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CPM分析とは?RFM分析との違いややり方について事例をもとに解説

CPM分析とは?顧客分析でECサイトのリピート率を高める!

今回は、ECサイトや小売店の顧客分析に使われるCPM分析の役割と手順を解説します。

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CPM分析とは?

CPM分析とは、Customer Portfolio Managementの略で「購入回数」「購入金額」「最終購入日からの経過日数」によって顧客を分類し、自社の顧客の傾向を分析する手法です。主に、購入回数が少ない顧客をリピーターに育てていくために活用されます。

一般的にECサイトの売上の8割はリピーターによって生み出されているため、ECサイトの売上を伸ばすうえでCPM分析はとても効果的な手法です。

RFM分析との違いは?

CPM分析と似た分析手法に、RFM分析があります。RFM分析(Recency frequency monetary analysys)とは顧客分析手法の1つで、「一番最近に購入した顧客は誰か」「頻繁に購入する顧客は誰か」「一番お金を使ってくれている顧客は誰か」という3つの側面から顧客をランク付けする分析手法です。

RFM分析は主に、最近商品を購入した顧客や購入頻度が高い顧客にターゲットを絞って、短期的に売上を伸ばしたい場合に活用されます。一方、CPM分析は顧客全体を分析して、購入頻度や顧客単価を高め、中長期的に安定して売上を伸ばしていく場合に活用されます。

CPM分析のやり方

CPM分析では、まず顧客を次の5つのグループに分類します。大まかな分類方法を確認してみましょう。(具体的な分類方法は、のちほど具体例をもとに解説します。)

  • 初回客:1回しか購入していない顧客
  • よちよち客:リピーターで、サイトの利用期間は短い顧客
  • コツコツ客:リピーターでサイトの利用期間も長いが、購入金額が小さい顧客
  • 流行客:リピーターでサイトの利用期間も長く、購入金額も大きい顧客
  • 優良客:リピーターでサイトの利用期間が流行客よりもさらに長く、購入金額も大きい顧客

さらに5つのグループそれぞれを「現役」か「離脱」かの2つに分けます。

  • 現役:現在もサイトを利用している顧客
  • 離脱:現在はサイトを利用していない顧客

その結果、顧客を以下の10個のグループに分類することができます。

  • 現役初回客
  • 離脱初回客
  • 現役よちよち客
  • 離脱よちよち客
  • 現役コツコツ客
  • 離脱コツコツ客
  • 現役流行客
  • 離脱流行客
  • 現役優良客
  • 離脱優良客

この分類に基づいて各グループの顧客数や、それぞれのグループの購買傾向を分析することで、リピーターを育成するための効果的なマーケティング施策を立案することができます。

CPM分析の具体例

ここからは弊社クライアントの事例をもとに、CPM分析を活用してマーケティング施策を立案する方法を解説します。

この事例では、商品名などは伏せているほか、実態から大きく外れない範囲で数値データを加工していますが、実際に近いケースを扱うことで、この記事をお読みのみなさんが現実感を持ちやすく、現場のニーズを当てはめやすいものとなるよう構成しています。

Case Study
CPM分析を使って、化粧品会社A社のECサイトのリピート率を高めるための効果的な施策を検討していきましょう。
A社ECサイトの売上規模は年間約1億円、会員数は約8000人(調査時点。売上の3分の2程度を会員が占める)、1人あたりの1回当り平均購入金額は約1万円。

先述の5つの分類は、具体的には以下のような購入回数、サイト利用期間、購入金額に応じて分類します。

  • 初回客(1回しか購入していない顧客)
    → 購入回数が1回
  • よちよち客(リピーターでサイトの利用期間は短い顧客)
    → 購入回数が2回以上、初回購入から最終購入日までの差が90日未満
  • コツコツ客(リピーターでサイトの利用期間も長いが、購入金額が小さい顧客)
    → 購入回数が2回以上、初回購入から最終購入日までの差が90日以上、累計購入金額が7万円未満(基準となる購入金額は、平均購入金額の7倍に設定するのが一般的です)
  • 流行客(リピーターでサイトの利用期間も長く、購入金額も大きい顧客)
    → 購入回数が2回以上、初回購入から最終購入日までの差が90日以上210日未満、累計購入金額が7万円以上
  • 優良客(リピーターでサイトの利用期間が流行客よりもさらに長く、購入金額も大きい顧客)
    → 購入回数が2回以上、初回購入から最終購入日までの差が210日以上、累計購入金額が7万円以上

さらに、以下の条件を加えて、10のグループに分類します。

  • 現役(現在もサイトを利用している顧客)
    → 最終購入日から今日までの期間が240日未満
  • 離脱(現在はサイトを利用していない顧客)
    → 最終購入日から今日までの期間が240日以上

上記の分類によって、A社ECサイトの顧客を集計したところ以下のようになりました。

A社のECサイトでは、初回客が83%を占めています。つまり、リピーターの割合は全体の17%しかいないことが分かります。一般的にECサイトのリピート率は30%程度と言われているため、このサイトはリピーターが少ないことが分かりました。

この状況を改善するためにまずは、初回客をよちよち客に育成する施策を検討していきましょう。

初回客をよちよち客に育成する

以下のグラフは、A社の主力商品である商品カテゴリGを購入したよちよち客が、次の購入時に買った商品について集計したものです。(商品カテゴリGを購入した時点では初回客)

商品カテゴリGを購入したよちよち客の多くが、「商品カテゴリG」「商品カテゴリQ」「商品カテゴリB」を購入しています。

そこで、「商品カテゴリG」を購入した初回客には、”メルマガで「商品カテゴリG」「商品カテゴリQ」「商品カテゴリB」の割引クーポンを配る”あるいは、”「商品カテゴリG」を購入した現役初回客には「商品カテゴリQ」「商品カテゴリB」の無料サンプルを自宅に送付する”などの施策が効果的だと考えられます。

さらに以下のグラフは、よちよち客が商品を一度商品を購入したあと、次に商品を購入するまでの期間(初回客からよちよち客に成長するまでの期間)を集計したグラフです。

このグラフを見ると、「1週間以内に購入する人」が多く、次いで「2週間以上1ヶ月以内に購入する人」が多いことが分かります。

これらの分析結果から、初回客へのクーポン配布やサンプルの送付を行う時期は購入後1週間以内と、1ヶ月弱後に行うのが効果的だと考えられます。

CPM分析で導き出した課題と施策
  • 課題:初回客の割合が高く、リピーターが少ない
  • 施策1:「商品カテゴリG」を購入した初回客へ、購入後1週間以内にメールで「商品カテゴリQ」「商品カテゴリB」の割引クーポンを配信する
  • 施策2:「商品カテゴリG」を購入した現役初回客へ、1ヶ月弱後に「商品カテゴリG」「商品カテゴリQ」「商品カテゴリB」の無料サンプルを送付する

CPM分析で効果的なナーチャリングを実現する

CPM分析を活用することで、顧客のグループごとの傾向を掴むことができるため、効果的な顧客育成を実現することができます。

この記事で行ったようなCPM分析はエクセルなどで集計して行うこともできますが、データ量が多い場合は専用のツーツを使って行うのがおすすめです。弊社では、CPM分析をはじめとしたECサイトに必要なデータ分析を簡単に実践できる「EC-Dashboard」を提供しています。
(今回記事内でご紹介した表やグラフも、EC-Dashboardを使って作成しています。)

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