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美容室の売上を伸ばす9つの方法 最適な施策を見極めるコツも解説

この記事では、美容室の売上を伸ばすための具体的な方法と、効率よく施策を実行していくためのコツを解説します。

美容室の売上を伸ばす9つの方法

ホットペッパービューティーのプラン改善

ホットペッパービューティーは、美容室にとって重要な集客手段の1つです。顧客が喜ぶような魅力的なサービスや特典を提供することで新規顧客を獲得したり、リピート率を高めることができます。

例えば、新規顧客向けの特別な割引や、リピート顧客向けの追加サービスなどが考えられます。また、季節に合わせたメニューを提供することで顧客単価を高めることなども期待できます。

広告運用

広告運用は、特に新規顧客を獲得する上で重要な手段です。SNS広告やリスティング広告をはじめとしたWEB広告や、地域の美容雑誌などを活用して、美容室の特長やキャンペーンを宣伝しましょう。

SNS活用

SNSは、顧客とのコミュニケーションや情報発信に適したプラットフォームです。美容室のSNSアカウントや美容師ごとのSNSアカウントを活用して、施術のビフォーアフターやお得な情報を発信することで、リピート率を高めたり、指名率を高めることに繋げることができます。

カウンセリング

顧客ひとりひとりに適切なカウンセリングを提供することで、満足度を高め、リピート率を向上させることができます。コミュニケーションを通じて、顧客の要望や悩みをしっかりと把握し、それに合った施術や商品を提案しましょう。

技術や接客の強化

技術や接客の質を向上させることで、顧客満足度を高め、口コミでの評判を広げることができます。定期的なスタッフ教育やトレーニングを行い、顧客に満足してもらえる高品質なサービスを提供しましょう。

クーポン発行

新規顧客の獲得や既存顧客のリピートを促進するために、クーポンを発行することが有効です。新規顧客向けの割引クーポンや、リピート利用を促すポイント付与クーポンに加えて、季節に合わせたクーポンを提供し、客単価の向上につなげることもできます。

ポイント制度の導入

ポイント制度は、特にリピート率を向上させるための有効な仕組みです。施術や商品の購入金額に応じてポイントを付与し、一定ポイント以上で特典を提供することで、リピート率やリピート回数の向上につなげることができます。

優良顧客向け特別サービスの提供

優良顧客への特別なサービスの提供は、ポイント制度と同様にリピート率やリピート回数の向上につながります。例えば、誕生日特典やVIP会員向けの特別イベントなどを用意し、顧客に特別感を与えて来店を促しましょう。

商品販売の促進

美容室で取り扱うシャンプーなどの商品の販売も重要です。施術後に顧客に適切なホームケア商品を提案し、その場で購入を促すことで、売上を伸ばすことができます。店内POPでの訴求や、店舗内で商品を使用することで商品を紹介し、購入を促進することも効果的ですし、定期的なキャンペーンやセールを開催するなどして、商品の売り上げを促進しましょう。

データ分析で適切な施策を見極める

これらの施策を全て闇雲に実施しても効率的に売上を伸ばすのは得策ではありません。課題に合わせて、適切な施策を選んで実行していくことが重要です。そのために役立つのが課題を明確にするためのデータ分析です。

データ分析の4つのポイント

  • 売上を因数分解する
  • 大きい数字から見る
  • 数値の推移を見る
  • 数値を比較する

売上を因数分解する

どんな事業でも「売上を上げろ」と言うだけでは、最適な施策は出てきません。「売上」は指標としては大きすぎるため、やるべきことが無数に広がり定まらず、結局行き当たりばったりの施策となってしまい、検証も出来ません。

そこで効果を発揮するのが売上の因数分解です。例えば、「売上」は「売上 = 客数 × 客単価」と因数分解することができます。

さらに客数や客単価を細かく因数分解して分析していくことで、売上の増減原因が、客数にあるのか、それとも客単価にあるのか、客数であれば新規客なのか、リピーターなのかを明確にすることができます。美容室経営であれば次のような因数分解が代表的な例です。

サロン事業における売上因数分解例と各指標に対する施策例

上図で分かるように、売上をここまで分解することで、その指標を伸ばすための施策が具体化されるのです。

大きい数字から見る

売上の因数分解について解説しましたが、データを分析していく際には大きい数字から確認していきましょう。先ほどの因数分解の例であれば最も大きい数字は売上です。

まずはそもそも全体の売上が上がっているのか、下がっているのか。次に売上が下がっているのであれば、客数と客単価のどちらがより大きく下がっているのか。というように大きい数字から分析していきます。

美容室経営でありがちなのは、いきなり店舗別やチーム別、スタッフ別などの細かい数値を分析しようとしてしまうことです。木を見て森を見ず、みたいな話がありますが、データも同様で、森から見ていき、その森の中で課題となる木を見つけていくことが大切です。いきなり店舗別や商品別、のように木から見てしまうと、そもそもその木に問題があるのかが分かりません。

