自分にとって魅力的なコンテンツを探し続ける|廣田周作著 世界のマーケターは、いま何を考えているのか?
こんにちはKUROCO株式会社マーケターの夏川です。
『世界のマーケターは、いま何を考えているのか?』は企業のブランド開発を専門に行うHenge Inc.のCEO廣田周作氏による書籍です。
廣田氏はHenge Inc.のCEOとして、自身も多くの企業のブランド戦略立案やイノベーション・プロジェクトに携わってきた経歴を持っており、本書では多くの海外事例などを元にこれからのマーケティングのあり方について廣田氏の考えが書かれています。
今回は本書を読んで、私自身がマーケティングに携わるうえで特に今後に活かしたいと感じたことをご紹介します。
目次
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自分にとって魅力的なコンテンツを探し続ける
マーケターが時代のニーズにあった提案をするために必要なこととして本書で挙げられているのが「全体を俯瞰しようとすることではなく、ある世代で話題になっているものの中で”自分にとって”魅力的なコンテンツがないか、コツコツと探し続けること」です。
私は普段、自社サイト上に公開する記事の作成などを行なっており、記事を作成するときには”よく検索されているキーワード”などを調査し、ユーザーのニーズをとらえることから始めます。そうやって記事を作成していくときに見落としてしまっているのが、”自分にとって”魅力的なコンテンツかもしれないと感じました。
よく検索されているキーワードからニーズを調査すれば多くの人が知りたいと思っていることは把握できるのですが、完成した記事を読み返してみるとどこにでもあるありふれた内容になってしまっていることが多いのも事実です。広いニーズをさらっていくだけでは、人の興味を引くような独自性のあるサイトは作れないということなのだと思います。
そこで必要なのが、”自分にとって”魅力的なコンテンツなのだと感じました。時々、記事の作成とは関係ないところで読んだ本や目にしたテレビ番組で、自分が面白いと思ったことを記事の中に盛り込んでみることがあります。そういった記事のほうが、あとで読み返してみると改めて”なるほど”と思える内容になっていることが多い気がします。
しかし、タイミングよく”記事に盛り込める面白い情報”に出会えることはそう多くありません。そういった情報に出会うチャンスを増やすためにも普段から”自分にとって”魅力的なコンテンツを探していくことがマーケターには必要なのだと感じました。
有益な情報は「弱いつながり」から得られる
本書で紹介されている、マーケターが情報を集める方法としてもう1つ印象的だったのが「人生において有益な情報は、親しい友人や家族だけではなく、”弱いつながり”の人から得ている場合が多い」ということです。海外で実際にそういった研究結果があるそうで、著者の廣田氏いわく「たまに会ってお茶をするくらいの友人が、案外有益な情報をもたらしてくれる」ということでした。
考えてみれば、家族はもちろん同じ学校や同じ職場、あるいは同じ部署に配属される人はある程度思考や趣味が似ていたり、それまで経験してきたものや見てきたものが近い人が集まりやすいのかもしれません。そうすると自然と強いつながりの人というのは、自分と考え方が近い人になってくるでしょう。
だからこそ、ハッとさせられるような、あまり触れたことなかった知識や考え方に出会えるのは、弱いつながりの中でこそなのかもしれません。
幅広い視野を身に付ける
「自分にとって魅力的なコンテンツを探すこと」は、自分の好きなもの興味のあるものをより深めていく行為です。一方で「弱いつながりから情報を得ること」は自分の知識や興味の外から情報を得ようとする行為です。そう考えると「自分にとって魅力的なコンテンツを探すこと」と「弱いつながりから情報を得ること」は、真逆の方向性を持った行動なのかもしれません。
しかし、方向性の異なる方法で様々な情報に触れていくことが、幅広い視野を身に付けることにつながる気がします。そして、今までにない魅力的なものを生み出していくうえでマーケターにとって必要なことなのではないかと思いました。
コロナ禍で自宅で過ごす機会が増え、「自分にとって魅力的なコンテンツ」を探す機会はこれまで以上に増えました。ただ、それと引き換えに「弱いつながり」の中での交流は一気に減ってしまいました。
私自身、この1年半くらいはほとんど自宅で仕事をしているので、オフィスでちょっとした雑談をしたり、誰かとお昼を食べながら話したりするようなこともほとんどなくなりました。思い返してみるとそういったコミュニケーションの中から仕事のヒントを得たり、リラックスした雑談の中でこそ何かにひらめいたりすることも多かったように思います。
現状、すぐに以前のような生活に戻ることは難しそうですが、何かこれまでの方法とは違う「弱いつながり」の中での対話を持つ方法を考えていきたいです。
まとめ
最近特に仕事をするうえでの「情報収集」に課題を感じていたため、本書の中でもマーケターが情報を集める時に持っておくべき考え方について特に印象に残りました。コロナ禍が続く中、人とのコミュニケーションも減ってしまっているため、人にも情報にも、より積極的に触れていきたいという気持ちにさせられました。
また、この他にも本書ではマーケターが知っておくべき考え方や、海外企業のブランディング事例、これからの時代のブランディングのポイントなどが分かりやすく解説されています。企業のマーケティング、ブランディングに関わる方はぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
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