【徹底解説】主要ECプラットフォーム Shopify・BASE・STORESの違いとは?
目次
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ECプラットフォームとは
ECプラットフォーム(ECサイト)とは、商品をインターネット上で販売できるプラットフォームのことです。
※EC=Electronic Commerce(電子商取引)
近年、ECプラットフォームの急速な拡大が目立ちます。特に2020年以降は新型コロナウイルスの拡大に伴う外出自粛もあり、巣ごもり需要の加速、それに伴うEC市場のさらなる拡大が進みました。
そこで今回は、今世の中に数多く存在するECサイトの作成方法についてご紹介していきます。
サイト作成の方法
ECサイト作成の方法としては、大きく分けるとスクラッチ、オープンソース(EC-CUBEなど)、パッケージ、ASPの4種類があります。
それぞれの特徴をみていきましょう。
スクラッチとは
スクラッチは、0からプログラミングを使ってサイトを構築していく方法のことです。
フルスクラッチでは、完全に思い通りのデザインや機能を持ったECサイトを制作することができます。オリジナル性を強く打ち出したい場合や、規模の大きいサイトを作成する際に適しています。ECサイト開発方法の中で最も自由度の高い方法といえます。しかし、フルスクラッチには、多大な労力や高い技術力が必要となるため、年商1000億円以上が見込めるECサイトでなければ別の方法で作成する方がいいでしょう。フルスクラッチでECサイトを作成している例として、ZOZOTOWNやユニクロなどがあります。
こんなサイトを目指すときはスクラッチがオススメ
- 完全オリジナルなサイトを作成したい
- 年商1000億円以上が見込める
- 超大規模なサイトを作りたい
スクラッチのメリット・デメリット
メリット
- 機能、デザイン面で完全に思い通りのサイトを作成することができる
- 他サイトとの差別化がしやすい
デメリット
- 開発に多くのコスト(数千万円以上)、時間(半年~数年程度)を要する
- 開発に高い技術力、専門知識を要する
- システムが古くなるため管理が必要
- ベンダーにフルスクラッチを開発してもらった場合、保守の費用がかかる
- 他社に乗り換えにくい。(社内で開発部門を用意することが望ましい)
オープンソース
オープンソースは、一般公開のプログラムのことです。
このプログラムを、プログラミングの知識を使ってカスタマイズすることで、オリジナルなのECサイトを作成することができます。社内に技術者がいれば無料で独自性の高いサイトを開発することができます。
有名なオープンソースとしては、Magento、EC-CUBEなどがあります。
こんなサイトを目指すときはオープンソースがオススメ
- オリジナルなサイトを作りたいが、フルスクラッチほど工数をかけたくない場合
- 自社に技術者が存在する場合
オープンソースのメリット・デメリット
メリット
- 無料で作成可能
- テンプレートなどが充実している
- カスタマイズすることで本格的なECサイトを作成できる
- 有名なオープンソースを使う場合、情報やプラグインが充実している
デメリット
- 開発やメンテナンスに専門知識を要する
- セキュリティ面が弱い
- システムが古くなる
- 開発者がいなくなると、ブラックボックス化する恐れがある
パッケージ
パッケージは、ECサイトの作成に必要な機能をパッケージにしたシステムのことです。
特に、ECパッケージにはECサイトの運営に必要な機能(受注管理、顧客管理、商品登録、カート機能など)があらかじめパッケージとして含まれているため、パッケージをもとにカスタマイズを施し、自社独自のサイトを作成することができます。また、多くの場合、他のシステム(配送システムなど)と連携することが前提で開発されています。そのため、少し規模の大きな年商一億円以上のECサイトにオススメの開発方法です。
パッケージの例としては、以下のようなものがあります。
こんなサイトを目指すときはパッケージがオススメ
- 年商1億円以上のECサイト
- 自社独自の販売方法をもっている
- 他システムと連携したい
パッケージのメリット・デメリット
メリット
- システム連携やカスタマイズに適している
- フルスクラッチよりも低コスト
- デザイン制限がない
