経営者の考え方が学べる3冊
KUROCO株式会社ではデータに基づくマーケティングを軸として、企業の経営をサポートしています。そのため、KUROCOメンバーひとりひとりが、経営やマーケティングについての理解を深めていく必要があります。
そこで今回は「経営について学べる本」をテーマに弊社のコンサルタントやマーケターが気になった本を読み、本から学んだことや感想を持ち寄りました。気になる本があった方はぜひチェックしてみてください。
目次
WebマーケターAのおすすめ
『すいません、ほぼ日の経営』
WebマーケターA:KUROCOのWebサイトやメールマガジンの運営を中心にWebマーケティングを担当しているマーケター
『すいません、ほぼ日の経営』とは
株式会社ほぼ日の経営について、ジャーナリストの川島蓉子さんが糸井重里さんにインタビューする形で書かれた本。ほぼ日が上場した翌年に出版された本で、事業、人、組織、上場、社長といった切り口から糸井さんの経営に対する考え方を知ることができます。
この本を読んだ理由
自分自身Webマーケティングの仕事に関わるものとして、毎日おもしろい記事を公開し、1日に100万PVを誇るほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)というサイトにとても興味がありました。また、毎日新しいものを生み出していく組織の経営とはどのようなものなのか知りたいと思い、この本を読んでみました。
この本を読んで勉強になったこと
予算はあるけれど、うまくいったらその理由を考える、うまくいかなくてもその理由を考える。次に生かすためのものとして予算をとらえています。
『すいません、ほぼ日の経営』
会社では基本的に期初に予算(目標値など)を設定する場合が多いと思いますし、部署ごとや社員一人ひとりが目標値を設定するように指示されることも多いと思います。仕事に取り組むうえで目標はあったほうがいいと思うのですが、目標に届かない時に、その目標値を達成することが目的になってしまい、本来やるべきことややりたいことを見失ってしまうということが、自分自身よくあるように感じていました。そんな中で、本の中にあった糸井重里さんの予算に対する考え方が、自分にはとてもしっくり来ました。
糸井さん自身も、もともとは予算という考え方に否定的だったそうなのですが、予算を設定しないと前年よりも今年はよくなるという概念が抜けてしまうため、予算を設定するようになったそうです。
“目標達成”という言葉はよく耳にしますし、場合によっては重要なことかもしれませんが、会社も個人も本来の目的を見失わないように、成長していく手段として予算を活用していくことが大切なんじゃないかと考えさせられました。
こんな人におすすめ
企業の経営はもちろん、チームとしてどのように気持ちよく生産的に働ける環境を作るか、について学べるので、経営者はもちろん、チームのリーダー、初めて部下を持った人などにおすすめです。
コンサルタントBのおすすめ
『DXで生産性最大化、少数精鋭で高収益! 地域№1工務店の「圧倒的に実践する」経営』
コンサルタントB:Webマーケティングを中心に、社内のマーケティンからクライアントのサポートまでをこなすコンサルタント
『DXで生産性最大化、少数精鋭で高収益! 地域No1工務店の「圧倒的に実践する」経営』とは
コロナ禍で受注130%増を達成し、地域No1になることが出来た地方工務店「あいホーム」。「あいホーム」が不況下でも成長し続けることが出来た理由、それは「DX(デジタルトランスフォーメーション)」で、成功・成長するための仕組みを作り続けてきたからである。
内容としては、「お客様サービスの意識向上」「顧客管理、組織体制」「利益率を高めるための仕組み」「ネット集客」「顧客満足度向上のセールス」「IT、ネット活用事例など」。DXだけに限らず、あいホームが実際に行った改善を細かく記している。これからの時代は、変わり続けるものが生き残る。そのために、DX化はもはや欠かせない。
この本を読んだ理由
私は普段コンサルタントの仕事をしています。DXで業務効率を改善できる方法について学ぶことで、少しでも顧客に役立つ情報を提供できればと思い、この本を読みました。
この本を読んで勉強になったこと
“とにかく新しいものはすぐに試す。それが最もコストが低く、最新の便利なサービスを使うコツのような気がする”
聞けば当たり前のようなこの文言ですが、実際にこのことを実行できている企業は少ないのではないかと思いました。特に、担当者単位では新しいものの導入に積極的でも、組織全体となるとなかなかスムーズでないことが多いです。
そんな中、あいホームのようにトップが新しいツール・システムの導入に積極的であるというのは、企業が変化する時代に対応するうえで重要な要素だと思いました。
