マスターデータ管理のポイントとは?
IT技術の発達によって、データを活用して売上を上げることの重要性は高まってきています。 そして、データを活用していくうえでも特に重要なデータが「マスターデータ」です。
そこでこの記事では企業におけるマスターデータ管理のポイントを解説します。
目次
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マスターデータとは「基本となるデータ」
まずはマスターデータとは何かを確認しておきましょう。
マスターデータとは「基本となるデータ」という意味で、名前の通りデータ分析を行ううえでも元となるデータのことです。具体的には顧客情報、商品情報などのデータを指します。
マスターデータの例
- 顧客情報
- 顧客ID
- 名前
- 年齢
- 性別
- 住所 など
- 商品情報
- 商品ID
- 商品名
- 価格
- 商品カテゴリ など
トランザクションデータとは?
マスターデータに対応する言葉として、トランザクションデータというものがあります。トランザクションデータとは「取引データ」という意味で、取引実績や販売実績、顧客の行動履歴などの様々なデータが含まれます。
トランザクションデータの例
- 販売履歴
- 販売された商品の商品ID
- 購入した顧客のユーザーID
- 販売数量
- 販売金額
- 注文日 など
- 行動履歴
- サイトへアクセスしたユーザーのID
- 最初にアクセスしたページ
- 滞在時間 など
マスターデータとトランザクションデータを紐づけて分析する
マスターデータとトランザクションデータを紐づけていくことでデータ分析を行います。
企業によっては運用しているシステムの中で紐づけが済んでいる場合もありますが、多くの企業では紐づけ自体ができていないため、データを整理して紐づけるとこから行います。
業態別のマスターデータ管理の特徴
まずは業態別のデータ管理の特徴と、データ活用による売上の上げやすさを確認してみましょう。以下に箇条書きした業態は、上にある業態ほど売上を上げやすく、下にある業態ほど上げにくくなっています。
- EC(DtoC)
- 販売データやアクセス関連データがシステム・ツールで自動取得
- マスタ管理さえされていれば良い
- BtoC(物販/サービス)
- 販売データやマスタ情報はシステム・ツールで取得、整理
- 顧客行動についてはAIカメラやアンケート等が必要
- BtoBtoC(メーカーなど)
- 顧客(toB)の販売状況やマスタはシステムで管理
- 顧客管理や営業管理については「人」に依存
- エンドユーザーである消費者のニーズ把握も必要
- BtoB
- 顧客(toB)の販売状況やマスタはシステムで管理
- 営業プロセスについては「人」に依存
EC事業は、他の業態と比較すると、販売実績データはもちろん、お客様が店舗に来たという、アクセスデータもリアルタイムで蓄積されています。これは、例えばほとんどの活動状況を手入力していかなくてはならないBtoB事業の法人営業などと違い、非常に効率的、かつ正確にデータが蓄積されるため、精度の高いデータ分析を可能とします。
しかし、EC事業を含め、どの業態においてもマスターデータの管理には注意が必要です。
マスターデータ管理 3つのポイント
マスターデータの中でも特に重要な商品マスターについて、EC事業を例に管理のポイントを解説します。
- データ上で種類をすぐに把握できるようにする
- 販売された際の価格が分かるようにする
- カテゴリは”漏れなくダブりなく”する
データ上で種類をすぐに把握できるようにする
商品のマスタデータをECサイトの決済カートシステムのみで管理している場合、次のようなことが起こっていないでしょうか。
例えば図2のようなサイトを例に挙げましょう。
図2 ECサイトのカテゴリ表示例
商品のカテゴリとして、道具、パーツ、ビラ、布があり、その先にパーツであればかんざし足、ワイヤーなどが定義されています。
注意すべきは、布の下にある「お買い得品」になります。
もし、カートの仕組上、道具、パーツ、ビラ、布といった商品の種類に該当するカテゴリとは別に、割引して販売するセールとして「お買い得品」かどうかを区別するフラグが付けられるのであればよいですが、もし、商品マスタ上、ひとつの商品に対してひとつのカテゴリしか付けられない場合、お買い得品に入っている商品が道具なのかパーツなのかビラ、布なのか、商品の種類がデータ上すぐに把握することができません。
もちろん商品名を見て、後から自分でどの種類なのかカウントすることはできますが、非常に大変です。
例えば、カテゴリごとの分析をする場合、Aという商品が「お買い得品」となっていた場合、それが道具なのかパーツなのか、ビラ、布なのかが分からないため、正しく商品の種類別に分析することができなくなってしまいます。
定価で販売されたのか、値引き価格で販売されたのか
また、商品の種類とは別に「お買い得品」かどうかを区別するフラグを付けられる決済カートシステムであっても注意が必要です。
例えば同じAという商品において、1月は定価で販売していたが、2月はセール(お買い得品)として販売していた場合です。
販売実績データ上に、定価で販売されたのかセールで販売されたのかが分かるようになっていればよいですが、なっていない場合はその商品がいつからいつまでセールで販売されたのかを別で管理する必要があります。
カテゴリは”漏れなくダブりなく”
商品カテゴリをいくつでも付けることができるカートも存在します。その場合、カテゴリが漏れなくダブりなく、所謂MECEに設定されているかがとても重要です。(参考:問題解決に欠かせないロジカルシンキングのやり方)例えば以下です。
- 商品の種類(大分類、中分類、小分類)…… 例:Tシャツ(大分類)、ロングTシャツ(中分類)、無地(小分類)
- ブランド
- デザイナー
- 定価販売orセール
販売区分したいカテゴリについて、それぞれ該当する項目を入れていくことが重要です。
この商品マスタさえ抜け漏れなくダブりなく整理されてさえすれば、データ分析の半分は完了したといっても過言でないほど重要なので、意識してください。
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