顧客視点のマーケティングを実現する「N1分析」とは?| 西口一希著 実践 顧客起点マーケティング
こんにちは、KUROCO株式会社マーケターのCです。今回は私が先日読んだ書籍『実践 顧客起点マーケティング』から顧客視点のマーケティングを実践するユーザーインタビューの方法をご紹介します。
目次
データ活用のお悩み KUROCOにご相談ください
技術に走るほどユーザー目線を疎かにしてしまう
『実践 顧客起点マーケティング』はStrategy Partners 代表取締役の西口一希さんの著書。P&G、ロート製薬、ロクシタンを経て、2017年にスマートニュースに参画。2019年同社が国内3社目のユニコーン企業に成長するまで、執行役員としてマーケティングを推進された方。この本には、いまのマーケティングにおいて新しい「技術」や「手法」が注目される傾向にある中、しっかりと「顧客」に焦点をあててビジネスを成長させるためのフレームワークと実践方法が書かれています。実際にスマートニュースでの活用事例をふまえて紹介されていて、一般的な理論書ではない実用書になっています。
ウェブマーケティングを実践していると、どうしても新しい技術や新しい手法に興味が湧いてしまうのは、ある意味仕方ないことだと思っています。技術も手法もどんどん変わるため、キャッチアップして常に自分の情報を更新し続ける必要があります。しかし、技術や手法に走れば走るほど、ユーザー目線を疎かにし、顧客の声に耳を傾けることから遠ざかってしまいます。
技術や手法に走ってしまいそうな時に、すぐに思考を軌道修正して、原点に戻れるような本を手元に置いておこうと、書店を巡っていた時に手に取りました。
効果的なユーザーインタビューの方法
本の中では、「N1分析」という、1人のユーザーを対象にしたインタビューが紹介されますが、これは必ずしも、そのN1が誰でも良いという訳ではないという点が印象に残りました。顧客起点が重要とはいえ、ただ闇雲にユーザーインタビューをすれば良いという訳ではなく、順序があるということです。
1人の顧客からアイデアや仮説を得る前に、まず顧客全体をセグメントに分けます。
最終的に「N1分析」を行って仮説やアイデアを創出するために、その下準備として、顧客を複数のセグメントに分ける方法が紹介されています。1つは、● 認知あり/なし、● 購買経験あり/なし、● 購買頻度によって5つに分類する「顧客ピラミッド(5セグマップ)」。もう1つは、「5セグマップ」を次回購買意向のあり/なしによって更に9つに分けた「9セグマップ」に分類するフレームワークです。
そこから先が「N1分析」の出番です。セグメントに分けた顧客からそれぞれ1人を選んでインタビュー等を行います。そして、得られたアイデアから施策を行った後、各セグメントのボリュームや割合がどれだけ動いたかどうかを観測します。
実際には、似たようなことは多くの企業や事業でも行われているかもしれません。しかし、「顧客をセグメントに分け」→「セグメント別に施策を実行する」の2つの間に、1人の顧客へのインタビューを設けるステップがあるかどうか、そこに重要なポイントがあると感じました。
Customer in Boss
また、本書の冒頭に、「Customer in Boss」というメッセージだけでP&Gの社風が変わったエピソードが出てきますが、これは忘れない指針にしたいです。組織が大きくなったり、プロジェクト関係者が多いと、ついつい「意思決定者は誰か?」「承認が必要だ」とか、そういった内向きな思考になりやすいですよね。そうではなく、常に主役は「顧客」であり「上司」でも「経営者」でもない、ということですね(BtoBの場合は顧客は企業ですが、この場合の顧客は、最終的なエンドユーザーです)。
まとめ
本の帯にも書いてありますが、経営者・マーケターは勿論、「顧客に向き合う」すべての人におすすめ出来る書籍です。BtoC、BtoB関係なく事業に適用出来る考え方なので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
Amazonで『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)』を見る
\ データ活用のお悩み KUROCOにご相談ください! /