売上を伸ばし続けるEC事業の秘密:データに基づくマーケティング戦略とは
データ活用を行いEC事業の売上を伸ばすためには、「売上=訪問客数×購入率×客単価」という方程式を理解する必要がありますが、この方程式を今更説明せずとももはやどの企業も理解しているはずです。
しかし、なぜ確実に売上を伸ばしている企業とそうでない企業の差が生まれるのでしょうか?
その答えは、データ(数値)に基づいた正しいマーケティング施策が行えているかどうかです。弊社はこれまで多くの中小企業のマーケティング支援に携わってきましたが、売上を確実に伸ばしている企業は、ほぼ確実にデータ活用をビジネスに取り入れています。
この記事では、EC事業において売上を伸ばすために必要なデータ活用・分析の重要性とそのポイントをお伝えいたします。
目次
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データ活用の必要性①:限られたリソースを効率的に活用する
売上を伸ばしている企業の特徴は社内全体で課題を”数値で”把握する
先程もお伝えした通り、既に多くの企業が「売上=訪問客数×購入率×客単価」を理解しており、それぞれの指標の効果を高めるために日々施策の実施を行っています。しかし、売上を確実に伸ばしている企業は、より売上改善におけるインパクト(効果)が大きいところをデータ(数値)で理解しており、どの程度の力をかけて対策すべきかをスタッフ全員が把握しています。
売上が上がらない企業の要因は”非効率な施策”
一方、売上に伸び悩む企業は、「なんとなく」や「感覚」でしか課題を把握しておらず、そのため施策の実行においても非効率的な施策を行ってしまいます。
このように、たとえ同じ施策を行っても、売上を伸ばせるかどうかの大半はスタートする前から決まってしまっているのです。
CHECK
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質問:貴社のビジネスにおける課題を数値的に答えることができますか?
この質問に答えることができなかった企業は非効率的なマーケティング施策になっている可能性があります。
答えの例:売上が前年に比べると約20%ほど減少していて、その最も大きい要因として客数の低下が考えられます。特に新規客の数は前年比較で約30%ほど低下しています。また、購入率も直近3ヶ月は減少傾向にあり、前月比で1.5%ほど、前年比で2%ほど低下しています。
データ活用の必要性②:データに基づいた検証と改善
売上を伸ばしている企業の特徴は効果検証に多くの時間を費やす
売上を確実に伸ばしている企業は、施策実施後の効果検証と次のアクションへの転換の検討に多くの時間を費やしています。なぜ成功したのか、なぜうまくいかなかったのかを数値的に把握することで、着実に売上拡大へのステップを登ることができます。
売上が上がらない企業の要因は”効果検証不足”
一方、売上に伸び悩んでいる企業は、施策の実施には多くの時間を費やしているものの、その後の効果検証にはほとんど時間を割かず、施策が効果的だったのかどうか、継続すべきなのか改善すべきなのかの判断がつかないまま、次の施策の検討に頭を使ってしまっています。
CHECK
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質問:現在行っている、または直前に行ったマーケティング施策の効果を数値的に説明できますか?
この質問に答えることができなかった企業は施策実施後の効果検証ができていない可能性があります。
答えの例:直近行ったインフルエンサーマーケティングでは、1ユーザー当たり約5円ほどで流入を獲得することができたが、購入率は0.1%と低い結果となった。アクセスを集めるという意味では効果が大きかったが、購入数を増やす為にはインフルエンサーの精査や相性、または囲い込み施策も同時に検討する必要がありそう。
ECの売上を上げるために必要なデータ分析のポイント
ここまで記事を読んで頂き、貴社はビジネスにデータを活用することができていますでしょうか。もし、先に挙げた2つの質問に答えられなかった企業は、データ活用における次のポイントの改善を行うことをおすすめいたします。
ポイント①:データ分析に必要な数値の取得
まずはデータ分析を行う為に必要なデータの取得環境について整理しましょう。
ECの売上を伸ばすために最低限必要なデータは以下になります。
▼ECのデータ分析で最低限必要なデータ
アクセスデータ(GoogleAnalyticsなど)
主にGoogleAnalyticsから取得できるアクセス系のデータになります。
販売実績データ(決済カートシステムや受注管理システム)
いつ、どこで、誰が、何を、いくらで、どうやって商品を購入したかが記録されている販売実績データです。決済カートシステムや受注管理システムから抽出することができます。
マスターデータ(顧客マスター、商品マスター)
顧客の属性が溜まっている顧客マスターと、商品の区分やカテゴリーなどが記されている商品マスターデータです。
上記のデータが取得可能かどうかをまずは確認してみてください。
ポイント②:データ分析は常に大きいところから行う
データ分析においていきなり細かいところから分析は行いません。例えば、新規のお客様でカテゴリAという商品を買っている人の分析から初めてしまっては、その分析結果が全体の売上にどのぐらいインパクトがあるのかわかりません。
必ず、大きなくくりからブレイクダウンして分析していきます。
上の図の矢印の順に従って分析を行っていくことで、より明確に課題が発見でき、かつ売上改善にインパクトが大きいポイントの発見をすることができます。
ポイント③:正しい目標設定を行う
目標がなければ結果の良し悪し、また継続不継続の判断ができません。施策を実施する前にまずは正しい目標設定を行いましょう。
下の図はECの売上を伸ばすために必要な指標を因数分解した図です。この因数分解に沿ってそれぞれの目標値を設計していきます。
次に因数分解した各指標における現在の数値を入力してみましょう。
そして、仮に売上5億円達成という目標を設定した場合に、各数値がどの程度であれば目標が達成できるのかを設定します。現在の数値を考慮しながら実現可能な目標設定を行います。
最後に、この目標を達成する為に実施する施策を落とし込みます。
このように、現状数値を把握しそこから目標設定をすることで、課題がどこにありそこに対して何をどのぐらいしないといけないのかが明確になります。
以上、上記3つのポイントが満たされていれば、ECビジネスにデータ分析を活かし売上を伸ばしていくための準備が完了です。
まとめ
データ活用によるマーケティング施策は、ECの売上を確実に伸ばすための重要な要素となっています。売上に伸び悩む企業との差は、正確なデータに基づいた施策が行えているかどうかによるものです。
データ活用により限られたリソースを効率的に活用し、売上改善にインパクトのある課題を把握することができます。データ分析をビジネスに取り入れ、EC事業の売上を確実に伸ばしていきましょう。
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