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新規事業アイデアの考え方 | フレームワークや成功事例も解説

新規事業アイデアの考え方 | フレームワークや成功事例も解説

新規事業の必要性

企業にとって新規事業が必要となる最大の理由は、既存事業だけでは持続的な成長は難しいためです。

ビジネスにおける考え方の1つに「事業ライフサイクル」と呼ばれるものがあります。これは、事業にも成長から衰退までのプロセスがあるとする考え方です。技術の発達や社会情勢の変化などの様々な要因によって人が求めるものは変化していきます。それに伴って成長する事業もあれば衰退する事業もあるのは当然です。

そのため、1つの事業にこだわっていれば、その事業が衰退するのと同時に企業自体も力を失ってしまうことになります。そうならずに企業が継続して成長していくためには新規事業への取り組みは欠かせません。

新規事業に着手しているのは全体の約12%?

以下は、以前弊社で経営者・自営業者向けに行った調査の結果です。

Q.貴社の新規事業について、最も当てはまるものを選んでください。

A.

この結果を見ると、「既に新規事業に着手している(具体的に何をするか決まっている)」と回答しているのは経営者・自営業者全体の12.0%(342名中41名)に止まっています。また、約4分の3に当たる73.4%が「現在のところ新規事業を実施する予定はない」と回答していることがわかります。

企業の成長には新規事業への取り組みは欠かせません。しかし、多くの日本企業において新規事業への取り組みが行われていないのも事実です。逆に言えば、小さくても新規事業を構想し、着手していくことが他の企業に差をつけることにもつながると言えるでしょう。

新規事業の立ち上げ方

新規事業は大きく次のような4つのステップを踏んで立ち上げます。

  • 事業アイデアを出す
  • ターゲットと提供価値を明確にする
  • ビジネスモデルを組み立てる
  • 新規事業を実行する

事業アイデアを出す

まずはどのような事業領域で事業を行うのかを明確にします。詳しいアイデアの考え方は後ほど解説しますが、たくさんのアイデアを出し徹底的に考え抜くことがいい事業を創出につながります。

ターゲットと提供価値を明確にする

事業領域や提供する商品、サービスを考えたら次にターゲットと提供価値を明確にします。どのような層をターゲットとするか、競合となりうる商品サービスとどのように差別化するのかなどを考えていきましょう。

ビジネスモデルを組み立てる

ターゲット、提供価値まで明確になったら、具体的なビジネスモデルを組み立てていきましょう。どのような体制で事業を行い、どれくらいのコストを使い、どれくらいの収益を目指すのかなどを考え、事業計画に落とし込んでいきましょう。

新規事業を実行する

ビジネスモデルまで構築できたら、あとは事業を実行に移していきましょう。事前の準備を怠ってはいけませんが、実際に事業を実行しなければ分からないことも多いです。事業に取り組みながら検証改善を行い、成長を目指しましょう。

新規事業アイデアの考え方(新規事業立ち上げ入門)

新規事業を立ち上げるためには、まずどのような事業を行うのかというアイデアを考えることが欠かせません。

企業全体の4分の3は新規事業のアイデアが決まっていない?

以下は前述と同じ、弊社で行った調査の結果です。

Q.新規事業を検討している方にお聞きします。現在の状況について、最も当てはまるものを選んでください。※「現在新規事業を検討している」と回答した50社(経営者・自営業者342名の14.6%)が対象

A.

新規事業を検討している(まだ実施には至っていない)経営者・自営業者のうち、24.0%が「どんな事業をするべきか既に決まっている」と回答しています。

一方で半数が「新規事業の候補はいくつか上がっているが、まだ定まっていない」と回答しており、26.0%は「どんな事業をしていくかまだアイデアはない」と回答しています。4分の3は新規事業を実施しなければならないと検討しているものの具体的なアイデアが定まっていないことが分かります。

調査概要
調査母数:342名(経営者、自営業者)
調査日:2018年5月2日、KUROCO株式会社調査分析

この調査結果からもわかるように、新規事業の立ち上げにおいて重要な事業アイデアについて、多くの企業が明確にできていないのです。そこでここからは新規事業アイデアの考え方を確認していきましょう。

既存事業から考える

新規事業のアイデアを考えるうえでも考えやすいのが既存事業から派生させて考える方法です。

たとえば、テレビ番組の制作会社がその映像制作の技術を活かして、企業のPR動画制作などを行うといったものも、既存事業から新規事業を考えている事例です。

顧客のニーズを探る

顧客のニーズから逆算して事業のアイデアを考えるのも効果的です。す。まずは自社の顧客へのヒアリングなどを行い、ニーズを探ってみましょう。

また、企業の中で部署が細かく別れている場合には部署ごとに持っている情報が異なる場合も多いため、社内での意見交換などを行い、顧客の声などを共有するのもおすすめです。

自由にたくさん考える

新規事業の立ち上げには、既存の概念にとらわれないことも重要です。既存事業からの派生や顧客ニーズからの逆算は効率のよい方法であるものの、一方で独自性のある突き抜けた発想が出てきにくい面もあるため、既存事業やニーズといった考えを一度取っ払って、自由な発想で事業アイデアを考えることも大切です。
また、アイデアを思いつく限りたくさん出すことも重要です。いいアイデアを生み出すためには数も必要です。たくさんの選択肢を作ることで、いいアイデアを生み出すことを目指してみましょう。

