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LPOとは?改善のために見る指標と分析のポイントを解説

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LPOとは

LPO(Landing Page Optimization)は、ランディングページ最適化を意味する概念です。ランディングページは、マーケティングキャンペーンやウェブサイトの一部として、ユーザーが最初に訪問する重要な役割を担い、特定のコンバージョン(購入、会員登録、お問い合わせ等)を得るために作成されます。LPOはこのランディングページの設計、コンテンツ、デザイン、機能などを改善し、訪問したユーザーが望む行動を取る確率を最大化するためのプロセスです。

一般的にLPOは、ランディングページへのアクセスが一定数獲得できている場合に行われます。アクセス数が少ない場合は、まずは広告や検索からの訪問を増やすための取り組みが優先されます。

なぜLPOが重要なのか

WebマーケティングにおいてLPOが重要な理由は主に3つあります。

1.すでにその商品やサービスにある程度興味がある人が訪問している
ユーザーがランディングページに訪問する際、何らかの広告を見たり検索をしたうえでクリックをして訪問しているはずです。そのため、ある程度はその商品やサービスに興味を抱いている場合が多く、全く知らない人に対して行う訴求方法ではありません。一方で、いかに商品やサービスの魅力を訴求し、安心感を持ってもらうかという観点が重要になります。

2.訪問者を増やすよりCVRを改善する方が難易度が低い
例えば月に10,000人が訪問し、うち100人が購入するランディングページがあるとします。この場合のCVRは1%です。仮に月の購入者を300人まで増やしたい場合、訪問者数を増やすなら30,000人の集客が必要になります。広告を使って集客している場合はコストは3倍になります。一方、CVRを上げるのであれば1%→3%の改善を実現できれば達成可能です。一般的にCVRが数%のランディングページの場合は、ファーストビューやボタンの改善などだけでもCVR改善が十分見込めるため、訪問者数を増やすよりもはるかに効率的です。

3.外的影響を受けにくく、自社でのコントロールがしやすい
LPOが重要な理由の3つ目は、自社でのコントロールのしやすさです。複数のLPを作成してABテストを実施したり、リソースさえあればページの改修を何度も行うことができます。広告やSEOなどの集客施策においては、他社の参入によって集客力が弱まってしまったり、検索アルゴリズムのアップデートによって順位変動が起こったり、予測不能な影響を受けることがあります。

継続的な改善の重要性

ランディングページは、ユーザーが購入や登録をする一歩手前のプロセスであり、自社でのリソースをしっかり確保すれば、改善と検証のPDCAサイクルを素早く回し、継続的に売上を上げるランディングページにすることができます。逆に言えば、しっかりと継続的に改善を行わなければ、CVRは低いまま売上は横ばい続きになってしまいます。一般的に、ランディングページの公開直後から高いCVRが得られるケースは極めて稀のため、継続的に改善を行う必要があります。

LPの継続的改善には「分析」と「仮説」が必要

それでは、ランディングページを継続的に改善していくためには何が必要なのでしょうか。もちろん、そもそも集客数が少ない場合は、広告などに力を入れて、まずは訪問するユーザー数を増やすのは大前提です。一方、ある程度集客ができているにもかかわらず、思うようにCVが上がらない場合にはランディングページの改善が急務です。

とはいえ闇雲に見出しやファーストビューを変えてみたり、訴求の順番を入れ替えたりするのは非推奨です。そこで必要になるのが現状把握としての「分析」と、分析をもとにした「仮説」です。

LPの現状把握のための分析

まずはランディングページにどんなユーザーが訪問していて、どういった行動をしているかを正しく把握する必要があります。Googleアナリティクス等のアクセス計測ツールやヒートマップと呼ばれるツールを活用して、CVにつなげるためのどの部分がボトルネックになっているのかを把握します。

例えば「直帰率」や「離脱率」はランディングページのパフォーマンスを判断する代表的な指標のひとつです。この値が高いと、多くのユーザーが訪問後に離脱していることを表しています。

