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ビジネスに役立つ 7つのデータ分析手法

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ビジネスに役立つ 7つのデータ分析手法

この記事では、マーケティング戦略の立案など、ビジネスで役立つ7つのデータ分析手法を解説します。

  • クロス集計
  • アソシエーション分析
  • バスケット分析
  • 回帰分析
  • ABC分析
  • CPM分析
  • RFM分析

クロス集計

クロス集計とは、与えられた多量のデータのうち、2つないし3つ程度の項目に着目して、データの分析や集計を行うことです。

列・行ともに容量の多いデータを分析する際にとてもよく使われます。

クロス集計の例

図表1は、あるネットショップの販売データで、クロス集計をする前のものです。

図表1 クロス集計していない状態の販売データ

図表1をクロス集計したものが、図表2です。

図表2 図表1をクロス集計した表

この表では、「商品売上」を「商品カテゴリ」と「注文月」に着目してクロス集計しています。このように集計することで「商品ごとの売上推移」を分かりやすく可視化することができます。

図表1のままでは分からなかった以下のような現状を把握することもできます。

  • スイーツは12月をピークに売上が減少傾向にある
  • ドレッシングは11月から3月にかけて売上が増加傾向にある

このように、列・行ともに容量の多いデータを分析する際に、クロス集計はとても役に立ちます。

エクセルを使った具体的な集計、分析のやり方は「クロス集計とは?エクセルのピボットテーブルを使った作り方も解説」で解説しています。

アソシエーション分析

アソシエーション分析とは、2つのものの関係性を分析するフレームワークです。商品データと顧客データ、販売データなどを組み合わせることで「Aという商品を購入している人はBという商品を購入している傾向が高い」といった分析結果を得て、マーケティング戦略に活用されます。

次に紹介するバスケット分析はアソシエーション分析の一種で、商品分析のフレームワークとしてよく活用されます。

バスケット分析

バスケット分析とは、顧客がどのような商品を併売しているのかを分析する手法です。買い物かご(バスケット)の中にどのような商品が一緒に入っているのかを分析することから、バスケット分析と呼ばれます。

バスケット分析は主に「客単価」を高めるために用いられます。既存顧客の併売傾向を分析することで、併売を促す効果的な施策を立案し、1人当たりの購入金額を高めることを目指します。

バスケット分析を使ったマーケティング戦略の立て方は「バスケット分析とは?商品分析でECサイトや店舗の客単価を高める!」で解説しています。

回帰分析

回帰分析は、原因から結果を予測するときによく使われる分析方法です。

説明変数が目的変数とどのような定量的な関係があるのかを調べ、それを明らかにしたうえで将来の予測に活用していきます。

回帰分析には、単回帰分析と重回帰分析の2種類があります。

単回帰分析

単回帰分析は、原因とみられる1つの要素から、ある結果を予測するための手法です。説明変数が一つ(単一)なので単回帰分析とよばれています。単回帰分析では、結果を予測するとき「y=ax+b」という直線の式を用いて表します。このxの部分が説明変数となり、yの部分が目的変数を表します。

重回帰分析

重回帰分析は、説明変数が複数存在している場面において、結果を予測する際に用いる分析手法です。

要は、単回帰分析よりも説明変数が多い場合に使う、というイメージを持っていただければと思います。分析手法の根本的な考え方としては、単回帰分析と変わりありません。予測する際の直線の式としては、以下の通りです。

説明変数が増えたので、a₁x₁、a₂x₂などのように複数のxが出てきています。

エクセルを使った具体的な分析のやり方は「回帰分析とは 特徴やExcelでの分析方法を分かりやすく解説」で解説しています。

ABC分析

「ABC分析」とは、重要度が高く、重点的に管理すべき対象を明らかにするために、A・B・Cという3つのランクに分ける方法で、それぞれのランクに応じて管理方法を選択します。

たとえば、販売管理を行う場合、商品や得意先などに応じてABC分析を行い、販売方法や販促頻度、あるいは売場構成比などを変えていくといった施策を打つ際に使います。

ただし、Aランクだけを重視するというわけではなく、各ランクそれぞれで管理方法を考えることが大切です。一般的には、Aランクが累積売上構成比70%~80%まで、Bランクが累積売上構成比70%(あるいは80%)~90%まで、そしてCランクが累積売上構成比90%~100%です。

たとえば、図表1のような年度別の商品別売上データがあったとします。

図表1 商品別売上データ(年度別)

商品別売上データを、2018年度における売上降順に並べ替えて分析すると、以下のような商品別ABC分析の表やグラフができます。

図表2 商品別ABC 分析(表)

図表3 商品別ABC 分析(グラフ)

上記の表とグラフの場合、2018年度の商品売上高でABC分析を行っていますが、上位5商品で売上全体の80%近くを占めていることがわかります。上記のようにABC分析を行うと、商品の優劣がはっきりするので、どれをテコ入れして販売していくのかがわかるようになりました。

CPM分析

CPM分析とは、Customer Portfolio Managementの略で「購入回数」「購入金額」「最終購入日からの経過日数」によって顧客を分類し、自社の顧客の傾向を分析する手法です。主に、購入回数が少ない顧客をリピーターに育てていくために活用されます。

一般的にECサイトの売上の8割はリピーターによって生み出されているため、ECサイトの売上を伸ばすうえでCPM分析はとても効果的な手法です。

顧客を10のグループに分けて分析する

CPM分析では、まず顧客を次の5つのグループに分類します。

  • 初回客:1回しか購入していない顧客
  • よちよち客:リピーターで、サイトの利用期間は短い顧客
  • コツコツ客:リピーターでサイトの利用期間も長いが、購入金額が小さい顧客
  • 流行客:リピーターでサイトの利用期間も長く、購入金額も大きい顧客
  • 優良客:リピーターでサイトの利用期間が流行客よりもさらに長く、購入金額も大きい顧客

