購入率とは?計算式、業界ごとの平均、購入率を上げる方法を解説
目次
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購入率とは?
購入率とは、店舗やECサイトに訪問した人のうち実際に商品を購入した人の割合のことです。
実店舗では来店客の人数を正確に把握することが難しいため、主にECサイトで用いられる指標です。ユーザーによる購入をコンバージョンとみなして、コンバージョン率(CVR)と呼ばれる場合も多いです。
購入率の計算式
購入率はECサイトに訪問した人のうち実際に商品を購入した人の割合なので、以下の計算式で求めることができます。
商品を購入した人の数 ÷ サイトに訪問した人の数 × 100
企業によっては人数ではなく購入件数に注目することもあります。その場合は以下の計算式で購入率を計算します。
商品の購入が発生した件数 ÷ サイトへのアクセス数(セッション数) × 100
購入率をチェックして課題に気づく
単純に売上が伸びている場合でも、購入率が下がっているような場合もあります。そういう時には、サイトへの訪問者数は増えているもののサイトの使い勝手が悪くなっている、あるいはターゲットとしているユーザーがズレているなどの問題が発生している可能性があります。
単純に売上や利益だけを見ていても気づけない課題を把握するうえで、購入率のチェックは役に立ちます。
ECサイトにおける購入率の平均
一般的に、購入率は1〜3%と言われることが多いです。
WordStream社が2018年に行ったGoogle広告経由でのコンバージョン率に関する調査では、ECサイトにおけるリスティング広告経由の購入率は2.81%、ディスプレイ広告経由で0.59%という結果が出ています。リスティング広告経由とディスプレイ広告経由でCVRが違ってくることからも分かるように経路や取り扱っている商品などの様々な要素で購入率は大きく変わります。
参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
ECサイトの例
実際に弊社クライアントのECサイトの例を見てみましょう。次のように、取り扱っている商品やサイトの作りなどによって大きく変わってきます。
- ECサイト例①A社
- サイト訪問ユーザ数 15万人/月
- 購入ユーザ数 1.4千人/月
- CVR=0.95%
- ECサイト例②B社
- サイト訪問ユーザ数 7.3万人/月
- 購入ユーザ数 2.6千人/月
- CVR=3.6%
- ECサイト例③C社
- サイト訪問ユーザ数 19.9万人/月
- 購入ユーザ数 5.9千人/月
- CVR=5.9%
- ECサイト例④D社
- サイト訪問ユーザ数 26.1万人/月
- 購入ユーザ数 4.7千人/月
- CVR=1.8%
A社~D社は、どれも取り扱い商品が異なるため、商品の特徴に応じてお客様の選定基準も変わってきます。
今回お伝えしたいのは、どれが良い、というのではなく、業態や取り扱い商品、ブランドの成り立ちによって、単に購入率といってもお客様が気にするポイントが変わってくる、ということです。
そのため、購入率が他社と比べて高いか低いかよりも、自社の購入率が以前と比べて上がっているか下がっているかといった視点が重要なのです。
購入率を上げる方法
ではどのように購入率を上げれば良いのでしょうか。単純に、「集客に対してどれだけ購入してもらえるのか」という数字と「集客」「購入」という部分だけを捉えても難しいのが正直なところです。なぜなら、集客してすぐ購入に至るわけではないからです。
すべてのビジネスはお客様がいてこそ成り立ちます。そのお客様の行動を見える化することで、イメージが湧きます。このときは自身がお客様として行動することの多い、店舗で買い物するときをイメージすると分かりやすいです。
- まず、気になる店舗に入ります。【STEP1】
企業側からするとこれが集客となります。購入率を計算する際の分母です。 - その後、欲しい商品があるか探すでしょう。【STEP2】
気になる商品を手に取ったりするでしょう。 - そして、購入したいと思った商品をカゴに入れます。【STEP3】
- 最後に、レジに行き購入します。【STEP4】
このSTEP4の購入が、購入率を計算する際の分子になりますね。