分析をもとにした仮説立て

分析によってランディングページのパフォーマンスとボトルネックを整理した後は、なぜそのような現状なのかを考え、解消するための打ち手を洗い出すプロセスを行います。このプロセスがLP改善のための「仮説」立てになります。

例えば、LPの直帰率が90%を超えており、スクロール率も10%以下である場合、そこから得られる現状として「ユーザーの多くがファーストビューを見ただけで離脱している」ということになります。つまり「ファーストビューがユーザーの心理に刺さっていない」ということです。

次に「なぜユーザーに刺さっていないのか」を考えて、もっとユーザー心理に訴えかけるような見出しやファーストビューの代案を出していく作業がこの「仮説」立てにあたります。この仮説は決して闇雲に生み出された訳ではなく、直帰率90%以上スクロール率10%以下というデータがあってはじめて導き出されたものです。

LPを継続的に改善するために見るべき指標

ランディングページ改善のために、実際にどんな指標をチェックすれば良いのかを説明します。指標は大きく分けて「成果指標」「行動指標」「流入指標」に区分けでき、それぞれ次のようなものがあります。各指標は基本的にGoogleアナリティクス4でも計測可能な指標です。

成果指標

コンバージョン数ランディングページに訪問したユーザーに期待するアクションの数。商品の購入や会員登録、申し込み等が該当します。
コンバージョン率(CVR)ランディングページへの訪問のうちコンバージョンにいたった割合。一般的にはコンバージョン数 ÷ 訪問回数(セッション数)で定義されることが多い。
費用(Google広告 / SNS広告など)ランディングページへの集客のためにかかったコスト。Google広告やSNS広告、メディアへの掲載費など。
コンバージョン獲得単価CPA(Cost Per Acquisition)やCPO(Cost Per Order)と呼ばれる指標。1コンバージョンあたりにかかったコスト。

ランディングページの評価を判断するための、LPOにおいて最も重要な指標です。まず絶対数としてコンバージョンがちゃんと獲得できているかが最も重要です。次にコンバージョン獲得単価が許容範囲内に収まっているかが見るべきポイントになります。

例えば、利益率10%の商品が、ランディングページ経由で100万円の売上が上がっているとします。利益は10万円です。その場合、もしも広告費として30万円かかっているとすれば、総合的にみると20万円のマイナスとなってしまいます。実際には長期的にみた売上(LTV:顧客生涯価値)を算出して、コストがそれを超えない範囲のコンバージョン獲得単価の基準を設定することが一般的です。そして、その基準値をクリアするようにパフォーマンスを向上、維持する必要があります。

行動指標

スクロール率ページを閲覧したユーザーがそのページをどれくらいまでスクロールしたかを表す数値。尚、Googleアナリティクス4ではデフォルトで90%スクロールを行ったかどうかがイベントとして計測される仕様になっている。任意のスクロール率を計測したい場合は別途設定を行う必要がある。
直帰率そのページへの訪問回数のうち、サイトやアプリに対する操作を行わずに前のページに戻ったりブラウザを閉じたりした割合。Googleアナリティクス4においては、「エンゲージメントのなかったセッションの割合」を指す。
エンゲージメントとは「10秒以上の滞在」や「画面要素のClick」等が該当する。
平均セッション継続時間ユーザーがサイトに訪れてから離脱するまでの平均時間。

ランディングページに訪問しているユーザーの行動を示す指標です。LPOにおけるこれらの指標は、ランディングページの訴求の精度の良し悪しを判断するために用いられます。

目安のひとつとして、
・平均スクロール率:10%未満
・直帰率:90%以上
の場合は、ランディングページの訴求や見せ方(特にファーストビュー)を改善する必要があります。

流入指標

セッション数ユーザーがサイトに訪れて閲覧を開始してから、サイトを離脱する(ブラウザを閉じる)までの一連の行動。
ユーザー数サイトに訪問したユニークユーザー数。厳密にはブラウザ単位であるため、例えば同じ人が2つの別のブラウザで同じページを訪問した場合、ユーザーとしては2となる。
ページビュー数各ページが閲覧され表示された回数。

