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CVRとは?業界別の平均値や改善方法について

コンバージョン率(CVR)を高めるデータ分析と7つの対策

この記事では、CVR(コンバージョン率)の正しい意味や、サイトのコンバージョン率を高める方法などを解説します。

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CVRとは?

CVRとはConversion Rateの略で、コンバージョン率のことです。日本語では「顧客転換率」や「転換率」と訳されます。

その名前の通り、アクセス数に対するコンバージョン数の割合を示す値です。

コンバージョンとは?

Webマーケティングにおいて、顧客による”商品の購入”や”会員登録”といった特定の行動を「コンバージョン」と呼びます。

コンバージョンはWebサイトにおけるゴールのようなもので、ECサイトにおけるコンバージョンは”商品の購入”、BtoBのサービスを提供している企業のサイトであれば”資料請求”などをコンバージョンとしていることが多く、具体的には以下のような行動をコンバージョンとすることが多いです。

  • 商品の購入
  • 会員登録
  • 資料請求
  • お問い合わせ・ご相談
  • サンプル・無料体験の申込み
  • セミナー・イベントへの申し込み

自社サイトのユーザーの特徴やニーズを把握するためにも、ユーザーどのようなユーザーがどんなコンバージョンをしたのかは必ず整理してまとめておきましょう。

自社のサイトを立ち上げたり、ランディングページを作成した時には何をコンバージョンとするのかを明確にしておくことでサイトの設計や目標設定がしやすくなります。

コンバージョン率の計算方法

コンバージョン率はコンバージョン数の割合を示す値なので、以下のような計算式で算出します。

コンバージョン率CVR)= コンバージョン数 ÷ サイト全体の訪問者数 × 100

例えば、月に20件の購入件数があり5000のアクセスがあるネットショップのの場合は

200 ÷ 5000 × 100 = 4%

なのでコンバージョン率は4%となります。

何をコンバージョンとするかはサイトによって異なり、「商品の購入」をコンバージョンとする場合もあれば、「資料請求」「会員登録」などをコンバージョンとする場合もあります。

コンバージョン率をチェックするべき理由

コンバージョン率をチェックすることで、サイトがコンバージョンをにつながりやすい状態になっているかを把握することができます。
たとえば、あるサイトの3ヶ月間のアクセス数とコンバージョン数の推移が以下のようになっていたとします。

2月3月4月
アクセス数100020004000
コンバージョン数506080

これだけを見るとアクセス数、コンバージョン数ともに順調に増えているように見えますが、CVRの推移を確認してみると以下のようになります。

2月3月4月
アクセス数100020004000
コンバージョン数506080
CVR(コンバージョン率)5%3%2%

この表を見ると、アクセス数、コンバージョン数は上がっているもののコンバージョン率は下がっていることが分かります。

もちろん戦略に基づいて想定されていた結果であれば問題ありませんが、「集客するターゲットがずれてきてしまっている」場合や「この間に実施したサイト内の改修で導線が分かりにくくなっている」といった課題が発生している可能性もあります。そういった課題に気づくためにもコンバージョン率のチェックは重要です。

また、サイト内の改善を行なった結果、その効果が出ているのかをチェックすることもできます。

コンバージョン率の平均値は?

一般的に、コンバージョン率は1〜3%と言われることが多いです。

WordStream社が2018年に行ったGoogle広告経由でのCVRに関する調査では、リスティング広告で3.17%、ディスプレイ広告で0.46%という結果が出ています。リスティング広告経由とディスプレイ広告経由でCVRが違ってくることからも分かるように経路やその他の様々な要素でCVRは大きく変わります。

参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

業界別の平均CVR

さらに業界別のCVRの平均値は以下のような結果となっています。

業界リスティング広告
経由の平均CVR
ディスプレイ広告
経由の平均CVR
自動車6.03%1.19%
BtoB3.04%0.80%
ネットショップ2.81%0.59%
教育3.39%0.50%
人材サービス5.13%1.57%
金融・保険5.10%1.19%
健康・医療3.36%0.82%
法務6.98%1.84%
不動産2.47%0.80%
テクノロジー2.92%0.86%
旅行3.55%0.51%

しかし、実際は業種や業態、流入元、コンバージョンの種類によって大きく異なります。例えば、広告からの流入で考えてもディスプレイ広告よりリスティング広告のほうがコンバージョン率が高くなりやすいと言われています。コンバージョンの種類で考えると、問い合わせよりも資料請求のほうがハードルが低いためCVRは高くなりやすいといったように、様々な条件によってCVRにはばらつきがあるため、それらを一緒くたにして業界の平均値をとったとしてもあまりあてになる数値にはなりません。

