効果的なデータ管理の方法とは?ビジネスタイプ別に解説
IT技術の発達などによって、データ活用の重要性は非常に高くなっています。ビジネスにおいてデータを活用していく際に重要なのが「データの管理」です。
そこでこの記事では、ビジネスにデータを活用するためのデータ管理のポイントを、ビジネスタイプ別に解説します。
目次
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社内データ管理のポイントは5W1H
ビジネス(商売)とは、Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の5W1Hで成り立っています。
データ分析をするに当っても、分析対象となる蓄積されているデータが5W1H(What,Who,When,Where,Why,How to)の視点で必要な項目がどれだけ正確かつ粒度細かく揃っているかによって、大きく分析の精度は変わってきます。
販売実績データには、取引先(Who)がいつ(When)どんな商品やサービス(What)をどの営業所・あるいは誰から(Whereに該当)取引したのか蓄積されています。また、営業プロセスが蓄積されているCRMやSFAのデータを紐づけることで、その取引がリード獲得から商談、受注に至るまで、どんな経緯で受注に至ったのか(How to)や、受注時や既存の取引先にヒアリングすることで、何故自社の提案に応じたのか(Why)なども把握できるでしょう。
もちろんデータ分析をするだけでは売上は上がりませんが、データ分析をすることで、売上を上げるポイントは把握できます。そのためにも、蓄積されているデータが抜け漏れなく精緻に揃っているのかということは、とても重要なポイントとなるのです。
しかし、現状は多くの企業が売上を上げるために必要なデータが揃っておらず、「売上を上げるためのポイントを把握する」データ分析が難しい状況となっています。それは売上を上げるためのデータ分析をするために必要な元となるデータの取得方法に原因があります。
それを説明するに当り、ビジネスタイプ別に、売上を上げるためのデータ分析をするために必要な元となるデータの管理方法を見てみましょう。
ビジネスタイプ別に見るデータ管理のポイント
必要なデータの取得方法の難易度は、
となります。
DtoC(EC) 商品や顧客等のマスタ情報さえ整理されていればデータが自動的に蓄積される
DtoCは、Direct-to-Consumerの略で、自ら企画、製造した商品をどこの店舗も介すことなく自社のECサイトで直接顧客へ販売するビジネスモデルのことになります。
この場合、顧客の購入履歴である販売状況や、自社サイトへのアクセス情報など、お客様が訪問して購入するまでのデータが全てシステムやツールで取得できます。商品や顧客等のマスタ情報さえ整理されていれば、抜け漏れなく粒度の細かいデータが自動的に蓄積されるため、精度の高いデータ分析が可能となります。
オンライン上で完結しており、メールアドレス等の情報も取得しているので、定期的にアンケートを取って意見を吸い上げることも可能です。
BtoC 顧客情報を取得すれば性別、年齢、住所等と組み合わせた詳細な分析も可能に
BtoCは、小売店や飲食店、サービス業など、直接コンシューマーに対して自社の商品やサービスを販売している業態となります。
こちらもほとんどの企業においてPOSシステムが導入されているため、販売実績についてはリアルタイムで取得できます。また、カード会員等、自社で顧客情報を取得している場合はDtoC同様に顧客のデモグラ情報(性別や年齢、住所等)と組み合わせたより詳細な分析も可能となります。
しかし、会員以外の非会員の顧客については、例えばレジの際に性別や年齢を手入力しないと把握できないのがBtoC業態です。また、DtoCと異なり、アクセス情報(来店情報)は自動的には蓄積されないので、大企業ではAIカメラを店舗に導入するなどして、来店状況と購買状況を紐づける分析をしていたりします。
BtoBtoC 最終消費者の動向を知ることで次の商品開発やマーケティングへと繋げる
BtoBtoC、これは最終消費者向けの商品を制作・製造しているメーカーが当ります。
こちらの業態については、自社へ直接のクライアントであるtoBにおいては取引実績状況が細かくデータ蓄積されています。どのような顧客にいつどんな商品を販売したのか、また返品や在庫状況なども把握できているケースが多いでしょう。しかし、その先の実際に購入してくれているコンシューマーの状況については、取引先からデータをもらわない限りは把握することはできません。
例えば、出版業界については、メーカーである出版社は、小売店である各書店への出荷数や返品数については把握しています。しかし、小売店で実際にどの程度販売されたのかや、在庫が現状どの程度残っているかについては、各書店や取次のシステムを利用しなければ把握することはできません(が、システム利用できるだけマシな業態だと言えます)。
また、5W1Hで言うところの「Why」や「How to」については、定期的に消費者アンケートを取って、顧客のニーズや他社と比較した選定理由、どういう経路で知ったのかなどを取得している企業も多いです。実際に商品を買って使ってくれている最終消費者の動向を知らない限りは、次の商品開発やマーケティングへと繋げることが難しいのが実態です。
BtoB 見込み客に対する商談状況や見込み客のプロフィール情報の収集が重要
そして最後はBtoBです。こちらは法人向けのオフィス用品販売企業やITベンダー、コンサルティング業など、toBが最終エンドユーザーに当たる業態となります。
こちらも先ほどのBtoBtoCと同様、toBにおいては取引実績状況が細かくデータ蓄積されています。どのような顧客にいつどんな商品を販売した、あるいはソリューションの取引を行ったのかといった「取引実績」については把握できるかと思います。
取引実績の分析により、どんな業種や規模、あるいは担当者別など、どのセグメントに強みや課題があるのかは把握することができるでしょう。しかし、BtoB事業にとって、戦略立案や施策の検証・改善をするためには、その取引に至った経緯がとても重要になります。
仮に取引実績を顧客の業種別に分析した際に、「製造業」の顧客が500社と最も多かったとしても、アプローチ数が他の業種と比較して圧倒的に多ければ本当に強みとは言い切れません。
BtoB事業においては、下の図における一番右側の「購入・取引」や「リピート」といったいわゆる取引実績(取引結果)ももちろん重要なのですが、その前段階の「比較検討」部分、要は営業活動に当る部分がとても重要となります。
顧客の行動プロセスごとのデータ分析と業務の棚卸イメージ
この部分なのですが、見込み客に対する商談状況(提案、見積り提出、受注・失注等)や見込み客のプロフィール情報(業種、企業規模、予算等)といった「データ」については、各営業担当者に委ねられています。
これがBtoB企業においてデータの取得難易度を高めている要因となります。しかし、だからこそBtoB企業においてデータを正確かつ抜け漏れなく取得できることが出来れば大きなアドバンテージともなります。
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