それぞれ何回の訪問があったか、何人のユーザーが訪問したか、ページが何回見られたかを示す指標です。業界や商材によって様々ですが、一般的にLPOにおいては、セッション数とユーザー数はそこまで変わらない場合が多いです。

それぞれの指標を分析するための軸と切り口

前述の各指標を深掘りしていく際に、よく用いられる属性情報として以下のようなものがあります。

流入元(チャネル)ユーザーがページを訪問する直前の経路。参照元や流入チャネル等とも呼ばれる。Googleアナリティクス4においてはデフォルトチャネルグループと呼ばれる分類定義があり、「Organic Search(自然検索)」「Organic Social(広告を除くSNS)」「Paid Search(検索広告)」などがある。
デバイス訪問ユーザーのデバイス。「mobile」「desktop」「tablet」に大別される。BtoBにおいては「desktop」、BtoCにおいては「mobile」が大半を占めることが多い。実際の画面の解像度も取得することが可能。
性別・年代推定される訪問ユーザーの性別と年代。Googleアナリティクス4やGoogle広告においては、ユーザーの行動データや傾向から推定される属性のため、精度は必ずしも高くはない。
検索キーワード検索広告や自然検索での流入時に検索したキーワード。
言語・地域訪問ユーザーのブラウザ言語、国や地域。

LPOにおいては、前述した成果指標、行動指標、流入指標を定期的にチェックして改善を図りますが、実際に改善点を探る際にはより深い分析が必要になるケースが多いです。その際に、各指標を様々な軸で分解し、比較しつつボトルネックを発見する場合がほとんどです。

上述した属性情報は、各指標を分解する時の軸として頻繁に利用されます。特にLPOにおいて重要なのは「流入元(チャネル)」「デバイス」です。検索広告を実施している場合は「検索キーワード」も重要な分析軸になります。また、海外向けの商品や多言語対応しているページの場合は「ブラウザ言語」や「国」も重要になってきます。

具体的なLPOのやり方・分析方法

それでは実際のLPOにおいてどのように指標を確認し分析を行うのが望ましいのかについて紹介します。

日次確認と現状把握

ランディングページが完成し広告などによる集客が始まったら、出来る限り日次で数字をチェックします。必ず確認すべきなのは

・コンバージョン数
・セッション数
・コンバージョン率

です。合わせて、流入チャネルやデバイスごとにこれらの数字を把握できると理想的です。業界、業態によっては1日ではコンバージョンが発生しないようなランディングページもありますが、その場合でもセッション数だけでもはウォッチしましょう。

この段階で正しくコンバージョンが取れていない、実際のコンバージョン件数とずれがある等、計測上の不具合がある場合はすぐに対応しましょう。

また、LPを改善するためには、正しく現状把握をしたうえでボトルネックを探っていく必要があります。そのため、最低でも週1回以上は定期的にランディングページの各指標を把握する機会を設けます。部署やチームとしてLPOに取り組む場合は、メンバー間の認識合わせという意味でも重要です。

定期的な現状把握をするべき指標

流入指標
・セッション数
・ユーザー数
・ページビュー数

行動指標
・直帰率
・平均セッション継続時間
・スクロール率

成果指標
・コンバージョン数
・コンバージョン率(CVR)

※ これらの数字を流入チャネルやデバイスごとにも把握します

■定期的な確認、現状把握にはダッシュボード化がおすすめ

これらの各指標を定期的にチェックするには、ダッシュボード化することをおすすめします。次のダッシュボード画面は、本記事の最後でも紹介している「Access-DashBoard(LP版)」のサンプル画面の一部です。

現状把握のためのダッシュボード例1

現状把握のためのダッシュボード例2

流入元の分析と最適化

次に、LPのパフォーマンスをさらに向上させるために、流入と行動の2つの側面からデータを深掘りしていきます。まずは流入面の深掘りを行います。

基本的には「どこからのアクセスか」=流入元によって分解して細かくみていきます。なぜなら、ランディングページに訪問する前にどこのサイトを見ていたか、どのSNSを見ていたか等によって、訪問ユーザーのサービス・商品への意欲や理解度が大きく変わるからです。