そのためコンバージョン率の平均値は、自社サイト内のコンバージョンごとにコンバージョン率の推移をチェックして改善していくことがおすすめです。

コンバージョン率の目安

もしサイトの運用を始めたばかりで過去のデータがない場合には、まず1%を目安にサイトへの流入数の目標を立てておきましょう。

実際にサイトを運用して行く中で自社サイトのコンバージョン率の平均値は見えてくるので、その値をもとに改善を行い変化を確認していきましょう。

コンバージョン率が低い場合の4つの原因

コンバージョン率が低い場合も、その原因には様々なものが考えられます。

大きく分けると

  • コンバージョンそのものに課題がある
  • コンバージョンフォームに課題がある
  • サイト内に課題がある
  • ターゲットや広告に課題がある

の4つが考えられます。

これらのどこに課題があるのかを知るためには、コンバージョン率に加えてサイト全体の訪問者数やフォームページの訪問者数をチェックします。

原因を見極めるデータ分析のやり方

下のグラフは、ある企業のECサイトにおける月間ユーザー数、商品閲覧ユーザー数、カート訪問ユーザー数、注文数をグラフ化したものです。

月間ユーザー数、商品閲覧ユーザー数、カート訪問ユーザー数、注文数のグラフ

下の表は上でグラフ化している値を元に、コンバージョン率と各ページへの遷移率をまとめたものです。

CVRと各ページへの遷移率

この表を見ると、おおむね1%程度で推移していたコンバージョン率が2020年10月に0.73%に下がっていることが分かります。

同じ月の他の値を確認したところ、商品閲覧ユーザー数÷流入ユーザー数が大きく落ち込んでいることが分かります。つまり、サイトを訪問したものの、商品を見ずに離脱したユーザーの割合が高いということです。このサイトの場合、課題は「サイト内」あるいは「ターゲットや広告」にあることが推測できます。

コンバージョン率に加えて”そこに至るまでの遷移率”を確認することで、自社サイトにおける課題をより明確にすることができます。

コンバージョン率を高める7つの方法

自社のサイトにおける課題が明確になったら、課題にあわせた対策を打ってコンバージョン率を高めていきましょう。

先に挙げた課題に合わせた対策には、下のようなものが考えられます。

  • 課題:コンバージョンそのものに課題がある
    対策:コンバージョンの種類を増やす
  • 課題:コンバージョンフォームに課題がある
    対策:フォームの項目やエラーを減らす
  • 課題:サイト内に課題がある
    対策:企業情報やお客様の声を掲載して信頼性を高める、無駄な情報を省き分かりやすいサイトにする
  • 課題:ターゲットや広告に課題がある
    対策:広告文やバナーを見直す、広告の出稿先やターゲット自体を見直す、市競合の施策や季節要因を調査する

それぞれ詳しく確認してみましょう。

コンバージョンの種類を増やす

Web上における最も重要なコンバージョンは、ネットショップであれば「商品の購入」、それ以外の業種では「サービスのお申し込み」や「相談・問い合わせ」などでしょう。

しかし、これらはユーザーからするとハードルが高いコンバージョンです。「商品の購入」「サービスのお申し込み」「相談・問い合わせ」などのコンバージョンポイントしかない場合、「商品に興味はあるが購入するほどではない」「サービスに興味はあるが、いきなり相談するほどではない」といったユーザーを逃してしまう可能性が高くなります。

その場合は、「メールマガジン会員登録」や、ネットショップであれば「無料サンプル」BtoBのサービスであれば「資料請求」などのコンバージョンポイントを設定しましょう。

そうすることで、購入には至らないユーザーの顧客情報を獲得し、継続してメールやDMによるアプローチが可能になります。

ただし、ハードルの低いコンバージョンは直接売上につながるわけではないので、「商品の購入」「サービスのお申し込み」「相談・問い合わせ」などのコンバージョンとは分けて考える必要があります。あくまで、ハードルの低いコンバージョンで獲得した顧客を「商品の購入」「サービスのお申し込み」「相談・問い合わせ」に誘導していくことで全体のコンバージョン率を高めることを目指していきましょう。

フォームの項目やエラーを減らす

フォーム画面にアクセスしているユーザーは、商品やサービスに興味を持っている可能性が高いです。興味を持っているユーザーが離脱してしまっているということは、フォームに改善の余地があるはずです。

