リピート率とは?計算方法、リピーター率との違い、上げる方法について
目次
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リピート率とは
リピート率とは、累計の顧客数に対するある期間のリピート顧客数の割合のことです。顧客におけるリピート顧客の割合を知るために使われる指標です。
リピート率の計算方法
たとえば今年の2月のリピート率を知りたい場合には
今年の2月のリピート顧客数÷累計新規顧客数×100
で求めることができます。
リピーター率とは?
リピート率に似た指標にリピーター率というものがあります。これはある期間の顧客数に対するリピート顧客数の割合のことです。
たとえば今年の2月のリピート率を知りたい場合には
今年の2月のリピート顧客数÷今年の2月に商品を購入した顧客数×100
で求めることができます。リピート率の場合には分母が累計新規顧客数であったのに対して、リピーター率の分母は分子と同じ期間の顧客数になっています。
リピート率の定義は企業ごとに異なっている場合も多い
リピート率とリピーター率の定義についてご紹介しましたが、実際にはそこまで厳密な定義はなく、リピーター率をリピート率と呼んでいる場合もありますし、顧客数ではなく購入件数で計算されている場合もあります。また、呼び方もリピート率ではなく継続率と呼ぶ場合もあります。
このような場合に、定義や呼び方をこの記事で紹介しているものに揃えることはあまり重要ではありません。自社のビジネスの状況を把握するために重要なのは、リピート率をどのように定義しているかを把握しておき、その定義で統一して指標の推移を見ていくことです。
リピート率の重要性
サイトを運営するときには集客に意識がいきがちですが、新しいユーザーを呼び込むだけではいつまでも集客にコストをかけ続けなくてはいけませんし、安定した売上を確保するのは難しいです。
マーケティングにおける有名な法則に1:5の法則というものがあります。これは商品を販売する際にかかるコストがリピーターと新規顧客ではおおむね1:5になっているという法則です。実際は商材やブランドの認知度によって変わってきますが、リピーターへのマーケティングコストは低く抑えることができるのはどのような業界でも共通です。
同じくリピートに関する法則にパレートの法則というものがあります。これは、2割の優良顧客が売上の8割を構成する、という法則です。ECサイトの運営においても、売上の大部分を構成するようなリピート顧客をしっかりと捕まえることが重要です。
リピート率を上げるためにみるべき指標
ここまでの話を踏まえるとリピート率が高ければ高いほどいいように感じられてしまうかもしれませんが、たとえばリピート率が100%になったと考えると、これは逆に新顧客の獲得が0だったということです。この場合は、事業を拡大していくことはできません。
そのため、リピート率を上げたいと感じている場合でも、単純にリピート率だけをみるのではなくリピート顧客や新規顧客の顧客数の推移や、顧客単価の推移といった様々な指標をチェックして、正しく課題を把握することが大切です。
少なくとも下記の指標をチェックした上でリピーターの客数や割合に課題があると判断した場合には、リピート率を上げる対策を打っていきましょう。
リピート率の平均
ビジネスにおける数値を把握しやすいEC業界におけるリピート率の平均は30〜40%程度と言われています。これは扱っている商品の種類や商品の数、事業規模などによっても大きく変わってきます。
まずは自社のリピート率の推移を把握して、前月や前年同月と比較したときに上がっているのか下がっているのかなどをチェックして対策を打っていきましょう。
リピート率を上げる方法
リピート率、リピート顧客数に課題がある場合には、以下のような施策を活用してリピート率を上げていきましょう。
- リピート率をあげるための施策
- キャンペーンの実施やクーポン
- ブログでの情報発信
- リピーターへの特典を用意する
上記のような施策を行なったうえで、それらを以下のような方法でユーザーに知らせましょう。
- リピートを促すためのアプローチ方法
- 初回購入時
- 同梱物
- メール、DM
- SNS
リピート率をあげるための施策
まずは施策を確認してみましょう。
施策1 キャンペーンの実施やクーポン
メールやDMでのアプローチを行う際にただ商品の情報を送るだけではお客様の気を引くことは難しいため、割引などのキャンペーンやクーポンのお知らせを送ることで、再度サイトに訪問してもらいやすくなります。
施策2 ブログでの情報発信
商品の活用法など、お客様にとって役立つ情報を定期的に更新し、メールでお知らせするだけでもサイトを訪問するきっかけにつながります。
また、ブログなどのコンテンツを増やすことは検索エンジンからのアクセスを増やすことにもつながり、新規顧客の獲得にもなる場合もあります。
施策3 リピーターへの特典を用意する
キャンペーンやクーポンとは別にリピーターへだけの特典(割引、ポイント付与率のアップ、送料無料など)を用意するのも効果的です。
リピートの回数や頻度に応じた割引特典などを用意すると、リピート回数を増やすことにもつながります。
リピートを促すためのアプローチ方法
初回購入時
同梱物
メール、DM
SNS