- パッケージベンダーによる開発
- 技術力があれば、自社で保守開発することも可能(プログラムコードを開示してもらう必要がある)
デメリット
- 開発コストが高い
- サーバー代がかかる
- システム更新などの手間が発生する
ASP
ASPは、企業が提供しているECプラットフォームを活用することで、低コスト、短時間でサイトを作成する方法です。
ASPは、気軽に始められるメリットがある一方で、デザインや機能面での自由度は他の開発方法に比べて低いというデメリットもあります。また、基本的に他の発送システムなどとの連携ができないため、売上の多い大規模なサイトには適していません。
こんなサイトを目指すときはASPがオススメ
- 小規模サイト
- ECサイトを初めて作成する場合
- 社内に技術者がいない場合
ASPのメリット・デメリット
メリット
- コストが低い
- 誰でも簡単に始められる(専門知識不要)
- 自動アップデートがあり管理が楽
デメリット
- デザイン、機能に縛りがある
- 他システムとの連携が困難
ここまでを簡単にまとめると以下の表の通りになります
主要なASPの紹介
ASPには様々な種類があり、ターゲットや規模感によって適したASPを選ぶことが重要です。
その上でまず立ち上げてみる小規模サイトに適しているASPとして、以下の3つがあります。
- Shopify
- BASE
- STORES
どれも店舗数が80万店舗を超えるスタンダードなカート型ECプラットフォームです。個人・法人を問わず多くの方が利用しています。
では、この3種類の違いは何なのでしょうか。選ぶ基準やメリット・デメリットなどを中心にShopify、BASE、STORESの違いをご紹介していきます。
Shopify
Shopifyの特徴(機能面、手数料他)
Shopifyは、世界シェアトップのECプラットフォームです。
2004年にカナダでShopify社が創業し、それから現在までで世界中で170万以上のショップが開設されています。(2021年5月現在)
Shopifyの運営にかかる費用
Shopifyでは初期費用はかからないのですが、その代わりに月額手数料、決済手数料、取引手数料がかかります。
月額手数料は、プランによって変わってきます。プランは下記の5通りがあります。
- 9ドルのライトプラン
- 29ドルのベーシックプラン
- 79ドルのスタンダードプラン
- 299ドルのプレミアムプラン
- 2000ドルのプラスプラン
があります。
プランによって、国内発行カード手数料、海外発行手数料、shopify payment利用時の取引手数料、shopify paymentを使用しない場合の追加料金、スタッフアカウント数などが変わってきます。
また、Shopify内で確認できる売上などに関するレポートも、プランによって閲覧可能なレポートに制限があります。
Shopifyのメリット・デメリット
メリット
- 海外販売に強い
- 拡張機能が充実している
- レポートが充実している
- 決済方法が豊富である
- デザイン性が高い
- セキュリティに強い
デメリット
- 運営に月額費用がかかる
Shopifyで出力出来るデータ
- 商品
- コレクション(カテゴリ)
- 顧客
- 注文
- 下書き注文
- クーポン
- ページ
- 記事
- 301リダイレクト
- ストア設定情報
- Shopify ペイメントからの入金情報
- アクティビティ(エクスポートのみ)
BASE
BASEの特徴(機能面、手数料他)
BASEは2012年にスタートした、誰でも簡単にネットショップの作成ができるECサービスの一つです。決済機能やデザインテーマ、拡張機能など、ECサイト運営で役立つ機能が備わっています。140万店舗以上のショップが開設されています。(2021年5月現在)
BASEの運営にかかる費用
BASEでは、基本的に無料で運営できます。
初期費用、月額費用などが掛からないため、気軽に始めることができます。ただ、その代わりに商品が売れた際に取引手数料(3%)、BASEかんたん決済手数料(各注文ごとに3.6%+40円)、売上金振込手数料(一律250円)、事務手数料(振込金2万円以内の申請の場合)がかかります。
BASEのメリット・デメリット
メリット
- 無料で始めることができる
- 専門知識不要で誰でもECサイトを立ち上げることができる
