ECサイトと実店舗の連携を成功させる3つのポイント
ECサイトと店舗、相互の特性を活かしたオムニチャネル戦略は、今までは一部大手企業が取り組んでいる施策でしたが、少ないコストで中小企業でも実現できる環境が整ってきています。
そこでこの記事では、ECサイトと店舗におけるオムニチャネル戦略を施策例や、実施するときのポイントをご紹介します。
目次
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ECサイトと店舗の連携に取り組んだほうがいい理由
ECサイトと店舗にはそれぞれの長所があります。
- ECサイトの長所
- 全国どこからでも利用してもらえる
- 運営コストを少なくおさえることもできる
- 店舗に足を運ぶ必要がないためリピートがしてもらいやすい
- アクセス数などの正確なデータを把握することができる
- お客様の声なども伝えることができる
- 店舗の長所
- 商品を手にとって選べる
- 新規顧客を獲得しやすい
- 店舗スタッフによるサポートが提供できる
- 商品をその場で提供することができる
上記では運営者目線での長所を挙げていますが、「全国どこからでも利用できる」「商品を手にとって選べる」などの長所はお客様にとっての長所でもあります。
ECサイトと店舗はそれぞれに異なる便利があるため、お客様自身が自分にあった購入方法を選べたほうが満足度が高まるのは当然です。そこで現在、多くの企業がECサイトと店舗の運営を連携させることで、よりお客様の利用しやすい購入環境の構築を目指しています。
ECサイトと店舗を連携させた施策の例
多くの企業で取り組まれているポイントサービスの一元化をはじめ、ECサイトと店舗それぞれの特性を活かすことで、より商品を選びやすく、購入しやすい環境づくりが実現されています。ECサイトと店舗を連携させた施策の例には以下のようなものがあります。
- ポイントサービスの一元化
- ECサイトと店舗両方の購入履歴からレコメンド商品をお知らせ
- ECサイト上で店舗の在庫状況を確認可能に
- ECサイトで注文した商品を店舗で受け取り、もしくは試着
- 店舗に在庫がない商品をECサイトから注文して購入可能に
- 店舗で気になった商品のECサイト上のレビューをその場で確認可能に
運営者目線から考えると、店舗は常にお店の前を通るお客様の目に入るため、新たなコストをかけなくても新規顧客の獲得が可能です。まずは店舗で商品を手にとってもらい、2回目以降の購入ではECサイトで購入してもらうような流れが作れれば、新規顧客を獲得しつつ、お客様の負担も少なく商品をリピートしてもらうことが可能になります。
ECサイトと店舗の連携に取り組む時のポイント
ポイントサービス1つをみても、ECサイトと店舗のデータが連携されていてどちらも利用できたほうが、お客様にとっては便利なはずです。しかし、実際にそういった仕組みを実現するためには顧客データなどを整理し連携させる必要がありますし、ECサイトの運営スタッフや店舗スタッフの協力なしでは実現できません。
ECサイトと店舗の連携に取り組むうえでも特に重要なのは以下のポイントです。
- 自社に合った連携システムを選ぶ
- 店舗スタッフの協力が得られる進め方をする
- 各部署が連携した運営体制をつくる
自社に合った連携システムを選ぶ
現在では、ECサイトと店舗のデータを連携させるシステムを構築するサービスを提供している企業も複数あります。コストや、すでに利用しているECサイトのシステムや店舗のレジシステムなどと相性のいいものを選びましょう。
- 連携システムの例
- Omni Hub
Feedforce Inc.の提供するシステムで、Shopifyとスマレジの顧客データを一元化することができます。Shopifyとスマレジは初期費用0円から始められますし、Omni Hubも月額2000円程度から始められるため、コスト面での負担をかなりおさえることができます。 - futureshop omni-channel
CMS機能「commerce creator」で構築したECサイトに導入できるシステムです。こちらは初期費用に数十万円(ECサイトの構築費用も込み)がかかります。その分、会員へのアプローチ機能が充実していたり、すでに導入しているレジ機能との連携にも対応できるなどの柔軟性があります。
- Omni Hub
店舗スタッフの協力が得られる進め方をする
店舗からECサイトへの誘導には、店舗スタッフの協力がなくては実現できません。しかし、店舗からECサイトへお客様を誘導するということは、当然、店舗の売上をECサイトに渡すということにもなります。
そうすると店舗スタッフからの反発が出てくる可能性があるため、店舗からECサイトに誘導して売上が発生した場合に、相応の評価やインセンティブを店舗スタッフに与えられるような評価制度の検討も必要になってくるでしょう。
各部署が連携した運営体制をつくる
また、店舗スタッフだけでなくECサイトの運営部署や在庫管理の担当者など、様々な部門の協力も必要になってきます。
各部署の協力のもとスムーズに進めるためには、事前の説明や、企画段階から各部署に参加してもらいながら運営体制を構築していくことが大切です。
ECサイトと店舗の連携事例
最後に、ECサイトと店舗を活用したオムニチャネル戦略に取り組み成果を挙げている2つの企業の例を見てみましょう。
株式会社ウェアーズ
女性向けアパレルECサイトと店舗を運営する株式会社ウェアーズでは、「futureshop omni-channel with CROSSPOINT」を導入し、ECサイトと店舗を連携させた運営を実現。ポイントの一元化やECサイトと店舗両方の顧客へのメールマケティング、レジ横に「ダウンロードすれば500ポイントプレゼント」と書いたQRコードのPOPを飾りECに誘導するなどの施策を積極的に行っています。その結果、「futureshop omni-channel with CROSSPOINT」の導入後EC売上前年比114.5%を達成しています。
参考:EC×店舗の連携で新しい顧客コミュニケーションの実現へ。
(株)アイジーエー
同じくレディースアパレルブランドを運営する(株)アイジーエーは、顧客管理システム(CRM)の見直しなどと同時に、店舗を利用したお客様の2回目以降の購入にECサイトの利用を促すなどの取り組みで、コロナ禍でEC売上を30%増に拡大しています。
参考:EC売上30%増、コロナ禍でも急成長するアパレル企業の取り組みとは?
まとめ
ECサイトと店舗の連携施策は、大手企業以外でも取り組まれ始めており、選ぶシステム次第では、大幅なコストをかけなくても始めることができます。まだ取り組んでいないという場合は、お客様により快適な購買体験を提供し自社の事業を拡大していく手段として、検討してみてはいかがでしょうか。
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