KJ法を用いる

上記のようなポイントをおさえてアイデアを考える際には、KJ法を用いるのも効果的です。

KJ法とは、ブレインストーミングの手法の1つで、付箋と時計さえあれば簡単に行うことができます。

KJ法によるブレインストーミングのやり方

  • 会議のメンバーに付箋を5枚ずつ配る
  • 5分程度の短い時間で各自付箋にアイデアを書く
  • それをホワイトボードに貼り出し、アイデアをグループ分けする(グループについては、出てきたアイデアをわかりやすく分類できるようにその場でくくりを考える)
  • グループ分けされたアイデアを元に意見を議論を行う

新規事業開発に活用できる4つのフレームワーク

新規事業のアイデアを具体的な事業計画にまで落とし込むためには、現状分析など様々な分析や設計が必要です。そこでここでは、現状把握と事業の戦略立案に使えるフレームワークをご紹介します。

  • 現状把握に使えるフレームワーク
    • 3C分析
    • SWOT分析
  • 戦略立案に使えるフレームワーク
    • 4P
    • AIDMA

3C分析

3C分析とは、顧客、競合、自社の3つの視点からデータを収集し分析することで現状を把握する手法です。Customer(顧客) Competitor(競合) Company(自社)の頭文字をとって3C分析と呼ばれます。

競合分析の目的は自社と競合を比較することなので、競合の分析だけでなく自社の分析も同時に行うことが重要です。あわせて顧客視点からの分析を行うことでより客観的に自社と競合のポジションを明確にすることができます。

参考:3C分析とは?分析の目的とやり方を解説

SWOT分析

SWOT分析とは、自社の現状を「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの項目に整理して分析する手法です。Strengths(強み)、Weaknesses (弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字をとってSWOT分析という名前になっており、読み方は「スウォット分析」です。

3C分析と同じく、自社と競合の現状を比較して分析するためのフレームワークです。「強み」「弱み」という内部環境と、「機会」「脅威」という外部環境に分類して自社の事業を分析することで、客観的に現状を捉えることができます。

  • 強み:内部環境におけるプラスの要因
  • 弱み:内部環境におけるマイナスの要因
  • 機会:外部環境におけるプラスの要因
  • 脅威:外部環境におけるマイナスの要因

内部環境と外部環境、プラスの要素とマイナスの要素に分けて分析することで客観的に現状を把握することができます。

参考:SWOT分析とは?分析から戦略構築までのやり方を解説

4P

4P分析とは、商品、価格、流通、販促という4つの視点から企業を分析するフレームワークです。3C分析やSWOT分析において、これらの4つの視点から分析することで自社と競合の比較をスムーズに行うことができます。

Product(商品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字をとって4P分析と呼ばれます。

AIDMA

AIDMAとは顧客が商品・サービスについて知ってから購買に至るまでのプロセスを分析するためのフレームワークです。Attention(注目)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(購買行動)の頭文字を取ってAIDMA(アイドマ)と呼ばれています。

商品・サービスについて「知ってもらうために必要な施策」「興味を持ってもらうために必要な施策」などを5つのステップに分けて組み立てることで、実践的なマーケティング戦略を組み立てることができます。

新規事業の成功事例

最後に、新規事業を立ち上げ事業を成功させた2つの企業の事例をご紹介します。

若者のニーズを捉えた「AbemaTV」

ブログサービスなどを主な事業として取り組んでいたサイバーエージェントでは、2016年に動画配信サービス「AbemaTV」の提供を開始しました。

AbemaTVがその他の動画サービスと大きく異なる点は、オンデマンドではなく、リアルタイムで様々な動画が配信されていることです。

ネットフリックスなどのオンデマンドの動画配信サービスも人気ではあるものの、映画などを見ようとすれば2時間などのまとまった時間を確保しなければいけないのが気軽な視聴のハードルになってしまいます。それに対してAbemaTVのようなリアルタイムで放送されている動画配信サービスであれば時間が空いた時にとりあえずアプリを開いて見てみるといった視聴スタイルが可能です。

この視聴スタイル自体はテレビと同様ではあるものの、若者のテレビ離れが囁かれる中で、テレビで放送されている番組自体もシニア向けになってきている面もあります。そこでAbemaTVではあえて若者向けのコンテンツをリアルタイムで放送することでテレビを見なくなった若いユーザーを掴むことができています。

その結果、本開局からわずか11ヶ月で1500万ダウンロード、2021年には7300万ダウンロードを達成。2021年9月期のメディア事業売上高も前期比45%増の828億円と好調に推移しています。

サイバーエージェントでは、多くの新規事業のアイデアが生まれやすい環境づくりも取り組まれています。その1つが、1泊2日の合宿で行われる「あした会議」です。あした会議では社員をチーム分けし、チームごとにビジネスプランや課題解決プランを提案します。それらのプランには点数が付けられ順位づけされるため、各チームが競い合う中で様々なアイデアが生み出され、その中から実際に新規事業として取り組まれているものも数多くあります。

製造業からサービス業に進出した「タニタ食堂」

タニタでは1944年の創業以来、健康計測器の製造、販売を行ってきました。

製造業で培った体調不良や生活習慣病の予防など、健康づくりの知識を活かし、2012年に「丸の内タニタ食堂」をオープンするなどサービス業に参入しました。これは既存事業からの派生で新規事業を生み出している事例です。

既存事業で培われたノウハウがあるからこそ、タニタ食堂で提供されているメニューが健康づくりに役立つことにも説得力が生まれ、現在ではタニタ食堂は全国展開されるほどに成長しています。

参考:事業の発想力[実践編] (事業構想研究シリーズ1)

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この資料では、私たちが様々な業態の企業に対して行ってきたデータマーケティングの結果や、実際に行っているデータ分析のノウハウをご紹介します。是非参考にしてみてください。

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