AIDAとは 概要や活用時のポイントを事例とともに解説
目次
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AIDAとは
購買プロセスを明確にするフレームワークとして、AIDA(アイダ)というものがあります。
AIDAは、消費者の購買決定プロセスを説明するモデルの一つで、Attention(注目)、Interest(興味・関心)、Desire(欲求)、Action(行動)の頭文字を取ったものです。
それぞれのプロセスについて簡単に説明していきます。
Attention(注目)
消費者が購買行動をするまでの流れで、まずはじめに商品やサービスに関して認知するという行動があります。
どんな商品/サービスでも、知られていなければ、購買行動に繋げていくことはできません。
だからこそ、売り手としては、まずは消費者に商品/サービスを認知してもらうための施策(広告をうつなど)を行っていくことが大切です。
そして、この段階では、あくまでも商品/サービスを認知しただけなので、消費者は商品/サービスについて詳しくは知らないという状態です。
Interest(興味・関心)
Interest(興味)は、消費者の興味関心を高めていくフェーズになります。
例えば、アプリで定期的にポップアップ通知を出す、メルマガ配信で興味を育成する、定期的に新商品を出す、割引キャンペーンを実施する、他社とのコラボキャンペーンを実施するなど、様々な施策で消費者の興味関心を高めていきます。
Desire(欲求)
Desire(欲求)は、消費者に、商品/サービスを欲しいと思ってもらう欲求を駆り立てるフェーズです。
例えば、他社商品との価格面での違いや他社商品にはない独自成分・こだわりなどについてアピールしたり、実際に使った方の体験談を紹介して、購入したらどんないいことがあるのかをイメージしてもらうのもよいでしょう。
また、食品であれば、匂いなどで欲求を駆り立てたり、子育て家庭がターゲットであれば、おもちゃもセットにしてつけることで、子供の欲求を駆り立てるという方法もあります。
Action(行動)
Action(購買行動)は、消費者が商品/サービスの購入するフェーズです。
これまでのフェーズをクリアしている場合、購買行動が行われる可能性は高いですが、購入までの動線が複雑だったりすると離脱につながります。
どのようにすれば購入できるのかという購入までのUIを分かりやすくするなど、購買行動から離脱しないような最低限の工夫は必要です。
また、 『先着100名様限定』『○月○日までの限定価格』などのように、「今買わないと!」と思ってもらえるようなクロージングコピーを設けるというのも 行動を促すための施策として有効です。(ただし、あまり内容が過激過ぎると逆に怪しまれたりする可能性もあるので注意が必要。 )
AIDA活用時のポイント
AIDAを使って現状の数字を把握する
この「お客様の購買プロセスに沿って、今どんな状態にあるのかをしっかり洗い出す、明確にする」ということが、企業活動を改善していく上で重要になってきます。
現状を把握するために抑えるべき数字の例として、以下のようなものがあります。
- どのくらいの人は自社サイトを見ているのか
- 資料請求してくれた人は何人いるのか
- 具体的に問い合わせをして商談にまで進んだ人は何人いるのか
- そこからどのくらいの確率で取引に至っているのか
- どのくらいがリピートしているのか
お客様の購買プロセスには、これらのAIDAの数字が必ずあるはずです。
まずはそれらの数字を確認することで、定量的に自社の今の強みや一方で課題を把握することができます。
数字は、結果に値する部分ですが、その結果を生み出すための業務が必ず存在します。
例えば、注目を得るために行う販促・広告や、興味関心を高めるためのWebサイトの改善活動やインサイドセールスによる電話アプローチ、そして行動購買につなげるための商談、接客など、さまざまな業務が存在します。
それらの結果がこのように数字として表れています。
そのため、結果とそこに紐付く業務をしっかり棚卸しして、何をすることでどんな結果が出ているのか、それに対してどこが課題で、どの行動を改善していくことが必要なのかというようなことが導き出すことができます。
ターゲットを明確にした上で施策立案をしていく
AIDAは購買プロセスを明確にするするフレームワークですが、それをもとに施策立案にまでつなげてこそ意味があります。
施策立案の際は、ターゲットごとに有効な施策は変わってきます。
例えば、若年層にはSNSを使ったマーケティングを、高齢者に対してはテレビCMを使うといったように、年代に応じて適切な施策は変わってきます。
他にも、男性/女性、大人/子供、住んでいる地域、職業などによって分けてみるなど、ターゲットに適した施策を考えていくことが大切です。
AIDAの活用イメージ
AIDAは、お客様を購買行動へと導くために、お客様が今どんな状態にあるのかを知り、適切なコミュニケーション施策を打つというようなときに、よく使われます。
ほかにも、現在実施している施策が、顧客に対して有効なものかどうかを確認するために現状をする目的で使われることもあります。
より詳細な活用イメージとして、以下の図をご覧ください。
上の図のように、まずは未認知から始まり、その後、認知へと進みます。
そこからは、訪問経験や問い合わせ、取引有無、継続の有無などのように、購買プロセスを細分化していくことができます。
より具体的にいうと、まずは認知してもらって、その上で興味関心が高まり問い合わせ、資料請求をするようになります。
その後、競合との比較検討(例:サイトを比較して安いところを選ぶ、より接客すごく親身になってくれるところで買うなど)などを経て、最後に購買行動や取引につながっていくような流れが、AIDAの一例です。
AIDAの活用事例(マクドナルドの場合)
実際のビジネスにおけるAIDAの活用例を示した方が理解しやすいかと思いますので、今回はマクドナルドでついつい食べてしまう理由についてAIDAをもとに考えてみましょう。
以下が、AIDAでまとめてみた購買プロセスです。
Attention(注目)
まずは、注目の部分です。
こちらは、たとえば頻繁に流れるCMがあります。
マクドナルドのCMは、「マクドナルドだ!」と1発で分かるような印象的なものが多いと思います。
