1つであるとは限りません。場合によっては3つ、4つ出てくるでしょう。それら出てきた改善ポイントをどう改善していくのかを考えていきます。
その際にもデータ分析の結果を活用します。「認知・集客不足」の原因が、他社と比較して広告宣伝やメディア露出の不足だとすると、「TV、雑誌等メディアを活用した継続的な販促策実施による認知度向上」が一つの改善方法になりますし、「低収益店舗の発生」の原因が勝ちパターンを外した出店にあるとすると、「出店基準の確立」や「店舗フォーマットの確立」が改善方法になってきます。
改善方法を導き出す“原因”についても、今まで行ってきた自社データの分析や競合他社との比較、消費者調査などから導き出されたデータ分析から洗い出されるものです。 今後成長していくに当たって、現状何が足りていないのか、どこに成長機会があるのかを明確にします。
検証、改善のサイクルを構築する
打ち手を実行してもそこで終わりではありません。その打ち手が正しかったのかどうか判断し、もし間違っていた場合、あるいは当初に想定していたほどの効果が出なかった場合は、修正していく必要があります。この一連の流れを「PDCAサイクルを回す」と言います。
計画を立てて(Plan)、実行し(Do)、結果を評価して(Check)、評価に基づき改善して(Act)次のステップへと進めていくことはとても重要です。
日々、問題に立ち向かっているビジネスパーソンにとって、効率よくスケジューリングして業務を実行していくためにも、PDCAサイクルを回すことは欠かせません。
データ分析についても同様のことが言えます。課題を見極めて仮説を洗い出し、データ分析により仮説思考をしながら打ち手を構築し、実行に移す。打ち手の構築までがPlanで、実行がDoです。しかし、ここまでだけではやりっ放しになってしまうので、しっかりと打ち手の評価、つまりCheckをした上で、改善が必要であればActすることが重要なのです。
データ分析により、ある程度、精度の高い打ち手は構築できますが、それでも条件や環境変化ゆえに想定した成果に結びつかないこともあります。そのためにも、PDCAを回すことによって、常に最適解を求めていくことが大事なのです。
事業を理解する
データ分析において重要な目的設定を行う時、事業そのものを理解していなければ、どの場面にデータを活用するべきなのかを判断するのが難しくなってしまいます。また、データ分析に基づいて打ち手を決定する際や、効果を検証する際にも事業への理解は欠かせません。
小さな成果を上げる
データ分析をビジネスに活用する体制が整っていない企業では、データ分析に時間やコストをかけることに賛同を得られない場合もあります。また1人で事業に取り組んでいる場合でも、成果が出るかどうか分からない状態ではデータ分析に時間を使おうとはなかなか思えません。
そのような状態にならないためには、まずデータを使って成果を上げやすそうな、小さな取り組みから行うことがおすすめです。企業であれば小さな成果をもとにデータ分析の重要性を提案することができますし、何より成果が上がる実感が湧くことで自分自身のモチベーションを高めることにもつながります。
目的に応じたツールを導入する
ビジネスに関連するデータ分析は紙とペンだけでできるデータの量ではないため、何かしらのソフトウェアが必要になります。分析用のツールは無料のものから月額数十万円など、非常に多様なものがあるため、目的に合わせて適切なものを選びましょう。まず個人の業務にデータを活用するための分析であればエクセルだけでも十分に対応できることも多いです。
ただし、そもそもデータ活用の入口として、ツールの導入から始めてしまうのはとても危険です。ツールはあくまでもデータ活用をするための「道具」に過ぎません。
本当はサッカーをやるのに野球の道具(バッドやグローブ)を揃えても扱えません。さすがにこれは言い過ぎかもしれませんが、それに近いようなことが多くの企業で起こっているのが現実です。少なくとも、生産性、効率性の向上のためにツールを導入したものの、そのツールを十分に使いこなせていない企業はとても多いです。
まずはデータ活用により何を実現させるべきなのか、その目的を明確にした上で、それを実現するためのサポートとして、適切なツールを選択する、という順番が本来あるべき流れであり、その順番でツールを選択することで、ツールの効果も最大限活かせることができるようになるのです。
取り組むべき分析が何か、それを実践するためにはどのようなツールが必要なのか、目的に合わせて選定しましょう。
データ分析はなぜマーケティングに役立つのか
ここまでは、データ分析をマーエティングに活用するコツについて解説しました。そもそもデータ分析はなぜマーケティングに役に立つのでしょうか?
その主な理由には次のようなものがあります。
- データはお客様からの評価を伝えてくれる
- 業種や業態を問わずどんな企業にも応用できる
データはお客様からの評価を伝えてくれる
数値データは嘘偽りなくお客様からの評価を伝えてくれます。売上や費用などは、すべて定量的な結果です。これは、お客様が実際にその商品なりサービスに対して、価値を見出して購入した結果を表しています。
つまり、「お客様が180人来店した」「お客様がB商品を1,800円で購入した」といったお客様の一つひとつの行動が、データとして蓄積されていくわけです。
嘘偽りなくお客様の「評価」を反映するデータ。これを分析した上で考え抜かれた打ち手というものは、勘や熱意だけに頼った打ち手と比べると、はるかに説得力があり、結果を出せる確率も高まります。経験の少ない若手社員でも、データ分析を適切に行うことができれば、確かな戦略や打ち手を構築することができるのです。
業種や業態を問わずどんな企業にも応用できる
データ分析は、業種や業態を問わず、そしてどんな企業にも応用可能なスキルです。数値データの見方さえ間違わなければ、極論するとまったく知らない業種のデータでさえ分析することが可能なのです。基本的には、どんな企業でも、
売上 - 費用 = 利益
で成り立っています。そして、この利益をいかにして生み出していくかが目的となっているはず。「利益を生み出すこと」は、どの企業にも共通する目的です。また、利益のもととなる売上については、どんな企業でも次の視点で整理されるはずです。
- 誰に売るか(お客様)
- 何を売るか(商品やサービス)
- どこで売るか(百貨店やコンビニ、ウェブサイト、直接の訪問など)
- どうやって売るか(店頭販売、通販、あるいはB to Bなど)
費用についても、
- 商品原価
- 人件費
- 物流費
- 広告宣伝費
- 販売促進費
など、大きな費目はたいてい決まっています。分析する費目をどんなに細かく見ても、A4用紙1枚くらいに収まる程度の分量でしょう。
ビッグデータやAIの活用といった大規模なものになると専門的な知識が必要になりますが、まずはデータ分析の基礎とコツさえ掴んでしまえば、さまざまな業種・業態・企業に対して応用することができます。
当ブログではデータ分析の基本が学べる記事を公開しています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
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