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コレスポンデンス分析とは 特徴や分析方法を分かりやすく解説

この記事では実際のビジネスの現場でも活用出来る分析手法の一つ「コレスポンデンス分析」について解説します。アンケート調査などを行う方は知っておくと大変便利な手法ですので、是非参考にしてみてください。

コレスポンデンス分析とは

コレスポンデンス分析は、質的データを扱う多変量解析の手法の一つです。

簡単にいうと、クロス集計表にまとめたデータを分かりやすく図として可視化するものです。クロス集計に関する分析ということで、アンケート調査などの分析で活用されることの多い分析手法です。

参考:クロス集計とは

コレスポンデンス分析で得られる図のイメージ

ちなみに、コレスポンデンス分析は略して「コレポン」といわれたり、別名「対応分析」といわれたりもします。

コレスポンデンス分析を活用するメリット

コレスポンデンス分析の大きなメリットは、クロス集計表を視覚的に解釈しやすくなるという点です。

コレスポンデンス分析のグラフ内では距離が近いほどそれらのグループの関連性が強いということがいえます。行数や列数が多い場合クロス集計表だけではデータの傾向を把握するのが難しいため、そのような場合にコレスポンデンス分析を使うことでデータをパッと見で要素同士の関連性などを解釈出来るようになります。

コレスポンデンス分析の分析の流れ

ここからはコレスポンデンス分析の手順に沿って、具体的な分析の取り組み方を解説します。

  • STEP1:分析目的を明確化
  • STEP2:必要なデータを収集し、クロス集計
  • STEP3:コレスポンデンス分析を実施
  • STEP4:分析結果の評価、活用

それぞれのステップについてご紹介していきます。

STEP1:分析目的を明確化

まずは、分析の目的を明確化しましょう。

目的を明確化することで、集めるべきデータがなにか見えてきます。

たとえば、「自社ブランドと競合ブランドについて、20代~40代の方々がそれぞれどのブランドを好む傾向にあるのかを分析したい」といったように分析の目的を明確します。そうすることで「年代別で、自社ブランドと競合ブランドに関する購買データを収集しよう」と収集すべきデータがわかりやすくなります。

STEP2:必要なデータを収集し、クロス集計

STEP1で目的を明確化したら分析に必要なデータを収集していきます。

たとえば、自社と競合ブランドに関する年代別の購買人数のデータを収集でき、それをクロス集計にしたものが以下とします(解説用の架空のデータです)。

STEP3でこちらのデータを用いてコレスポンデンス分析を実施していきます。

STEP3:コレスポンデンス分析を実施

クロス集計して準備ができたら、実際にコレスポンデンス分析を行います

分析する場合には、統計ソフトを使うことが一般的です。よく使われるものとして、フリーソフトのRがあります。他にもExcelで専用のアドインを入れたり、SPSSなどの有料ツールを使うというのも一つの方法です。

以下は、STEP2で準備したクロス集計に対して、Rを使ってコレスポンデンス分析を行った出力イメージです。

※具体的なRの操作方法については割愛させていただきますが、簡単にいうとRで対応分析を実行するためのcaパッケージを使って、あらかじめ読み込んでおいたsdataというデータに対して以下のようなコードで対応分析を行いました。

ca(sdata)
plot(ca(sdata))

STEP4:分析結果の評価、活用

分析結果が出たら、その結果を読み取って、評価し、今後の施策検討に活用していきます。分析だけして終わっては意味がないので、必ずその分析結果をもとにどういうアクションをしていくのかを考えて実行することまで意識してください。

STEP3で出力した結果を改めて読み取ってみましょう。

コレスポンデンス分析のグラフ内では距離が近いほどそれらのグループの関連性が強いということがいえるため、この図からは「自社ブランド」は30代に、「競合ブランドA」は40代に、「競合ブランドB」は20代に好まれているという傾向が読み取れます。

ここから、「限られた予算で広告を打つときにはまずは30代をターゲットにすることで効率的に予算を使っていこう」「逆に20代と40代に買ってもらうための改善点を、それぞれに好まれている競合ブランドを調査して考えていこう」などの戦略を考えることができます。

コレスポンデンス分析活用時の注意点

コレスポンデンス分析を活用する際の注意点として、回答者数などのサンプルサイズの大小が図に反映されない点が挙げられます。

どれだけ人数差が大きくても同じように一つの点として散布図上にプロットされます。具体的な人数差までは分からないので、実際のデータも合わせて確認するようにしましょう。

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