あなたの会社のデータ活用がうまくいかない2つの理由
KUROCO株式会社 代表の齋藤健太です。先月末、新社会システム総合研究所さんで「データドリブン経営最前線!データを売上増加に繋げるためのあるべき基盤構築方法」というタイトルでセミナーをさせていただきました。
2時間のオンラインセミナーで3万円もするのに(少しプレッシャーを感じてました。。)、25名もの方にご参加いただきました。それだけ、データドリブン、いわゆるDX推進に対するニーズが高いことを感じさせられました。(売上を上げるためのDX推進にデータ活用は欠かせません。)
今回は、その中でお話させていただいた、大手企業でもよく起こっているデータドリブン経営が出来ていない理由、背景について2つお伝えさせていただきます。
目次
1.属人的な営業体制になってしまうデータ蓄積の未整備
例えば、ある自動車販売をしている企業では、顧客がオンライン上で来店予約をしたり、店舗に訪れた際に情報が基幹システムに登録されていました。
しかし、その登録のされ方が、顧客単位ではなく販売されている自動車単位となってしまっていました。どういうことかと言いますと「Aさん」がX店舗で予約し、Y店舗にも訪れた場合に、X店舗とY店舗両方に異なる顧客として登録されてしまっていたのです。
本来であれば、「Aさん」という顧客を軸とし、そのAさんがX店舗の商品〇〇、Y店舗の商品▽▽に興味を持った、という登録をするべきなのです。
ところがこの自動車販売会社では顧客が一元管理されておらず、データからのアプローチが出来なくなっていました。結果として、営業担当者が個々人でリストを管理せざるを得ず、属人的な営業体制となってしまっていたのです。
これは、全国に営業所があるような業態企業では同じようなことが起こっているかもしれません。
ビジネスとは、お客様に対して商品やサービスを販売していくため、「顧客」を軸にデータも蓄積していくことが重要です。その「顧客」が、「いつ」「どこで」「何を」購入したのか、どんな行動をしたのかが分かるようにデータが蓄積れているか、今一度確認してみてください。
2.システムありきの設計によるデータの不足
どんな企業でもシステム保守期間があります。そしてその保守期間終了のタイミングでシステム刷新するケースも多いかと思います。
より業務を効率化したり、売上成長を目指すために機能を強化したり、そのために要件を定義しシステムベンダーを選定し、数千万円あるいは数億円をかけて構築に臨むでしょう。
その際に起こってしまっているのが、先に基幹システムのパッケージを決めてしまうことです。
今は業態ごとに強いパッケージを提供しているベンダーがいるので、フルスクラッチではなく、パッケージをベースにカスタマイズすることが多いと思います。
その際に、業務を滞りなく回すための要件については定義できている場合が多いのですが、データ活用という視点での要件定義をする前にシステムを選定してしまっていることが多いです。その結果、システムを決めたあとに、データをどう活用するのか、データ部分の定義を開始するケースを見ます。
そして気付くのです。「データ活用するためのデータがない」と。
もともと利用していたシステムと新たに導入予定のシステムとで、必要なデータのつきあわせをした際に、新しいシステムでは分析するために重要となるデータが取れないと判明することがあります。あるいは重要なデータを取るためには追加でカスタマイズ費用がかかり想定以上の費用増となってしまうという場合も少なくありません。
このような事態に陥らないために忘れてはいけないのは、なぜシステムを刷新するのか、ということです。それは今後の売上成長のためです。そのためにあるべきシステムを選定することが必要で、あるべきシステムとは、売上成長に必要なデータが蓄積され、分析・可視化へと繋げることが出来るシステムであるということを常に意識しておかなければいけません。
その部分の要件定義ができていないままシステム構築に進んでしまい、結果としてシステムを刷新したものの今までと変わらないね、ということが良くあります。
これは基幹システムの刷新時だけに限らず、BIツールの導入や施策系ツール(例:マーケティングオートメーションツール等)の刷新時であっても同様です。導入したものの使いきれない企業はとても多いです。
BIツールであれば、売上を上げるために何をすべきなのか、そのためにどんなデータを確認・分析することが必要なのか、その上でBIツールを使ってデータをどのように編集・加工してけば良いのか、といったように、目的から必要なツールの選定に落としていくことが重要です。
いかがでしたでしょうか。データ活用しきれていない原因として、今回お伝えした通り、データ蓄積や分析の設計部分に課題があることは多いです。ぜひ、「売上を上げる」という目的を起点に落としていっていただければと思います。
今回はここまで。引き続き、よろしくお願いいたします。(不明点や自社であればどうすれば良いのかなど、お気軽にお問合せください)