商品・サービス軸での分析・可視化

売上増減傾向分析・ランキング分析・販売傾向分析

商品を製造しているメーカーや、商品を販売している物販小売系(製造も行うSPA業態も含む)ビジネスの場合、売上の源泉は「商品」になります。ほとんどの企業において陥っていることの一つとして、売れ筋商品が在庫切れとなってしまい売り逃しを発生させていることと、その一方で死に筋商品をいつまでも抱えていてキャッシュ化できない在庫を多く持ってしまっていることです。

この部分を整理分析し、単品ごとに見える化することにより今後の適切なMD計画や、日々のディストリビューション(値下げ指示、追加発注、商品の店舗間移動)を適切に行うことができるようになります。

売上増減傾向分析

商品カテゴリおよび各商品の売上を因数分解する(数量や単価等)ことで、売上増減の要因を導き出します。

例:商品カテゴリ別の売上分解

例:商品カテゴリ別の売上分解

上の図表は、ある商品カテゴリの売上状況を分解したグラフになります。年々減少してきている売上がなぜ落ちているのか、販売数量と商品単価に分解し、販売数量については更に取り扱いSKU数とSKU当り販売数量に分解することで、何が要因かを把握できます。(※SKUとは、最小管理単位 (Stock Keeping Unit) の略)

上図の例では、商品単価はほぼ横ばいで推移しているものの、13期においては取り扱いSKU数が少なくなっていることが分かります。14期でも引き続き取り扱いSKU数が少ないですが(13期と同程度)、13期では増加していたSKU当り販売数量も減少してしまったことで、売上を押し下げる原因となっていることが分かります。定期的に各商品カテゴリの売上を因数分解して可視化することで、どこに課題があるのか常にチェックできる状態にします。

ランキング分析

各商品カテゴリの全商品の売上増減傾向を分析することで、企画や販売における課題を導き出します。

例:商品売上ランキング別の売上推移

例:商品売上ランキング別の売上推移

更に単品ごとに見ていくことでより原因を深掘りすることができます。上の図表は、(1)売上増減傾向分析で例示した商品カテゴリの10期と14期における各商品の売上の高い商品から順番に並べたグラフとなります。

まず、下の方の101位以下で大きく10期と14期に差が見られますが、これはその前のグラフ(例:商品カテゴリ別の売上分解)で把握できたSKU数が減少したことによるものです。商品数が減ったので必然的に下位の売上が減少しています。注目すべきは1位~10位あたりの上位の商品になります。売上の多く取っている上位の商品で減少していることが分かります。人気商品の力が弱まっていることが分かります。

今回の例では上位商品の企画力が減少していることが分かりますが、企業や商品カテゴリによっては上位の商品は問題なくても、中位の商品の売上が落ちているケースもあります。その場合は、企画と言うよりは、販売部分に問題があるので、この分析をすることでどこに注力していくべきかが把握されます。

このように、売上を商品ごとにまで分解することで、なぜ減少しているのか(あるいは増加しているのか)の要因を把握することができます。

販売傾向分析

週次や日次での各商品の売れ方を分析することで、売り逃しや死筋商品の傾向を把握し、最適なディストリビューション(値下げ、追加発注、店間移動)へと繋げます。

例:売上上位商品における週次売上推移

例:売上上位商品における週次売上推移

上の図表のような傾向は、商品を持つ多くの企業で起こっている現象です。これは、先ほどの14期における1位~10位の商品の週ごとの累積売上を図示したものになります。赤い点線で囲った部分に注目すると、今まで週が経過するごとに売上が上がっていたのが、途中から横ばいになっています。これはこの時点で売れなくなってしまった、ということを表しています。

これは、在庫が切れてしまい、店頭に商品がなくなってしまったことにより売れなくなってしまっている現象が起こっている可能性が高く、店舗ビジネスではよく起こる「売り逃し」という状況です。(もちろん、商品によってはその時点で販売を止めたケースもあるので、全てがそうではありません)

もし現状分析をして、このような状態が起こっていることが把握できれば、売上を上げることは比較的簡単です。在庫状況と販売状況を常にウォッチすることで、適切なタイミングで追加発注することで売り逃しを防ぐことができ、売れるものを確実に売ることができます。同じように、売れないものの判断もすることができます。その場合は素早く値下げして少しでも多く現金化するような施策へと繋げます。

このように、物販をしているような業態では、販売データとときには在庫データも組み合わせることで、細かい打ち手へと繋げることができます。上図の場合は、上位10商品のみでしたが、これを実際には全ての商品に対して分析・可視化することで、商品の販売効率を大きく上げることが可能となります。

商品軸での分析・可視化では、上記以外にも広告やプロモーションと言った販促施策と実際の販売状況を組み合わせた分析(広告・プロモーション分析)をし、適宜その結果を可視化することで、施策効果を把握することが可能となります。また、その結果に基づいて効果の高い施策へと繋げることもできます。

また、販売されている商品ごとの顧客属性(性別や年齢、新規やリピーター等)を組み合わせて分析することで、より深い分析もできるようになります。KUROCOでは、企業の状況に応じて必要な分析をした上で、可視化していきます。