さらに5つのグループそれぞれを「現役」か「離脱」かの2つに分けます。

  • 現役:現在もサイトを利用している顧客
  • 離脱:現在はサイトを利用していない顧客

その結果、顧客を以下の10個のグループに分類することができます。

  • 現役初回客
  • 離脱初回客
  • 現役よちよち客
  • 離脱よちよち客
  • 現役コツコツ客
  • 離脱コツコツ客
  • 現役流行客
  • 離脱流行客
  • 現役優良客
  • 離脱優良客

この分類に基づいて各グループの顧客数や、それぞれのグループの購買傾向を分析することで、リピーターを育成するための効果的なマーケティング施策を立案することができます。

具体的な分析から施策立案までのやり方は「CPM分析とは?顧客分析でECサイトや店舗のリピート率を高める!」で解説しています。

RFM分析

RFM分析(Recency frequency monetary analysis)とは顧客分析手法の1つで、「一番最近に購入した顧客は誰か」「頻繁に購入する顧客は誰か」「一番お金を使ってくれている顧客は誰か」という3つの側面から顧客をランク付けする分析手法です。

RFM分析で効率的な顧客アプローチを実現する

例えば毎月のように買っていただいているお客様と、年に1回しか買わないお客様、ここ1年まったく買っていないお客様とでは、その商品に対する気持ちが異なります。

買い方の異なるお客様に対して同じアプローチをしていても、十分な効果を得られません。それぞれのお客様の気持ちに応えた営業が理想的です。

お客様の購入状況に応じた打ち手を考えるために活用するのが、RFM分析です。

RFM分析を行うには、データベースに購買履歴が記録されていることが前提となります。購買状況を時系列で追えないような顧客管理の方法の場合、RFM分析はできません。直接お客様へ販売していて、かつ会員登録も行なっている企業だけができる分析法といえます。

具体的な分析から施策の立案までのやり方は「RFM分析とは?具体的なやり方を事例をもとに解説」で解説しています。

データ分析をビジネスに活用するためのポイント

データ分析とは、データを集めて整理、編集し、過去から現在までがどういう状況になっているのかを客観的な数値で把握することです。データを整理し、必要に応じて可視化することで現状を正しく把握したり、データから規則性やデータ同士の関連性を見つけることで将来を予測しビジネス戦略を立てるために活用することができます。

参考:データ分析とは?目的や正しいプロセス、手法、活用事例を解説

言い換えればデータを分析するだけでマーケティングがうまくいくということはなく、分析結果を具体的なマーケティング活動に落とし込んでいくことが欠かせないとも言えます。

データを効果的にマーケティングに活用していくためには以下のようなコツを抑えることが重要です。

目的を設定する

データ分析をして問題を解決しようとするとき、具体的な「目的」を決めないままに情報を集めたり、分析に入ったりしてしまうと、まったく役に立たない情報を集めたり、ムダな情報が集まってかえって頭が混乱したりで、結果として時間をムダにしてしまうことがよくあります。

一番問題なのは「膨大な数値データをとりあえず分析して、そこからわかったことをもとに次の施策を立てたい」といって、目的を決めずにデータ分析に入ったために、結局は何もわからず、迷路に迷い込んでしまうというパターンです。

正しくデータ分析を行うためには、具体的な課題を見つけ、現時点での仮説とその根拠は何か、仮説を確かめるにはどんな情報を集めてデータ分析する必要があるのかを検討することが大切です。

正しいフローで進める

目的を明確にしたらすぐにデータの収集や分析に取り掛かるのではなく、さらに以下のようなステップを踏んで進めることが大切です。

具体的な課題を見つけ目的を明確にしたら、課題に対する仮説を整理します。そしてその仮説を確かめるにはどんな情報を集めてデータ分析する必要があるのかを検討したうえでデータの収集と分析に取り掛かりましょう。

各ステップの具体的な取り組み方は「正しいデータ分析の手順とは?成果につながる5つのステップ」で解説しています。

打ち手に落とし込む

データ分析で自社の現状が明確になったら、その現状を踏まえて、自社のビジネスを成長させるための打ち手を決定していきます。データを分析して終わりではなく、データに基づく打ち手を決定し実行していくことが、本当に成果につながるデータマーケティングです。

例えば、十分な新規顧客が取れていないという分析結果が出たのであれば、「認知・集客不足」が解決すべきポイントとなりますし、店舗によって収益性に差が出ているという分析結果が出たのであれば、「低収益店舗の発生」が改善するポイントとなります。

改善ポイントは1つであるとは限りません。場合によっては3つ、4つ出てくるでしょう。それら出てきた改善ポイントをどう改善していくのかを考えていきます。

その際にもデータ分析の結果を活用します。「認知・集客不足」の原因が、他社と比較して広告宣伝やメディア露出の不足だとすると、「TV、雑誌等メディアを活用した継続的な販促策実施による認知度向上」が一つの改善方法になりますし、「低収益店舗の発生」の原因が勝ちパターンを外した出店にあるとすると、「出店基準の確立」や「店舗フォーマットの確立」が改善方法になってきます。

改善方法を導き出す“原因”についても、今まで行ってきた自社データの分析や競合他社との比較、消費者調査などから導き出されたデータ分析から洗い出されるものです。 今後成長していくに当たって、現状何が足りていないのか、どこに成長機会があるのかを明確にします。

参考:データ分析をマーケティングに活かす7つのコツ

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