認知度調査 8つの方法 | ニーズ調査にも使える独自調査のやり方
マーケティング戦略の精度を高めるためには、戦略を立てる前の情報収集がとても重要です。そこでこの記事では、独自調査によるデータ収集の9つの方法と、それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。
独自調査では、社内データやインターネット上にあるデータでは手に入らない情報を知ることができます。ぜひ目的に合った独自調査の方法を実行してみてください。
目次
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独自調査データで競合他社との差別化を図る
上場していない企業の業績やお客様の認知度などの調査、これから売ろうと思っている商品やサービスのニーズなど、独自に調査しなければ入手できないデータがあります。そこで活用されるのが、インターネットなどを中心とした独自調査データです。
たとえば、独自の質問内容を作成し、対象者にアンケートに答えてもらい、その結果をもとに分析をしていきます。
消費者の生の声(たとえば購入者と非購入者の違いなど)が聞けたり、他社とのブランド認知度の違いなどを把握できたりするなど、目的に沿った調査データを取ることができます。
認知度調査に使える消費者調査 8つの方法
独自調査をする上で最も多く利用するのが、直接消費者にアンケートを取る消費者調査です。消費者調査のやり方は複数あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
訪問面接調査
調査員が調査対象者を直接訪問してその場で質問の回答を得る調査方法
メリット : 回収率は一般的に高く、さらに調査対象外の人が回答することを防げる
デメリット : 調査員が1軒ずつ訪問するため、手間、コストが高く、調査対象者の不在などにより必要なサンプル数が集まりにくい
留置き法
質問票を後日回収する調査方法
メリット: 回収率は一般的に高く、訪問面接調査より質問数を多く取れる
デメリット : 手間・コストが高く、調査対象外の人が答えてしまう可能性がある
会場集合調査
日時と場所を決めて調査対象者を集め、その場で質問の回答を得る調査方法
メリット : 訪問調査に比べると負担も少なく、回数を重ねることでサンプル数を多く取れる
デメリット :地理的な制限がかかる
郵送調査
調査票を郵送し、回答後に返送してもらう調査方法
メリット : 訪問調査に比べると手間は少なく、サンプル数も多く集めることが可能
デメリット : 回収率は低くなる
電話調査
調査員やコンピューター音声による電話で質問の解答を得る調査方法
メリット : 地理的な制限が少なく、訪問に比べればコストやスピードの面で有利
デメリット :質問の多い調査には不向き
FAX調査
FAXにより質問の解答を得る調査方法
メリット : 電話に比べれば調査対象へ届く可能性が高く、手間やコストもかからない
デメリット : 調査対象者からのクレームが多くなる可能性が高い
インターネット調査
インターネットを通じて質問の解答を得る調査方法。近年、最も多用されている調査方法であり、一般に幅広くアンケートを行う場合や、あらかじめ登録された会員に対してクローズドに行う場合などに使われることが多い
メリット : 全国に限らず、対象地域を限定して行うこともできるなど、さまざまな設定に対応することができ、比較的スピーディーで低コストに実施可能
デメリット: 調査対象者が調査会社への登録者に限定されるため、調査内容によっては結果への影響が望ましくない場合もある
インターネット調査サービスのひとつに「Surveroid(サーベロイド)」というサービスがあります。こちらは、「サンプル人数×質問数×10円」でいつでも自由にアンケート調査ができます(2020年4月現在)。スピーディーに簡易的な調査をしたいときに重宝するサービスです。
インタビュー調査
より深く掘り下げた内容を知りたい際に、抽出された対象者に直接インタビューを行う調査方法
メリット : 調査票などでは知ることのできない本音の部分(インサイト)を探ることができる
デメリット : インタビュアー(司会者)の技量の高さが必要データ分析の目的を踏まえ、どのような数値データが必要かを明らかにした上で、予算内で実施可能な調査方法を選ぶことが求められます。
ときには足を動かす! 実地調査の醍醐味
実地調査とは、店舗前を通る通行人の数や来店客数、あるいは価格帯ごとの商品の数など、実際に消費者との接点となる小売の現場に出向いて評価する調査です。
実地調査のメリットは、店舗前通行量や来店客数、購入客数や展開商品など、観察者の問題意識に応じて、直接見るからこそ得られるインサイトや比較データを取れることです。
一方で、実地調査は調査員や時間を要するため、手間とコストがかかります。
図表1は、実地調査をして取得した、同エリアで展開している化粧品店(店舗A・B・C)に陳列されている商品数と価格帯の一覧です。いずれも計60種類の商品を販売していますが、価格帯の異なる商品が展開されていますので、お客様の目にはまったく異なる店舗に映ります。
図表1 店舗A・B・C の価格帯別の商品
さて、お客様からすると、どの店舗が「特徴のある店舗」なのでしょうか。
店舗Aは低価格帯の商品の占める割合が高いので、「安価な店舗」という印象が強くなります。一方、店舗Cは高価格帯の商品の占める割合が高いので、「高級ラインが揃っている店」という印象が強くなります。
図の数字だけを見ると、店舗Bがすべての価格帯をまんべんなく揃えているように思いますが、すべての価格帯において店舗A、あるいは店舗Cよりもアイテム数が少ないので、差別化ができていないといえます。
もしあなたが店舗Bの店長だとしたら、このような結果を見て、どのような戦略を取っていくでしょうか?たとえば、店舗Aが低価格帯、店舗Cが高価格帯を強みとして展開しているので、中価格帯の商品を中心にアイテム数を多く取り揃えることが考えられます。
このように、実地調査をしたからこそ、自店舗の商品戦略が立てられることもよくあります。
また、「ミステリーショッパー(覆面調査)」といって、顧客に扮した調査員が接客を受けて、自社の店舗別や競合店舗と比較した接客状況、5Sなどを測定・評価する調査もあります。なお、5Sとは、以下の「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ(習慣)」の頭文字のSを取ったものです。
◉ 整理:不要なものを捨てること
◉ 整頓: 使いやすく配置場所・配置方法を決めて表示すること
◉ 清掃: 掃除をして綺麗な状態にし、あわせて細部の点検をすること
◉ 清潔: 上記「整理」「整頓」「清掃」を徹底して、その状態を維持すること
◉ しつけ(習慣): 決定した取り決めを全員で共有し習慣とすること
このような独自調査によって目的に沿ったデータを得ることは、企業の問題解決に大いに役立ちます。皆さんも独自のデータ収集で競合他社との差別化を図ってみてはいかがでしょうか。
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