流入チャネルや参照元メディアごとに

・そもそも訪問数とコンバージョン数がどれくらいあるか
・CVR
・直帰率

を中心に確認して、アクセスは少ないがCVRの高いメディアはどこか、アクセスは多いがCVが全くない媒体はないか等をチェックします。

アクセスが少ないがCVRの高い参照元やメディアについては、よりアクセスを増やすことができればCVは増えます。一方、アクセスは多いがCVが全くない場合は、ランディングページの訴求が流入元とマッチしていないか、そもそも集客する媒体・メディアとして適切でない可能性もあります。

また、流入チャネルに関わらず全体的にCVRが低い、直帰率が高いというケースも頻繁にあり、その場合の改善点を探るのが次に紹介する「ユーザー属性と行動の分析」です。

流入元の深掘り分析の例(Access DashBoard(LP版)サンプル画面より一部抜粋)

ユーザー属性と行動の分析

Googleアナリティクス4では、閲覧したユーザーのデバイスをデフォルトで取得可能です。基本的には「desktop」「mobile」「tablet」に大別されます。「desktop」はPC、「mobile」はスマートフォンです。一般的にBtoBでは「desktop」、BtoCでは「mobile」の割合が高くなります(もちろん例外もあります)。

CVRや直帰率をこのユーザーデバイス別に確認することで、PCとスマートフォンのどちらの画面に課題があるのかを特定できます。

また、Googleアナリティクス4で「Googleシグナル」と呼ばれる設定をONにすることで、アカウントや行動データから推測される「性別」や「年代」も取得することが可能です。こちらもデバイスと同じように、CVRや直帰率、スクロール率などを性別や年代ごとに把握することができます。

年代や性別の分析への活用例としては
・商品やサービスの想定顧客に近いユーザーが訪問しているか
・突出してCVRが高い年代などがあればその理由を考察する
などがあげられます。

ユーザー属性と行動の深掘り分析の例(Access DashBoard(LP版)サンプル画面より一部抜粋)

LP分析に最適なツール

ここまで説明した現状把握と分析が出来れば、「スマホ画面での直帰率が非常に高い」といった具合に、ランディングページのどこに課題があるのかにあたりを付けることができます。

その次は「どこをどう改善したら良くなるのか」の仮説を立てる段階です。あらためてLPを客観的に見てみたり、実際にスマートフォンで操作してみるなどして、検証案を出していきます。実際のユーザー行動を録画できるヒートマップツール等を活用するのも良いでしょう。

冒頭にも述べたように、LPOにおける「現状把握と分析」→「仮説立て」→「検証」のサイクルにおいて最も重要なのは「現状把握と分析」です。これまでに紹介した現状把握と深掘り分析の方法は、もちろんGoogleアナリティクス4のデフォルト機能のみでも可能です。しかしながら、同時にいくつものLPをテストしている場合や、迅速に検証サイクルを回すとなると、手間と時間がかかってしまいます。

下記に紹介する「Access-DashBoard(LP版)」は、Googleアナリティクス4のデータと自動連携し、本記事で紹介した方法でのレポートが自動生成されるツールです。

Access DashBoard(LP版)とは

KUROCO株式会社が提供する『Access DashBoard(LP版)』は、LPOにおいて担当者が見るべき指標を自動的に可視化し、コンバージョンを増やすための素早い意思決定を可能にするサービスです。この記事で紹介した各指標が自動的に可視化され、導入後はすぐに分析作業にとりかかることができます。

Access DashBoard(LP版)の仕組み

Access DashBoard(LP版)のダッシュボードの一部

ランディングページを日々運用している事業会社のWebマーケターだけでなく、制作会社やマーケティング会社の方でも利用可能です。クライアント業務にお使いいただけます。

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