EC売上分析の基本は因数分解
ECの売上アップにはデータを用いた分析が大事です。しかし、無闇矢鱈に分析を行っては、売上アップにつながりません。より的確に、より効率的に分析を行う必要があります。
今回の記事では、ECの分析の中でもまず第一ステップである、「売上分析」に焦点を当てて解説を行います。
目次
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EC売上分析の基本は因数分解
売上分析の目的は「売上の減少(または増加)の要因が、どこにあるのか?」を探ることです。また、要因が複数ある場合、それぞれの要因がどのぐらい売上減少(増加)に影響しているのかも明確にすることも大事です。
それらを明確にすることで、売上改善に必要な「今やるべきこと」がはっきりしてきます。よく多くの企業で、「今やるべきこと」の優先順位がつけられておらず、思いつきのようにそれぞれのメンバーが対策を行ってしまう・・・これでは、素早い売上改善は実現しません。チーム全体が共通の課題感を持ち、最もインパクトのあるところから改善を行っていくことが大事なのです。
売上分析では上記を達成することを目的とします。では、どうすれば上記を達成するような分析ができるのでしょうか?
答えは、「因数分解」です。
ユーザー軸での因数分解
売上をユーザー軸で因数分解すると以下のような分解ができます。
売上は、「購入件数×購入単価」に因数分解できます。また、購入単価は「1回当たり購入点数×商品単価」に因数分解できます。
例えば、売上が減少している中で、購入件数に変化は無い場合、購入単価が売上減少の要因であることが推測できます。また、購入単価の中で、更に商品単価は大きな変化は無い場合、問題は1回当たり購入点数の減少であることが特定できます。
因数分解で課題を明確化する
つまり、売上改善を目指す取り組みを決める際の最優先課題は、「1回当たり購入点数の改善」であり、例えば、カート追加後のリコメンド機能対策などの取り組みが考えられます。
また、仮に購入件数に課題があることが推測できた場合、更に深堀りするために、弊社では新規かリピーターかに分類して考えることをおすすめしています。
上図のように、購入件数を、新規会員と既存会員(リピーター)と分けることで、新規客の獲得に力を入れたほうが良いのか、それともリピーター施策に力を入れた方が良いのかが分かってきます。
商品軸での因数分解
上記は、ユーザー軸、つまり購入した顧客を軸にした因数分解でしたが、「商品軸」での因数分解も可能です。
売上を、「アイテム数×1アイテム当たりの購入点数×商品単価」という式で分解します。
例えば、売上が減少している中で、商品単価、1アイテム当たりの購入点数に変化が無い場合、アイテム数が減少していることが、売上減少の要因であることが推測できます。
また、商品単価とアイテム数に変化が無い場合は、1アイテム当たりの購入点数が減少している、つまりカラーやサイズなど含めたSKU数の減少が要因として考えられます。
このほかにも、因数分解のやり方はたくさんあります。企業の現在の状況と課題感に併せて分解することで、減少要因が特定でき、今やるべきが明確になってきます。
比べる指標を必ず用意する
上記のやり方で売上を因数分解した際、ただ数値を眺めていても、どこに課題があるのかは見えてきません。
数値はそれ単体では意味はなく、ただ現状の状態を表すだけです。比較する指標があってはじめて意味を持ちます。
例えば、当月の購入件数=1200件、購入単価=4,500円だったとします。これだけでは、この数値が良かったのか悪かったのかの判断はつきませんよね。
- 購入件数 = 1,200件(前月比:+23% / 前年同月比:+13.2%)
- 購入単価 = 4,500円(前月比:-6.2% / 前年同月比:-10.5%)
このように比較となる数値があってはじめて、「購入件数は好調だが、購入単価に課題があるな」ということが分かります。
比較となる数値も、企業の課題感に併せて決めて頂ければと大丈夫です。比較のパターンには前年比、前月比、前週比、前日比、直近3ヶ月平均比・・・などがあります。
よく、分析業務を行う際に、数値を単体として眺めてしまっているケースが大変に多いです。必ず、比較となる数値を用いて、正しく数値を理解する習慣をつけましょう。
継続して観測する
ここまで説明してきた売上分析ですが、大事なのは毎日、毎週、毎月決まった頻度で必ず観測を続けることです。観測を続けることで、わずかな変動にもすぐさま気がつくことができ、また現在行っている対策がどう売上に影響しているのかを、感覚ではなく、事実(数値)として把握することができます。
売上はすべてのビジネスの基本となる指標。だからこそ、スポットではなく、常に気にかけて見ていく必要があります。
弊社では、売上分析にはじめ、ECの売上アップに必要な分析が瞬時に出せるツールを提供しております。これにより、何時間もかけて手作業で分析を行わなくても、見たいタイミングでECの状況を数値で確認することができます。
上図は、弊社EC分析ツールの「売上サマリ」シートです。このシートでは、ここまで解説を行ってきた売上分析の結果がまとまっています。
このような分析ツールを活用することで日々、または毎週、売上を構成する指標のどこにどのぐらい課題があるのかを、より手軽に把握することができます。
EC分析ツール「EC-DashBoard」
こちらの分析ツールの特徴として、複数モールの売上データも1元管理&分析ができることです。これにより、モール毎に売上分析を行う必要があるところを、このツール1つでそれらをまとめて可視化することができます。
また、シートの右側には各種フィルターがあり、深堀り分析を行うことが可能です。
例えば「サイト種別」では、先ほど述べたモール毎に分析することが可能です。楽天、Amazon、自社サイトで運営している場合は、それぞれのチェックボックスが表示され、チェックをしたモールのデータがグラフエリアに反映されます。
同様に、性別フィルター、年齢、顧客属性、商品カテゴリーなどのフィルターもあるため、「自社サイトで、男性で、カテゴリAを買っている人の売上データをみたい」などの掛け算での分析も可能です。
この他にも、ECの売上アップに必要なシートがついていて、かつ貴社の課題や目標に併せてカスタマイズすることも可能です。
「複数モールあり、手動で分析するのが大変・・・」
「もっと手軽に売上分析を行いたい・・・」
などでお困りの場合は、ぜひこちらのツールをおすすめします。
まとめ
今回の記事では、ECの分析の基本である「売上分析」について解説を行いました。大事なのは「因数分解」「比較となる指標を定める」この2点です。ぜひ、正しい売上分析を行い、ECの売上をスピーディーにより効率的に改善していきましょう。
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