また、顧客満足度を向上させる住宅営業には、質問型営業が効果的である、という点も印象的でした。
説明ばかり売り込み営業を受けると、購入意欲を下げてしまうケースも多い。そこで、お客様の欲求やニーズを大切にし、アポイント・アプローチ・プレゼンテーション・クロージングの各段階においてお客様にとってベストなコミュニケーションを目指す質問型営業を目指すことが大切です。
質問型コミュニケーションで大切なのは、「好意・質問・共感」である。まずお客様に好意を持ち、興味を持って、質問をする。そして、お客様が話したことに共感して受け止めるようにする。一般的には説明型営業が多いので、このような質問型営業に変えるだけで1つの差別化となります。そして、この質問型営業のスキルの習得にはセンスは必要なく、訓練によって誰でも習得できるのです。
訓練は、トークスクリプトを使って一人ロープレ、社員同士での実践ロープレを繰り返し行うこと。その際、社内のトップセールスが、どんな言葉を使い、どんな商談展開をしているのかをトークスクリプトにし、それを営業の教科書にする。
こんな人におすすめ
中小企業の経営者に是非一読していただきたい一冊です。DXによる業務改善でまだ出来ることはないか、改めて考えるキッカケになる本だと思いました。
Amazonで『地域No.1工務店の「圧倒的に実践する」経営 DXで生産性最大化、少数精鋭で高収益!』を見る
コンサルタントCのおすすめ
『High Output Management人を育て、成果を最大にするマネジメント』
マーケター C:Webを中心としたデザインからマーケティングのサポートまでこなすデザイナー、ロシア出身のトリリンガル
『High Output Management人を育て、成果を最大にするマネジメント』とは
1983年に出版されたこの本は、シリコンバレーでは経営者にとってのバイブルとなっています。その理由は、この本で解説されている原則の多くが、今日でも適用可能だからです。多くのマネジメント本が、わかりやすいアイデアだけを何度も繰り返して売り込む傾向にあるのとは対照的に、この本は様々なコンセプトがぎっしり詰まった本です。
ハイアウトプット・マネジメントはリーダーシップについてではなく、アウトプットで評価される優れたマネジメントについて書かれています。そして、それを達成するために必要なノウハウが解説されています。
この本を読んだ理由
ハイアウトプットマネジメントは長い間、経営者のための「バイブル」のようなものと考えられてきたため。
この本を読んで勉強になったこと
企業の仕事、政府の官僚機構の仕事、そしてほとんどの人間の活動は、個人ではなくチームで追求するものです。これは、この本の中で最も重要なポイントです。なぜなら、マネージャーの仕事とは、自部署や影響を与える他部署のアウトプットを最大にすることだからです。
この本では、マネージャーにとってのアウトプットである”ミーティング”を、2種類に分類しています。それはプロセス中心のミーティングと使命中心のミーティングです。
プロセス中心のミーティング: 知識や情報の交換のために定期的に行われるミーティング。1対1のミーティングやチームミーティングなど。
使命中心のミーティング:特定の問題を解決するために行われるミーティング。何かしらの決定を下すことを目的としたミーティングです。ミーティングを成功させる鍵は、会議をリードする人が、その会議の目的などを明確に理解しておくことです。
私が特に印象的だったのは、この本の中で紹介されている、ピーター・ドラッカーの言葉で「時間の25パーセント以上を会議で過ごすようなら、それは組織不全の兆候だと言っている。私ならこう言いたい──組織不全の真の兆候は、人が 25パーセント以上の時間を、臨時に開かれる使命中心ミーティングで過ごすときに現われる」という文です。
こんな人におすすめ
この本の主な対象はいわゆるミドルマネージャーですが、ミドルマネージャーに限らず、経営者はもちろんいち社員にとってもためになる本です。ハイアウトプット・マネジメントは、そのタイトルの期待に応えるもので、40年近く前の本にもかかわらず、あらゆるマネジャーにとって本当に素晴らしいハンドブックとなっています。
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まとめ
「経営について学べる本」をテーマに弊社のコンサルタントやマーケターが気になった本をご紹介しました。
経営に携わっている方はもちろん、いち社員であっても経営者的な視点を持っておくことで日々の業務への取り組み方も大きく変わってくるはずです。少しでも気になる本があった方は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。