データ分析では一番大きい数字から捉えることが重要ですので、まずは全体の数字がどういう状態なのかを把握したうえで、細かい数字を分析することがポイントです。

以下の画面は弊社がサロン事業者向けに提供しているSalon-DashBoardで見ることができるダッシュボードの1つです。

このダッシュボードでは「因数分解」した数値や、店舗別のデータなども一目で見ることができますが、グラフの上部には全店舗合計の主な指標のサマリが記載されています。

上段には、売上、客数、客単価という大きい数字の全店合計が表示されています。

そして下段には客数、客単価を因数分解した際に重要な指標となる指名率や新規客の再来率などの全店合計が表示されています。

このように「大きい数字から見ていく」ことができるようなデータの可視化が、効果的なデータ分析のポイントになります。

推移を見る

先ほどのダッシュボード左上に表示されている店舗別売上のグラフを例に「推移」の見方をご説明します。

図の例は10店舗を展開しているサロンの2023年7月時点の売上結果になります。

横棒グラフが2023年7月の実績値となっています。そして、緑色の点が前年同月の値(このグラフでは2022年7月の実績値)となります。そしてオレンジ色の点が前月値(このグラフでは2023年6月の実績値)となります。

これにより当月の実績が昨年や前月と比較して伸びているのかどうかという「推移」を一目で検証することができます。

数値を比較する

また、縦に店舗名が並んでいる通り、実績の比較もすることができます。

例えば、店舗Aは全店舗の中で最も売上は大きいが、唯一前年同月から売上減少しており、前月からの売上推移も店舗B〜Iと比較すると減少幅が大きいことが分かります。

このように、各店舗の推移と店舗間の比較を見ることで、どこに課題があるのか一目で分かる分析となります。

「因数分解」 した指標を 「推移」 と 「比較」 で分析する

それを「推移」と「比較」で一覧化したものを、先ほどもお見せしたSalon-DashBoard内で見ることができます。

売上 = 客数 × 客単価

例えば、グラフの一段目は、左から「売上」=「客数」×「客単価」となるように並んでいます。

売上減少幅が大きかった店舗Aの売上減少要因が、客数にあるのか客単価にあるのかがこの一段目を見ることで分析できます。

客数については店舗規模(席数)やスタッフ数に依存する部分もありますが、客単価は別です。

同じ会社・ブランドの店舗になり、商品(メニュー)も同一で展開していて客単価に差があるのであれば、メニューの打ち出し方や接客でのアップセル等のオペレーションなど、客単価の高い店舗とそうでない店舗での違いを見ていくことで売上アップに繋がる客単価向上施策が見えてくるでしょう。

指名率

二段目の左側には客数を増やすために重要な指標である「指名率」が並んでいます。

指名率は店舗だけでなくスタッフ間にも差が出てくる指標となります。各スタッフの指名率がどう推移しているのかを分析することで、数字に基づいたスタッフマネジメントも可能になります。

指名率が低い場合の対策

  • SNSでの発信強化
  • 技術・接客の継続向上

リピート率

二段目の左側の真ん中と右側には「新規再来率」「新規以外再来率」が並んでいます。指名率と同じく顧客のファン化を目指し客数を増やすための指標になります。

新規再来率は、初めて来た顧客が一定期間内に2回目来店する割合です。他業界ではF2割合ということも多いですね。せっかくコストかけて1回来てもらったお客様に再度来てもらうということは収益性を高める上でもとても重要です。

新規以外再来率は、更に3回目、4回目の来店と、ファンになっていく割合になります。リピートしてくれること、指名してくれること、は非常に大切です。そして、店舗間でこれらの指標に差がある場合は売上を上げることができる余地が十分にあると言えます。

先ほどの客単価部分でもご説明したように、同ブランド、商品(メニュー)で展開している店舗になるため、水準の高い店舗のオペレーションやスタッフの接客などをそうでない店舗へ展開すると良いでしょう。

新規再来率が低い場合の対策

  • カウンセリングや接客強化
  • 2回目来店クーポンの提供

新規以外再来率が低い場合の対策

  • ポイント制度の導入
  • 優良顧客向けの特別サービスの提供

店販購入比率

三段目の真ん中にある店販購入比率は、施術・接客したお客様が最後にシャンプーなどの商品も購入してくれたかどうか、の割合です。こちらは客単価を上げるための指標になります。

こちらも高い水準(値引率は低い水準)の店舗で行っているオペレーションや店内づくり(POP等)を参考にすると良いでしょう。

店販購入比率が低い場合の対策

  • 店内POPでの訴求
  • 店舗内での商品の利用

技術値引率

三段目右側の技術値引率は、その名の通り値引きをどの程度したのか、になります。店販購入比率と同じく客単価を上げるための指標になります。

値引率が高い店舗があれば、全社的に一定のルールを設けた方が良いかもしれません。属人的に根拠もなく値引している可能性もあります。

技術売上が低い場合の対策

  • メニューのアップセル
  • シーズンに合ったメニューの提供
  • クーポンの改善

新規顧客数

四段目の左側のグラフは新規顧客数となります。

先ほどもお伝えした通り、店舗規模(席数)やスタッフ数にも依存してくるので、同規模の店舗間の比較、あるいは1席当りや1スタッフ当りに割り戻した上で比較することが必要となりますが、1つの店舗での推移だけでも十分な分析となります。

例でお見せしているグラフですと、他店舗と比較すると店舗Dは大きく前月から新規客数を減少させています。

広告の見直しや個々人のSNS強化など、コストを使うということも含めて考えなければならないかもしれません。

新規顧客数が低い場合の対策

  • ホットペッパービューティのプラン改善
  • SNSや広告の活用

まとめ

このように「推移」と「比較」と「因数分解」することで、売上を伸ばすために、数字に基づいて施策に繋げることができるようになります。

基本的な考え方は店舗数や売上規模などにかかわらず同じなので、ぜひ売上アップに向けて活用してみてください。

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