- テンプレートが豊富
- BASE Appで機能を拡張できる
- 決済機能が豊富
デメリット
- BASEオリジナルテーマ以外の場合ページ追加できない
- デザインや機能のカスタマイズに制限がある
- BASEで出力できるデータ
BASEでは下記のようなデータをCSVで出力出来ます。
- 注文情報App
- 注文ID
- 注文日時
- 氏(請求先)
- 名(請求先)
- 郵便番号(請求先)
- 都道府県(請求先)
- 住所(請求先)
- 住所2(請求先)
- 電話番号(請求先)
- メールアドレス(請求先)
- 氏(配送先)
- 名(配送先)
- 郵便番号(配送先)
- 都道府県(配送先)
- 住所(配送先)
- 住所2(配送先)
- 電話番号(配送先)
- 備考
- 商品名
- バリエーション
- 価格
- 税率
- 数量
- 合計金額
- 送料
- 支払い方法
- 代引き手数料
- 発送状況
- 商品ID
- 種類ID
- 購入元
- 配送日
- 配送時間帯
- 注文メモ
- 調整金額
- 売上App
- 売上
- 発送日時
- 注文ID
- 決済方法
- 注文日時
- 軽減税率分総額(税込)
- 通常税率分総額(税込)
- 送料(税込)
- 小計(税込)
- ショップコイン利用分
- 店舗発行クーポン
- BASE負担クーポン
- 購入者支払金額合計
- 手数料算出対象合計
- 伝票番号
- ヤマトかんたん発送利用分
- 決済手数料
- サービス手数料
- 売上残高計上額
- メモ
- 振込申請
- 申請日
- お支払日
- 振込申請額
- 振込手数料
- 事務手数料
- お急ぎ振込手数料
- 実振込額
- 入出金履歴
- 入金日時
- 項目名
- 金額
- 残高
- 費用
- 支払日
- 項目
- 金額
- YELL BANK(エールバンク)
- 日時
- 種類
- 資金調達ID
- 関連注文ID
- 資金調達額
- 支払総額
- 支払金額
- 支払残高
STORES
STORESの特徴(機能面、手数料他)
STORESは2012年にスタートした、「自分でつくれるネットショップ」がテーマのECプラットフォームサービスです。80万以上の店舗が開設されています。
STORESの運営にかかる費用
STORESでは、フリープランを使えば無料で運営できます。初期費用や取引手数料がない代わりに、決済手数料(5%)が発生します。
また、STORESでは月額1980円の有料プランもあり、こちらでは決済手数料(3.6%)になります。決済回数が多い場合は、有料プランの加入もおススメです。
有料プランでは、下記のようなメリットもあります。
- 独自ドメインの取得
- 決済手段が増える
- アクセス分析
- レビュー機能
- STORESログの非表示
- 送り状のCSV出力など
STORESのメリット・デメリット
メリット
- テンプレートが豊富(BASEよりも多い)
- 倉庫配送サービスが使える
- 有料プランでは様々な機能が利用できる
デメリット
・デザインや機能のカスタマイズに制限がある
STORESで出力できるオーダーデータ
- オーダー番号・ステータス
- 支払方法
- オーダー日・決済完了日・発送完了日
- アイテム名・注文個数
- 種類
- 品番
- バーコード
- 小計
- 決済手数料
- 配送料
- 販売タイプ
- 販売サイクル
- クーポン割引額
- ディスカウント割引額と割引率
- 代引手数料
- 合計金額
- 配送先の氏名・住所・電話番号
- 購入者の氏名・住所・電話番号
- メールアドレス
Shopify・BASE・STORESはどれを選ぶべき
Shopify・BASE・STORESの違いをまとめると以下の通りです。
それぞれメリット・デメリットが存在するため、どんなECサイトを作りたいかによって選ぶべきものは変わってきます。
- 海外にも強い、機能性抜群で本格的なECサイトを目指すなら、Shopify
- 無料で手軽に始めるならBASE、STORES
- 売上が多い場合は、STORESの有料プラン
それほど多くの売上が見込めないサイトの場合は、BASEかSTORESの無料プランがオススメです。ご自身の作成したいECサイト像を整理したうえで適切なECプラットフォームを選びましょう。
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