  • エラーをなくす
  • 無駄な項目を省く
  • スマホでも入力しやすい設計にする
  • 入力補助などの機能をつける

エラーをなくす

“フォームが送信できない”というエラーはもちろんですが、”ブラウザの戻るボタンを押したら入力情報が消えてしまう”あるいは”送信が完了したかどうかが分かりにくい”といったフォームもよくあります。ちょっとした使いづらさが、ユーザーの離脱を招いてしまう可能性があります。

フォームの送信テストを様々なブラウザで行うなどして、エラーを無くしていきましょう。

無駄な項目を省く

入力項目が多いフォームはユーザーを離脱させやすいです。

任意項目であっても、入力項目がたくさん並んでいるとユーザーは負担に感じてしまうため、項目数自体を必要最小限にしぼっておくのがおすすめです。

できれば入力してもらいたい項目はフォームを送信してくれたユーザーに、メールなどでアンケートの入力を依頼するなどして集めることも可能です。まずは、必要最小限の項目を入力してもらいフォームを送信してもらいやすくしておきましょう。

スマホでも入力しやすい設計にする

スマートフォンで入力しやすいかどうかも必ずチェックしておきましょう。

スマートフォンで見た場合にフォームの項目が小さいとタップしづらかったり、パソコンとは見え方や使用感が違う場合があります。

入力補助などの機能をつける

“一度入力した項目は、画面を遷移して戻ってきても自動入力される”など、ユーザーの負担を減らす機能を持ったフォームシステムもあります。

導入にコストがかかる場合もありますが、余裕がある場合は検討してみましょう。

無駄な情報を省き分かりやすいサイトにする

サイトにアクセスしたユーザーがフォームにたどり着かずに離脱しているとき、「お問い合わせ」などのボタンがどこにあるか分からず離脱している可能性も十分にあります。

フォームページにリンクしているボタンは、必ず目に入る場所に設置し、色なども目立つものにしましょう。

また、文字情報が多くごちゃごちゃしていたりする場合も、ユーザーに伝えたいことが伝わらず離脱を招いてしまいます。フォームページへの誘導率が低い場合は、サイト内の情報量やデザインもわかりやすくできないかチェックしましょう。

企業情報やお客様の声を掲載し、信頼性を高める

サイトに安心感を出すためには「企業情報」や「お客様の声」を掲載しましょう。

商品を購入したり、問い合わせをするとき、ユーザーは自身の個人情報を入力する必要があります。その時に、サイトに安心感がないとユーザーは購入やフォームの入力をやめてしまう可能性があります。

ユーザーが安心感を持ってサイトを利用できるようにするためにも、「企業情報」や「お客様の声」を掲載しておきましょう。

また、表示の乱れやサイトのデザインがユーザーの不信感を招く場合もあるので、あわせてチェックしてみることをおすすめします。

広告文やバナーを見直す

サイトに訪問したユーザーが離脱する原因は、そもそもサイトの内容が期待していたものと違う場合も考えられます。

この場合、出稿している広告の広告文やバナーを見直す必要があります。

例えば、「誰でもすぐに身につく英会話教室!」という広告をクリックして”東京の英会話教室”のサイトが表示されたとします。首都圏の人にとっては期待通りの内容かもしれませんが、北海道や九州の人にとって期待とは異なる内容なので、アクセスしてもすぐに離脱してしまうはずです。

極端な例ですが、これに近い状況はよく起こります。この場合、「誰でもすぐに身につく”東京の”英会話教室!」とするだけでも結果は変わってきますす。アクセス数は下がるかもしれませんが、コンバージョン率が高まり費用対効果を高められるはずです。

もちろん、配信先を首都圏にしぼるという方法も考えられます。

広告の出稿先やターゲット自体を見直す

先の例のように、”東京の英会話教室なのに全国に広告を配信してしまっている”ような場合は、ターゲット自体を見直す必要があります。

これはエリアだけに限らず、性別や年齢によっても確認するのがおすすめです。

例えば自社の商品がご年配の方向けだった場合など、本当にその層のユーザーの目にとまる出稿先になっているのかを確認しましょう。

市競合の施策や、季節要因を調査する

コンバージョン率が下がってしまっている場合、自社の問題ではなく市場環境の変化による場合もあります。同じ広告枠に、新たな同業他社が出稿していた場合、ユーザーが検討した結果、他社を選択している可能性もあります。

商品によっては季節によって売上が大きく変わるものもあるはずです。直近の数値の変化だけでなく、前年の同時期と比較するなどして今のコンバージョン率の状況を確認してみましょう。

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