アプローチ1 初回購入時
一度商品を購入してくれたお客様も、購入から時間が経てば経つほどサイトのことを忘れていきます。そのため、まずは初回購入時にしっかりとリピートの促進を行いましょう。
例えば、注文完了画面、注文内容確認メール、発送メールなどの中でリピーター特典やキャンペーン情報などをお知らせして、次回以降の利用を促しましょう。
アプローチ2 同梱物
購入時にアプローチは完了画面やメールだけでなく、商品が届いたときの同梱物でも可能です。
ここでも特典やキャンペーン情報、商品カタログ、LINE公式アカウントの友達追加の誘導など、リピートにつながる情報を届けましょう。
アプローチ3 メールでのアプローチ
すでに商品を購入したことのある顧客は、メールアドレスを取得できているため、メールでのアプローチを行いましょう。これらは新規顧客獲得のための広告などに比べて実施にかかるコストが抑えられるため効率的です。
メールのアプローチも様々な方法があります。
メルマガ
単発メール
ステップメール
セグメントメール
お誕生日メール
自社で利用しているメールシステムによって実現できるものできないものがあるとは思いますが、お客様がしつこいと感じない範囲で積極的に取り組んでいきましょう。
アプローチ4 DMでのアプローチ
目に入る可能性は高い
20代くらいの若い世代では馴染みがなく見られない場合も多いので、自社の顧客層に合わせて取り組みましょう。
アプローチ5 LINE公式アカウント
メールと同じ役割として、LINEの公式アカウントを活用するのも効果的です。特にプライベートでECサイトを利用しているお客様はメールよりもLINEのほうが普段から利用している可能性が高く、メッセージを配信した際の閲覧率(開封率)はメールよりも高くなりやすいです。
アプローチ6 SNSでの情報発信
最近ではメールやDMよりもSNSをよく見ている人も多いため、SNSでの情報発信も効果的です。フォロワーが増えてくれば発信力も上がり、この場合も新規顧客の獲得につながるので、取り組んでみるのがおすすめです。
顧客データの分析でより効果的なリピート施策に
ここまでに紹介してきた施策は、データ分析に基づいて取り組むことでより効果の高い施策になります。
これまでのリピーターのデータを分析することで、メールの効果的な配信タイミングや、効果的な内容を見極めることも可能です。
リピート施策のための分析としてよく使われるのが「RFM分析」と「CPM分析」です。
RFM分析
RFM分析(Recency frequency monetary analysys)とは顧客分析手法の1つで、「一番最近に購入した顧客は誰か」「頻繁に購入する顧客は誰か」「一番お金を使ってくれている顧客は誰か」という3つの側面から顧客をランク付けする分析手法です。
具体的なやり方は「RFM分析とは?効率的な顧客アプローチを実現する顧客分析」で解説しています。
CPM分析
CPM分析とは、Customer Portfolio Managementの略で「購入回数」「購入金額」「最終購入日からの経過日数」によって顧客を分類し、自社の顧客の傾向を分析する手法です。主に、購入回数が少ない顧客をリピーターに育てていくために活用されます。
具体的なやり方は「CPM分析とは?顧客分析でECサイトや店舗のリピート率を高める!」で解説しています。
CVRとリピート率の関係性
リピート率と同じく重要な指標がCVRです。ビジネスはお客様がいてこそ成り立っており、そのお客様の行動プロセスを簡単に示すと、
- 店舗やサイト等に訪問する【集客】
- 訪問した後、(資料請求や問合せ、接客・営業活動を経て)購入する【CV】
- 再度購入・取引する【リピート】
となり、CVRとは1から2に遷移する割合、リピート率とは2から3に遷移する割合となるため、非常に重要な指標となるのです。
CVRとリピートの現状を可視化
図2 ブランド別のCVRとリピート顧客数構成比の比較
上図はそれを表した例となります。複数ブランドを展開している企業において、ブランド別の購入率(CVR)を縦軸、全購入におけるリピート顧客の割合を横軸(疑似的なリピート率)、売上を円の大きさで表しています。また、前月からの推移も円の色で分かるようにしているグラフとなります。
上図と同じように、ブランド別や事業別、店舗別等でCVRとリピート率を可視化することで、各ブランド(あるいは事業や店舗)のそれぞれの指標の差がパッと分かります。その上で、その差がどこから来ているのか深堀分析したり、指標の高いブランドや店舗で実施している施策を横展開できるか検討していくことに繋がります。
単一ブランドの場合、例えば、数か月間の結果を表示し、その推移を見ていくことも良いと思います。その際、指標の良かった月や悪かった月において、どんな施策を実行したのかを棚卸することで、次の施策に向けた改善・強化に繋げられるでしょう。BtoB業態であっても同様です。
CVRについては、サイトへの資料請求や問合せに設定したり、商談率や成約率で置いてみると良いでしょう。
クライアントの規模別や業種別、あるいは営業担当者別でセグメントすると、強みや改善すべきポイントが把握できるかと思います。
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