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美容サロンのKPI設定方法とは?

2026年02月20日 | ビジネス

「月間売上目標は立てているが、なかなか達成できない」

「スタッフに具体的な行動を指示できず、抽象的な指導になってしまう」

こうした悩みを抱える美容サロンのオーナーや店長は少なくありません。

目標を掲げるだけでは、現場は何をすればいいか分からず、結果として「頑張ります」という精神論だけが先行してしまいます。

そこで重要になるのが「KPI(重要業績評価指標)」の設定です。KPIを正しく設定すれば、目標達成への道筋が明確になり、スタッフ一人ひとりが何をすべきか理解できるようになります。

売上安定化とスタッフマネジメントに悩むオーナー・店長の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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KPIとは

KPIとは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略で、目標達成度を測るための具体的な数値指標を指します。

ビジネス全般で使われる言葉ですが、美容サロンでは特に「売上」「リピート率」「指名率」「客単価」などがKPIに該当します。

KPIを設定することで、「なんとなく頑張る」ではなく、「何をどれだけ改善すべきか」が数字で見える化されます。

例えば、「今月は売上が悪かった」という漠然とした認識ではなく、「新規客数が前月比で20%減少した」「リピート率が5%低下した」といった具体的な事実が分かれば、打つべき対策も明確になるでしょう。

目標とKPIの違い

「目標」と「KPI」は似ているようで異なります。

目標は、「月間売上300万円」「年間成長率10%」のようなゴール(最終的に達成したい状態)を指します。

一方、KPIは、その目標を達成するために追うべき中間指標です。例えば、売上300万円という目標に対して、「客数100人」「客単価3万円」「新規客30人」「リピート率70%」などがKPIになります。

つまり、KPIは「目標達成のための先行指標」であり、日々の行動に直結する数値です。

目標だけを掲げても現場は動けませんが、KPIがあれば「今週は新規客を10人獲得する」「客単価を500円アップさせるためにオプション提案を強化する」といった具体的なアクションが見えてきます。

KPI設定に取り組むべき理由

勘や経験に頼ったマネジメントでは再現性がありません。

KPIで数字の共通言語を作ることで、公平な評価が可能になります。

「売上が下がった」では原因が分かりませんが、KPIで因数分解すれば改善ポイントが明確になります。

設定すべき主要KPI

客単価  

1人あたりの平均支払額を示します。  

計算式: 客単価 = 売上 ÷ 来店客数

客数

月間や週間の来店人数を指します。さらに「新規客数」と「リピート客数」に分解することで、集客構造が見えてきます。

新規客が多いのにリピートが少なければ、サービス品質や接客に課題がある可能性があります。逆に、リピート客は安定しているが新規客が伸びていなければ、集客施策の見直しが必要でしょう。

新規リピート率
初回来店したお客様が再来店した割合を示します。
一般的に30日〜90日などの期間を区切って計算します。
新規リピート率:再来店した新規顧客数÷新規来店顧客総数×100

例:1月の新規来店が100人。1月に初回来店した人のうち、初回来店日から60日以内(=3月末まで)に再来店した人が30人だった場合、新規再来率(60日以内)は(30÷100)×100=30%。

リピート率が高ければ、顧客満足度が高く、LTV(顧客生涯価値)の向上が期待できます。業界平均は30〜40%程度と言われていますが、これを50%、60%と引き上げることで経営が安定します。


指名率

特定のスタイリストを指名して来店した顧客の割合です。  

計算式: 指名率 = (指名客数 ÷ 総来店客数) × 100

指名率が高いほど、スタッフと顧客の信頼関係が強く、リピートや口コミにつながりやすくなります。

KPI設定の3ステップ

まず目標を要素に分解します。

例えば、売上目標500万円を「客数 × 客単価」に分解し、さらに客数を「新規客数 + リピート客数」に、客単価を「技術売上 + 店販売上 + オプション売上」に分解します。

この因数分解によって、どの要素を改善すれば目標達成できるかが見えてきます。

具体例:  

– 売上500万円 = 客数200人 × 客単価25,000円  

– 客数200人 = 新規客50人 + リピート客150人  

– 客単価25,000円 = 技術売上20,000円 + 店販3,000円 + オプション2,000円

このように分解することで、「新規客をあと10人増やす」「店販を500円アップさせる」といった具体的なアクションが明確になります。

運用のポイント

KPIは3〜7個に絞り、改善すべき指標に集中しましょう。

Excelや専用ダッシュボードでグラフ化し、直感的に状況把握できるようにします。KPIは全員で共有し、「成長のための道具」として活用することが重要です。

まとめ

美容サロンのKPI設定は、売上安定化とスタッフマネジメントに不可欠です。「売上」を客数・客単価・リピート率などのKPIに分解することで、やるべきことが明確になります。データ分析と数字の可視化により、勘や経験に頼らないマネジメントが実現できます。

KUROCOでは、美容サロン向けにデータを活用した実践的なサポートを提供しています。「数字で語れる組織」を作り、持続的な成長を実現したいオーナー・店長の方は、ぜひ一度ご相談ください。

美容サロン向け支援

齋藤健太 代表取締役  

慶応義塾大学理工学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。主に中堅規模(数百億)以上の企業をメインクライアントとしたプロジェクトに従事。化粧品メーカや卸・リテール業界など、幅広い業種において、中期経営計画策定やマーケティング戦略の構築、M&Aにおけるビジネスデューデリジェンス等の実績を有する。独立後も製造業や小売業、サービス業に至るまで大小様々な企業の課題発見に従事、成果を上げる。特にデータ分析においては、複数のコンサルファームにもアサインされる実力を有する。コンサルティングに加え、ヘアサロン2店舗と、まつげ・眉毛専門のアイサロン1店舗の運営、ならびに伝統工芸品の販売事業にも携わり、現場視点での売上づくりにも取り組んでいる。その他、AI関連スタートアップや教育関連企業からもデータ分析支援の依頼を数多く受けている。2013年9月にクロスメディア・パブリッシングより「問題解決のためのデータ分析」を出版(2019年2月に新装版を出版)。教育プラットフォームUdemyで展開しているオンライン講座(「ビジネスの現場で使えるデータ分析」、他)の受講者数は4万人(2024年2月現在)を超える。2020年10月KUROCO株式会社を設立、現在に至る。
東亜大学芸術学部トータルビューティ学科非常勤講師。

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