また、ハッピーセットのおもちゃが欲しいから行きたいといった形でお子様のいる家庭もうまく取り込んでいます。
また、大きくて分かりやすい看板(テーマカラー/ロゴ)もあります。
遠くからでも、運転中でもすぐに「マクドナルドだ!」と分かるような、赤と黄色の色使いが印象的です。
Interest(興味・関心)
つづいて、興味関心についてです。
興味関心を高めるための施策としては、季節の新商品など、常にメニューが更新されていることがあげられます。
また、割引などのキャンペーンも高頻度で実施されています。
アプリなども使って、積極的にプッシュ通知をしているのも興味関心を引くための施策といえます。
Desire(欲求)
マクドナルドは子供をメインターゲットの一つとして展開されています。
頻繁に流れるハッピーセットのCMを見て、子供が「あのおもちゃが欲しい!」と思うような形で欲求を駆り立てているというのがあります。
また、子供をターゲットにしており、小さい頃から食べているので、大人になった今でもたまに食べたくなる味というような意味でも欲求があるのではないかと思います。
そして、マクドナルドのにおいも欲求を駆り立てるものの一つです。
お店の近くに行くとマクドナルドの匂いが漂ってきて、ついつい食べたくなってしまいます。
このように、さまざまな角度から欲求を駆り立てる仕掛けがあるということです。
Action(行動)
そして最後に行動です。
思い立ったときにすぐ買えるという意味で、店舗数があげられます。
あとはスムーズなオペレーションでスムーズに買えるというところや、100円ちょっとから買えるという手軽さなどが、消費者を行動に結びつける重要な要素として考えられます。
AIDAの派生形
AIDAは、購買プロセスの変化に応じて様々な派生形があります。
最後に、AISASとViral loopの2つをご紹介します。
AISAS(アイサス)
AISASは、Attention(注目)、Interest(興味・関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(情報共有)の頭文字を取ったものです。
AISASは2005年の6月に電通が商標登録した用語です。
インターネットの発達にともない消費者の購買行動は変化しています。
その変わってきた消費者の購買行動に対応するために新しくつくられたフレームワークです。
Search、Shareなどが、SNSが盛んになった現代の購買プロセスにあわせて作られているものだとみてとれます。
Viral Loop(バイラルループ)
Viral Loopは、Awareness(認知)、Interest(興味・関心)、Decision(決定)、Action(行動)、Recommendation(すすめる)の頭文字をとったものです。
こちらもAISAS同様、インターネットを主軸としたマーケティングの考え方になります。
Viralというのは、もともとウイルス性という意味で、よくバイラルマーケティングというような形でも呼ばれている、SNSやブログなどでウイルスのように一気に拡散していくようなマーケティングのことを指します。
こういった拡散を実現するためには、どういった顧客の行動を可視化していくのかというときに、このViralLoopが作られました。
ASICA(アシカ)
ASICAは、BtoBビジネスの購買行動モデルの一つです。
AIDMAやAISASはBtoC向けのビジネスモデルですが、一方ASICAはBtoBビジネスにおいてよく使われるフレームワークです。
ASICAという名前は、以下のキーワードの頭文字をとって名付けられています。
・Assignment(課題)
・Solution(解決)
・Inspection(検証)
・Consent(承認)
・Action(行動)
企業は課題解決に向けて、さまざまな検証や社内での承認を得て、その後契約といった行動につながっていきます。
このようなBtoB向けのビジネスの流れを考慮したフレームワークとなっています。
自社のビジネスがtoBなのかtoCなのかを考慮して、適切なフレームワークを使い分けるということが大事になってきます。
AISCEAS(アイシーズ)
AISCEASは、AISASの発展版で、Comparion(比較)、Examination(検討)の考え方を取り入れたフレームワークです。
最近の購買の流れでは、単純に商品を買うだけでなく、ネットや口コミなど様々な情報に触れて他の類似商品と比較したり、強みを知った上での検討を行うフェーズがあります。
そのため、これらのフェーズについてもしっかり考える必要があるということで、最近取り入れる企業も増えているフレームワークの一つです。
AIDCAS(アイドカス)
AIDCASは、以下のキーワードの頭文字を取って名付けられたフレームワークです。
・Attention(注意)
・Interest(興味関心)
・Desire(欲求)
・Conviction(確信)
・Action(購入)
・Satisfaction(満足)
AIDAと異なる点としては、Conviction(確信)、Satisfaction(満足)が追加されている点です。
確信とは、購入前の不安を取り除いて「購入しよう!」と確信してもらえるような段階のことです。
また、現代のビジネスでは、サブスクなどの新しい形のビジネスもはやっていることから、単に購入するだけで終わりではなく、購入した後に満足度までしっかり考えることが重要になってきます。
満足度の高さは、口コミなどにも影響し、別の方が購入を確信することにもつながっていきます。
そのため、「満足」の指標も取り入れたAIDCASに注目が集まっています。
カスタマーサクセスの考えを組み込んだ新しい時代のフレームワークとして、是非取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
購買プロセスのフレームワークは時流に応じてさまざまな派生形も出てきていますが、ベースとなっているのはAIDAです。
AIDAで購買プロセスを明確にし、それぞれの定量的な結果と、そこにひもづく今の業務行動を洗い出すことによって、今何が足りていないのかが明確になり、次の打ち手を考えるのにつなげることができます。
是非AIDAを使って、課題解決をしてみてください。
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