データ分析の基本とは?ビジネスにおける役割や取り組み方を解説
この記事ではデータ分析の基本的な役割、取り組む時の流れやポイントを解説します。
目次
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データ分析とは?
データ分析とは、データを集めて整理、編集し、過去から現在までがどういう状況になっているのかを客観的な数値で把握することです。
データを整理し、必要に応じて可視化することで現状を正しく把握したり、データから規則性やデータ同士の関連性を見つけることで将来を予測しビジネス戦略を立てるために活用します。
参考:データ分析とは?目的や正しいプロセス、手法、活用事例を解説
データ分析の基本は「問題の原因を突き止めること」
データ分析は現状を把握しビジネス戦略を立案するなど、ビジネスにおける問題解決のために活用されます。何らかの問題に直面したとき、思いつきに近い解決策で対応して、まずい事態に陥ってしまった、完全に失敗してしまった、ということはないでしょうか。そのような状態に陥らないためにデータ分析は重要な役割を果たします。
正しく問題解決を行うためには、現状を正確に理解し、問題の原因を見極め、効果的な打ち手(解決策)まで考え抜き、実行するというアプローチを取ることが重要です。
問題解決のアプローチ 4つのステップ
- 現状の理解
- 原因の見極め
- 打ち手の決定
- 実行
たとえば「会社全体の売上が下がってきた」という問題に直面した場合、次のような一連の流れを実行できてはじめて「問題解決ができた」といえるのです。
- [現状の理解]
「売上が下がっている」という問題が発生している状況を正確に理解し - [原因の見極め]
なぜ売上が下がってきているのか、なぜ売上を上げることができないのか、問題の発生している根本的な原因を見極めて - [打ち手の決定]
どうすれば売上を下げ止めることができるのか、効果的な打ち手を導き - [実行]
売上を下げ止めていくための打ち手を実行に移し、必要に応じて打ち手を修正していく
データ分析は、この4つのステップにおける[原因の見極め]において効果を発揮します。
どんな問題でも、原因にはいくつか心当たりがあることでしょう。ビジネスにおいては、問題が複雑に絡み合っていることも多くあります。
問題を分解し、考えられる原因を洗い出し、根本的な原因がどこにあるのか仮説を立て、それを裏づけるデータ分析を行うことで、原因が導き出されます。この原因を見極める部分が、問題解決をする上で最も重要です。
データ分析の基本的な流れ
データ分析は基本的な流れは次の5つのステップを踏んで進めます。
(1)目的の明確化
データ分析で最も重要なのは目的の明確化です。「目的」を明確にしておかなければ、データ分析の進め方を間違えてしまい、大幅に遠回りをしてしまう可能性が大いにあり得ます。逆にいえば、ゴールを定めて、そのゴールに向かって最適なデータ分析をすることができれば、より速く的確な戦略や打ち手を導き出せることになります。
特に、時間の流れの速い現代のビジネスにおいては、いち早く自社の問題となっている原因を探り、問題を解決するための解答を導き出すことが、売上を伸ばすため、あるいは競合他社に勝つためには欠かせないのです。
しかし、実際には、目的を決めずにデータ分析を行っている企業の例をよく見聞きします。
クライアント企業の方が作成された数値データを見せていただくことも多いのですが、単に売上や利益などの数字を時系列で並べたものや、使った広告費に対してどの程度の売上があったのかなど、少し加工した程度のものが多くみられます。
もちろん今の状態を「把握」するためには意味のあるものだと思いますが、多くの場合、それだけでは必要な「打ち手」へとつなげることはできません。
データ分析に対して資金や人を投入しているのであれば、コストに見合う成果を得たいものです。そのためにも、目的の明確化が必要なのです。
もし最初から明確化することがちょっと難しいのであれば、はじめは「売上減少」などの漠然とした問題でもかまいません(あるいは売上増加といった目的でもかまいません)。徐々に目的を明確にしていけばよいのです。
目的を明確にすればするほど、そのあとの分析もスムーズに進みます。また、目的は具体化したほうが、それに対する打ち手もシンプルでわかりやすいものになります。
(2)仮説の洗い出しと絞り込み
たとえば「売上減少」という課題を解決することを目的としてデータ分析に取り組む場合、売上減少の原因として、「来店客が少ない」「リピーターが少ない」「商品の品質が低い」「値段が高い」「店員に元気がない」……など、すぐにいくつか挙げられると思います。思いつく限りすべて挙げることが重要です。
洗い出した原因の中で、状況をしっかりと見据えていくと、実はそれらの多くは原因ではなく現象(結果)であるケースが少なくないのです。
