PDCAサイクルとは?高速で回すコツ、OODAやSTPDとの違い
この記事ではPDCAサイクルの意味や活用するコツを解説します。
目次
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PDCAサイクルとは
PDCAサイクルとは、事業活動における管理業務を円滑に進めるための手法で、Plan(計画)・Do(実行)・Check(点検・評価)・Act(改善・処置)の頭文字を取って「PDCAサイクル」と呼ばれています。
計画を立てて(Plan)、実行し(Do)、結果を評価して(Check)、評価に基づき改善して(Act)次のステップへと進めていくことはとても重要です。日々、問題に立ち向かっているビジネスパーソンにとって、効率よくスケジューリングして業務を実行していくためにも、PDCAサイクルを回すことは欠かせません。
PDCAが「もう古い」と言われる理由
PDCAサイクルが古いと言われる要因はひとつは、1回のサイクルが長いことです。実行(Do)の前後に計画(Plan)や点検・評価(Check)などのステップがあることで、プロセスを改善していくのに時間がかかると考えられており、スピードが求められる現代のビジネスにはあっていないと言われることがあります。
PDCAは現代のビジネスに対しても有効
しかし、プロセス改善していくうえで計画や点検、評価といったステップは重要な役割であるため、PDCAというフレームワーク自体が古いというよりは、計画や点検、評価に時間をかけてしまうことが問題だと考えられます。
言い換えれば、計画や点検、評価にかける時間を短くしていくことが現代のビジネスに対応していくうえで必要な取り組みだと言えます。
高速でPDCAサイクルを回すコツ
高速でPDCAサイクルを回すコツは、PDCAにおける計画(Plan)と点検、評価(Check)にかける時間を短くすることです。そのためには、計画や評価における意思決定を迅速に行える仕組みが必要となります。
データ分析でPDCAを素早く回す
ビジネスにおける迅速な意思決定に欠かせないのが「データ」です。データに基づいた意思決定によってPDCAを回していくことで、より速くプロセスの改善を行うことができます。
さらに、データの収集や整理、可視化、分析を素早く行える仕組みを作ることで、高速でPDCAサイクルを回すことができるようになります。
高速でPDCAを回すために必要なデータ活用基盤
データの収集や整理、可視化、分析を自動で行うシステムをデータ活用基盤と言います。
データ活用基盤は、常に最新の実績データが意思決定できるかたちに可視化され、そしてそのデータをもとに意思決定した施策の結果が常に反映されるシステムです。
そのデータ基盤は、データ分析→可視化の設計→構築という流れで構築します。
データ基盤の構築方法
このうち、データ分析については「正しいデータ分析の手順とは?成果につながる5つのステップ」をはじめとした当ブログで解説している手順や事例をもとに実施することができます。
このデータ分析でデータ分析基盤の8割は完成したと言っても過言ではありません。なぜなら、データ分析が終わった時点で、自社の強みや課題が鮮明になり、今後の戦略や施策が決まっている状態だからです。あとはその戦略および施策を実行するに当って、見ていくデータを分析結果に基づいて可視化していけば良いのです。
適切な設計のもとデータを可視化する
データ分析結果に基づいた可視化を行うに当ってのポイントですが、次の4つを意識してください。
- 目的および管理する現場責任者ごとに設計する
- 大きいところからブレイクダウンできる設計とする
- 「結果検証」と「行動するための意思決定をする」ためのビューの2種類が必要
- ツールは最後に選ぶ
1.目的および管理する現場責任者ごとに設計する
データ分析では、顧客視点、商品視点や店舗視点など、強みや課題を明確にするために、抜け漏れない分析が重要です。しかし、可視化についてはそのすべてを1つのビュー(データを可視化したもの。エクセルやBIツール等で実施することが多い)で表現するということはありません。
データ分析においては「データ分析の目的を明確にする」ということが最も重要です。その目的は管理する現場責任者に依存するでしょう。企業経営において、会社全体の利益が最も上段に位置する目的に当たると思います。その下には、売上を上げるのか、コストを下げるのかに分かれるでしょう。売上を上げるのであれば、店舗軸や商品軸など様々ありますが、事業部ごとに担う役割・責任が異なると思います。
経営者であれば、企業全体の利益や売上、コスト等、財務関連のデータは常に把握することが必要ですが、単品ごとの日々の売上や消化率などは常に把握する必要はないでしょう(と言うよりそんな時間はないでしょう)。一方、MD担当者であれば、各商品の販売実績や在庫状況を店舗別に日々把握しておく必要があるでしょう。
このように、実際に経営や業務を遂行する責任者ごとに必要なビューは何なのかを設計することが重要です。
2.大きいところからブレイクダウンできる設計とする
データ分析のポイントと同様、可視化についても大きいところからブレイクダウンできるようにすることが重要です。
いきなり細かいところから入ってしまうと、そもそもの目的達成に近づけているのか見えなくなってしまいます。あくまでもスタートは常に大きいところから、となります。
3.「結果検証」と「行動するための意思決定をする」ためのビューの2種類が必要
行動した結果どうなっているのかの「結果」が見えることとその行動をするための意思決定を行うためのビューが必要です。「結果」は比較的経営者寄り、責任者の方がよく見て、行動のためのビューは現場に近い方が見ることが多くなります。
これは 「2.大きいところからブレイクダウンできる設計とする」で伝えたように、大きいところからブレイクダウンするビューにすることで実現できるでしょう。
4.ツールは最後に選ぶ
ツールを入れたけど、結局使っていない、使いこなせない、という話をよく聞きます。
ツールはあくまで「見るための道具」に過ぎません。目的を達成させるために最適なビューを表示できれば個人的には何でも良いと思っています。
くれぐれもツール選びから行わず、1から3の手順を踏んでから最後にツールを決めましょう。
OODA、STPDとの違い
PDCAに似た手法にOODA、STPDと呼ばれるものがあります。それぞれの意味やPDCAとの違いについて確認してみましょう。
OODAとは?
OODAは、Observe(観察)・Orient(現状判断)・Decide(決定)Act(行動)の4つのステップによるサイクルです。自社や市場の状況を観察して、現状を判断し、打ち手を決定して、実際に行動し、また状況を観察します。
PDCAと大きく異なる点は、計画のステップがないことです。行動する前に計画のステップがないことで、素早くサイクルを回すことができると考える人もいます。
STPDとは?
STPDは、See(見る)・Think(分析)・Plan(計画)・Do(実行)の4つのステップによるサイクルです。自社や市場の状況を見て、分析し、計画を立てて、実行し、また状況を見ます。
STPDサイクルは実行が最後に来ており、その結果を見るのが次のサイクルに含まれるため、STPDサイクルを2度回すことがPDCAサイクルを1度回すのに近いです。
OODAもSTPDもビジネスにおける施策を改善していくためのサイクルなので、基本的な取り組みは似ています。その中でどれが自身にあっているのかは、実際に試してみて見極めるのもいいかもしれません。
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