このように、購入率とは、計算上は【STEP4】÷【STEP1】になりますが、その間にSTEP2、STEP3が入ってくるのです。
従って、購入率が増加した、減少した、と言ってもSTEP1~STEP4の中身を確認することが必要です。(上記STEPについては、ぜひご自身のビジネスに沿って整理してみてください。)
購入までのステップを可視化する
先ほどの弊社クライアントの例を詳しく見てみましょう。
ECサイト例①A社
【STEP1】サイト訪問ユーザ数 15万人/月
【STEP2】商品閲覧ユーザ数 5.7万人/月
【STEP3】カート訪問ユーザ数 3.7千人/月
【STEP4】購入ユーザ数 1.4千人/月 CVR=0.95%
ECサイト例②B社
【STEP1】サイト訪問ユーザ数 7.3万人/月
【STEP2】商品閲覧ユーザ数 2.1万人/月
【STEP3】カート訪問ユーザ数 4.3千人/月
【STEP4】購入ユーザ数 2.6千人/月 CVR=3.6%
ECサイト例③C社
【STEP1】サイト訪問ユーザ数 19.9万人/月
【STEP2】商品閲覧ユーザ数 4.7万人/月
【STEP3】カート訪問ユーザ数 9.9千人/月
【STEP4】購入ユーザ数 5.9千人/月 CVR=5.9%
ECサイト例④D社
【STEP1】サイト訪問ユーザ数 26.1万人/月
【STEP2】商品閲覧ユーザ数 14.8万人/月
【STEP3】カート訪問ユーザ数 14.7千人/月
【STEP4】購入ユーザ数 4.7千人/月 CVR=1.8%
こららをSTEPごとの進捗率で比較すると、
となります。
例えば、A社やD社は商品閲覧しているユーザに対して、実際に商品をカートに入れる割合や、カートに入れた後実際に購入する比率が、B社やC社と比較して低いことが分かります。
ここでは伝えられませんが、実際にA社とD社、B社とC社は似たような業態です。また、更に各社月次推移を見ていくことで、どの部分が向上あるいは悪化しているのかも分かってきます。そうすることで、CVRを上げるためにどこに手を打てば効果的なのかも見えてくるでしょう。
購入率を高める7つの施策
商品の購入に至るまでのステップのどこに課題があるか明確になったら、課題に合わせた対策を打ちましょう。そこで最後は、購入率を高める具体的な手法をご紹介します。
- 商品の品揃えを見直す
- フォームの項目やエラーを減らす
- 企業情報やお客様の声を掲載して信頼性を高める
- 無駄な情報を省き分かりやすいサイトにする
- 広告文やバナーを見直す
- 広告の出稿先やターゲット自体を見直す
- 市競合の施策や季節要因を調査する
それぞれ詳しく確認してみましょう。
商品の品揃えを見直す
購入率が低い場合に、そもそも商品が少ない、あるいはターゲットにあった商品を揃えられていないという可能性があります。
カートまでたどり着かずにユーザーが離脱してしまっている場合には、商品の品揃え自体の見直しも検討しましょう。
フォームの項目やエラーを減らす
フォーム画面にアクセスしているユーザーは、商品に興味を持っている可能性が高いです。興味を持っているユーザーが離脱してしまっているということは、フォームに改善の余地があるはずです。
- エラーをなくす
- 無駄な項目を省く
- スマホでも入力しやすい設計にする
- 入力補助などの機能をつける
エラーをなくす
“フォームが送信できない”というエラーはもちろんですが、”ブラウザの戻るボタンを押したら入力情報が消えてしまう”あるいは”送信が完了したかどうかが分かりにくい”といったフォームもよくあります。ちょっとした使いづらさが、ユーザーの離脱を招いてしまう可能性があります。
フォームの送信テストを様々なブラウザで行うなどして、エラーを無くしていきましょう。
無駄な項目を省く
入力項目が多いフォームはユーザーを離脱させやすいです。
任意項目であっても、入力項目がたくさん並んでいるとユーザーは負担に感じてしまうため、項目数自体を必要最小限にしぼっておくのがおすすめです。
できれば入力してもらいたい項目はフォームを送信してくれたユーザーに、メールなどでアンケートの入力を依頼するなどして集めることも可能です。まずは、必要最小限の項目を入力してもらいフォームを送信してもらいやすくしておきましょう。