原因と思って挙げたものをよく見ると、それぞれが因果関係にあることがわかります。
たとえば「値段が高い」は、他社と比べて「商品の品質が低い」ことや「希少性が低い」などの理由にもなり得ます。高品質の商品やなかなか手に入れられない商品であれば、「値段が高い」という評価にはならないでしょう。
また、「新規顧客やリピーターが少ない」のは、価格の割に商品やサービスの品質が低いことにもなり得ますし、店員に元気がないのは、そもそもの問題である「売上が上がらない」からかもしれません。
このように、ある程度、経験に基づくものでかまわないので、洗い出した原因の中から可能性の高い仮説を立てます。
(3)分析方法の決定
次に、仮説に基づいて分析方法を決定します。
たとえば、「顧客のニーズに合った商品を提供できていないことがそもそもの原因で客数が減って売上減少が起こっている」という仮説があるとします。
その場合、来店頻度や購入金額別に顧客をセグメント化(区分)し、客数の減少しているセグメントにおいて顧客が購入している商品販売実績を時系列で分析します。それによって、どの顧客層が減っており、その原因としてどんな商品が顧客ニーズと乖離しているかが導き出せるでしょう。
このようにして、どのような分析をすればよいのか、「分析の設計」をします。
(4)データの収集
定義したデータ分析方法に基づいて、必要な情報(使用するデータ)を探していきます。定義した分析方法を実現させるためのデータを、いかにして集めて整理するかが、大きな鍵になってきます。
(5)データ分析
集めたデータを使って分析をしていき、先ほどの、「(2)洗い出した原因の仮説構築」で立てた仮説が正しいかどうか検証していきます。もし仮説が間違っていた場合、(2)に戻って繰り返していきます。
この(1)~(5)を繰り返すことで、原因を見極めることができます。
データ分析をビジネスに活用するためのポイント
データ分析で問題の原因を突き止めたら、それにしたがって戦略や施策を検討し実行していかなければいけません。ここからはデータ分析の結果をビジネスに活用するためのポイントを解説します。
打ち手に落とし込み実行する
データ分析で見極めた原因に対して、その原因を改善するための打ち手を決めることが重要です。とはいえ、原因を見極めた段階で、打ち手も同時に見えてくることがほとんどです。
たとえば、前述のように「顧客のニーズに合った商品を提供できていないことことがそもそもの原因で客数が減って売上減少が起こっている」ということであれば、
- 取り扱い商品(種類や価格帯)の見直し
- 競合他社に負けない商品開発(高付加価値商品の開発)
などが具体的な打ち手となるでしょう。
前者は主にさまざまな商品を仕入れるような小売業の業態・企業の打ち手になるでしょうし、後者は主にメーカーが取るような打ち手となるでしょう。
そして、いよいよ打ち手の実行です。計画を立てるだけでは問題解決になりません。実行して成果が出て、はじめて問題解決となるのです。また、打ち手の実行後にもデータ分析は重要な役割を担います。
実際に打ち手の効果がどの程度あったのか、仮説通りの成果は出せたのか、打ち手の実行前後での違いや打ち手の効果検証を行う際にもデータ分析は重宝します。
PDCAを回すことが重要
先ほど述べたように、打ち手を実行してもそこで終わりではありません。その打ち手が正しかったのかどうか判断し、もし間違っていた場合、あるいは当初に想定していたほどの効果が出なかった場合は、修正していく必要があります。この一連の流れを「PDCAサイクルを回す」と言います。
計画を立てて(Plan)、実行し(Do)、結果を評価して(Check)、評価に基づき改善して(Act)次のステップへと進めていくことはとても重要です。
日々、問題に立ち向かっているビジネスパーソンにとって、効率よくスケジューリングして業務を実行していくためにも、PDCAサイクルを回すことは欠かせません。
データ分析についても同様のことが言えます。課題を見極めて仮説を洗い出し、データ分析により仮説思考をしながら打ち手を構築し、実行に移す。
打ち手の構築までがPlanで、実行がDoです。しかし、ここまでだけではやりっ放しになってしまうので、しっかりと打ち手の評価、つまりCheckをした上で、改善が必要であればActすることが重要なのです。
データ分析により、ある程度、精度の高い打ち手は構築できますが、それでも条件や環境変化ゆえに想定した成果に結びつかないこともあります。そのためにも、PDCAを回すことによって、常に最適解を求めていくことが大事なのです。
当ブログではデータ分析の基本が学べる記事を公開しています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
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