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データ分析で欠かせない「推移」と「比較」の見方

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データ分析は「売上を上げる」ための手段なので、「売上を上げる」ことに繋がなければなりません。売上を上げるということは、売上が上がる余地が大きいポイントを探すことがデータ分析の大きな役割となります。

もちろん、細かく傾向を探したり打ち手の検証を数字で行うということもデータの活用範囲になりますが、「分析」という観点では、結果を出すために必要なのは「売上を上げる」ことに繋げることです。そのためには、何度かお伝えしていますが、大きいところからブレイクダウンしていくことが重要です。

「売上」をKGI(Key Goal Indicator)とした場合、それを達成させるためのKPI(Key Performance Indicator)を設定することが必要となります。

「売上を上げろ」と言われても漠然とし過ぎていて何をすべきか分かりませんよね。売上を上げるためには、

「商品ラインナップを増やせ」
「もっと集客しろ」
「導線を改善して買いやすい売り場を作れ」

などと言われると、やるべきことが絞れていくのではないでしょうか。更にそれらを具体的にどのように改善すれば良いのかまで指示されると、もう後はやるだけ、やって検証していくだけ、になっていきます。

これを実現していくのがデータになります。

ではデータをどう見ていけば良いのか。既に何度も伝えてきているのでご存じの方も多くなってきていると思いますが、

・KGIである売上を因数分解していく
・推移と比較で見ていく

ことです。具体的に見ていきます。

次の縦に並んでいるグラフは、全国に複数店舗を出店している企業の、強化したい店舗(左側)とベンチマークとなる店舗(右側)のKGIである売上とKPIである各指標の前年度と今年度の実績になります。

同程度の売上規模の店舗ですが、大きく異なる点が見つかると思います。(皆さんもこの先を読む前に、グラフを眺めて異なる点を見つけて、強化対象店舗にどんな課題がありそうか考えてみてください。)

一つ目は、最寄り駅の乗降客数に対する客数の割合です。

売上はベンチマーク店舗の方が若干高い一方で、客数は強化対象店舗の方が多くなっています。しかし、最寄駅の乗降客数は強化対象店舗の方がベンチマーク店舗の倍以上ありますが、客数の差はそこまでなく、ベンチマーク店舗は乗降客数に対する客数の割合が強化対象店舗よりも2倍近く高くなっています。

駅からの距離や商圏内の競合店舗の状況にもよりますが、店舗や施設などのビジネスにおいては、市場ボリュームに対してどの程度自社に誘引できているかは一つの重要なKPIとなります。

市場ボリュームについては、今回のように乗降客数や、半径〇km内人口、あるいは交通量や商業施設へ出店している場合は商業施設の売上や来場客数などがあります。

二つ目は、客単価になります。

同じ企業にも関わらず、強化対象店舗とベンチマーク店舗とでは客単価が1,000円近く異なってきています。ベンチマーク店舗の方が効率的に販売できています。

もう少し指標をブレイクダウンすると、一回当りの購入点数についてはほとんど違いはありませんが、商品単価が100円以上異なってきています。また、SKU数は強化対象店舗の方が多くかつ前年度から増加している一方で、ベンチマーク店舗は500種類程度少なくかつ前年度から減少させています。SKU当り販売数量はベンチマーク店舗の方が多くなっています。

ここから言える仮説としては、強化対象店舗と比較するとベンチマーク店舗は、顧客が高くても求める商品をしっかり把握して絞っているのではないか、ということです。

一方で強化対象店舗は、現状とにかく品揃えを増やすことで客数を伸ばそうとしているということです。現状はまだ売上が伸びていますが、品揃えを増やし過ぎると、売れ筋商品までもが薄くなってしまい、いずれ売上減少(売り逃し)を招いてしまう可能性があります。

強化対象店舗としては、売れ筋商品および売れない商品をしっかりと分析して把握して、顧客が求める商品に少しずつ絞っていく(高くても売れるものも把握する)ことが必要となってくると言えます。

この際もベンチマーク店舗の売れ筋商品などと比較して分析することでより詳細に差が分かるでしょう。

いかがでしたでしょうか。改めてデータ分析のやり方について、触り程度ではありますが、進め方や見方、そこからの仮説出しについてお伝えしました。ぜひ自社でも意識してやってみていただければと思います。

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