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根本的な問題を突き止めるには“因数分解”が鍵である【②商品データ分析編】

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前回の記事でもお伝えしましたが、データ分析をする上で重要な一つの方法が、大きいところから一つずつ因数分解していくことです。今回はそれを商品分析の一例を使って説明します。

商品の売上は、

売上 = 販売数量 × 商品単価

に因数分解できます。更に、

販売数量 = 取り扱い品番数 × 品番当り販売数量

に因数分解できます。

「商品単価」については、企業側でコントロールできる部分になります。より低単価の商品を取り揃えたり、値引きなどを従来よりも積極的に行うと、商品単価は下がっていく傾向になることが通常です。

また、「販売数量」のうち「取り扱い品番数」も企業側でコントロールできる部分になります。「取り扱い品番数」とは、1年間(あるいは一定期間)において製造した(あるいは仕入れた)商品の種類になります。

品番数とは、通常同じ型、デザインの商品を「1品番数」とします。(カラーやサイズの違いにおいても売れ方が大きく異なる場合はそこまで分解することもあります)

企業側が製造する種類(あるいは仕入れる種類)を増やせば、必然的に「取り扱い品番数」は増えることになります。

このように商品の売上は、

売上 = 販売数量 × 商品単価
   = (取り扱い品番数 × 品番当り販売数量) × 商品単価

に分解して売上の増減している要因を把握していくことができます。

このときに気を付けなければならないのが、商品のカテゴリによって傾向が異なることが多いことです。全ての商品を一緒にして因数分解するのではなく、カテゴリごとに分けて、それぞれで因数分解していくことが重要です。

その例が下記のグラフになります。

例:Tシャツの売上高の因数分解

こちらは、先ほど説明したように、あるアパレル企業の取り扱い商品のうち、「Tシャツ」カテゴリの売上について因数分解していったグラフになります。

折れ線グラフは前年対比を示していますが、一番左の売上は13期、14期と前年対比100%を下回っていることが分かります。しかし因数分解していくと、「販売数量」は年々減少傾向、「商品単価」はほぼ横ばいということが分かります。

更に、販売数量を因数分解すると、「取り扱い品番数」は大きく増加していますが、「品番当り販売数量」は大きく減少していることが分かります。

このアパレル企業では、売上減少に転じてしまったことにより、売上増加に向けた施策として、取り扱い品番数を増やすをこと(要はたくさんの種類の商品を取り揃えること)を実施していったのですが、結果としては、お客様が分散してしまい、品番当りの販売数量が大きく減少してしまった問題を引き起こしてしまいました。

このようなケースは、多くの企業において実際によく見られます。

売上を上げるための施策として品揃えを豊富にする、ということはよくありますが、店舗などでは物理的な制限もあるため、適正な品揃えというものがあります。本来であればもっと売れた商品が、品揃えを増やし過ぎた結果、売れなくなってしまった、ということが起こっている可能性があるでしょう。

また、商品の品揃えを増やせば増やすほど、在庫も増えることが多いです。在庫が増えてもそれが売れれば問題ないですが、売れ残ってしまうとまた別の問題を引き起こしてしまいます。

上記のグラフのように、商品の売上を因数分解することで、今売上増加している、あるいは減少している要因がどこにあるのか明確になります。

商品カテゴリごとにその傾向は同じ企業でも異なっている可能性もあるので、各カテゴリごとに行ってみることが重要です。

今回はアパレル企業を例に、「Tシャツ」カテゴリーの事例をご紹介しました。このほか物販・小売業界における分析事例を、以下の資料内で紹介していますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。

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