スマホでも入力しやすい設計にする
スマートフォンで入力しやすいかどうかも必ずチェックしておきましょう。
スマートフォンで見た場合にフォームの項目が小さいとタップしづらかったり、パソコンとは見え方や使用感が違う場合があります。
入力補助などの機能をつける
“一度入力した項目は、画面を遷移して戻ってきても自動入力される”など、ユーザーの負担を減らす機能を持ったフォームシステムもあります。
導入にコストがかかる場合もありますが、余裕がある場合は検討してみましょう。
無駄な情報を省き分かりやすいサイトにする
サイトにアクセスしたユーザーがフォームにたどり着かずに離脱しているとき、「購入」などのボタンがどこにあるか分からず離脱している可能性も十分にあります。
フォームページにリンクしているボタンは、必ず目に入る場所に設置し、色なども目立つものにしましょう。
また、文字情報が多くごちゃごちゃしていたりする場合も、ユーザーに伝えたいことが伝わらず離脱を招いてしまいます。フォームページへの誘導率が低い場合は、サイト内の情報量やデザインもわかりやすくできないかチェックしましょう。
企業情報やお客様の声を掲載し、信頼性を高める
サイトに安心感を出すためには「企業情報」や「お客様の声」を掲載しましょう。
商品を購入するとき、ユーザーは自身の個人情報を入力する必要があります。その時に、サイトに安心感がないとユーザーは購入やフォームの入力をやめてしまう可能性があります。
ユーザーが安心感を持ってサイトを利用できるようにするためにも、「企業情報」や「お客様の声」を掲載しておきましょう。
また、表示の乱れやサイトのデザインがユーザーの不信感を招く場合もあるので、あわせてチェックしてみることをおすすめします。
広告文やバナーを見直す
サイトに訪問したユーザーが離脱する原因は、そもそもサイトの内容が期待していたものと違う場合も考えられます。
この場合、出稿している広告の広告文やバナーを見直す必要があります。
例えば、「誰でもすぐに身につく英会話教室!」という広告をクリックして”東京の英会話教室”のサイトが表示されたとします。首都圏の人にとっては期待通りの内容かもしれませんが、北海道や九州の人にとって期待とは異なる内容なので、アクセスしてもすぐに離脱してしまうはずです。
極端な例ですが、これに近い状況はよく起こります。この場合、「誰でもすぐに身につく”東京の”英会話教室!」とするだけでも結果は変わってきますす。アクセス数は下がるかもしれませんが、コンバージョン率が高まり費用対効果を高められるはずです。
もちろん、配信先を首都圏にしぼるという方法も考えられます。
広告の出稿先やターゲット自体を見直す
先の例のように、”東京の英会話教室なのに全国に広告を配信してしまっている”ような場合は、ターゲット自体を見直す必要があります。
これはエリアだけに限らず、性別や年齢によっても確認するのがおすすめです。
例えば自社の商品がご年配の方向けだった場合など、本当にその層のユーザーの目にとまる出稿先になっているのかを確認しましょう。
市競合の施策や、季節要因を調査する
コンバージョン率が下がってしまっている場合、自社の問題ではなく市場環境の変化による場合もあります。同じ広告枠に、新たな同業他社が出稿していた場合、ユーザーが検討した結果、他社を選択している可能性もあります。
商品によっては季節によって売上が大きく変わるものもあるはずです。直近の数値の変化だけでなく、前年の同時期と比較するなどして今のコンバージョン率の状況を確認してみましょう。
集客~購入の流れをお客様のステップごとに数値化
ぜひ一度、自社の集客~購入の流れをお客様のステップごとに数値化し、購入率を高めるためにはどこに手を打てば良いのか考えてみてください。購入率が向上されると、同じ労力でより大きな売上を立てることができるため、生産性が上がります。
ちなみに、ECサイトについては、弊社の自社開発ツール「EC-DashBoard」により、上記CVRの中身をはじめ、様々な指標を見える化、データ分析を可能としております。ECサイト(ネットショップ)を展開している方はぜひ一度ご覧ください。
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