ビッグデータの身近な例は?企業の活用事例も解説
ビッグデータというと膨大で把握仕切れない量の情報を想像してしまうため、あまり身近に感じられないかもしれませんが、実際ビッグデータを構成するデータ自体は私たちのごく身近なデータである場合がほとんどです。
この記事では身近なビッグデータの例や、ビッグデータをビジネスに活用している企業の事例を解説します。
目次
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身近なビッグデータの例
ビッグデータを構成するデータは私たちの普段の行動に関連するものがほとんどです。具体的には以下に挙げている「Web上で生成されるデータ」「オフィスや店舗で生成されるデータ」「日常生活の中で生成されるデータ」の1つ1つ、もしくはいくつかを組み合わせたものがビッグデータとして活用されています。
- Web上で生成されるデータ
- Webサイトデータ
- マルチメディアデータ
- ソーシャルメディアデータ
- ログデータ
- オフィスや店舗で生成されるデータ
- オフィスデータ
- カスタマーデータ
- オペレーションデータ
- 日常生活の中で生成されるデータ
- センサーデータ
参考: 平成24年版 情報通信白書
そもそもビッグデータとは
データの例を詳しく確認する前に、ビッグデータの定義を確認しておきましょう。ビッグデータとは、一般的なソフトウェアでは処理できない大きさのデータとされています。具体的な量などはその時々のIT技術によっても変わってくるため定義されていません。
特に次の5つの要素のいずれか、あるいは全てが大きい(もしくは高い)データの集まりをビッグデータと呼びます。
- データの量:Volume
- データの種類:Variety
- データの更新頻度・速度:Velocity
- データの正確性:Veracity
- データの価値:Value
Web上で生成されるデータ
Web上ではデータの蓄積が簡単なため、早い段階からデータの蓄積、活用が行われてきました。Web上で生成されるデータには以下のようなものがあります。
Webサイトデータ
Webサイト上に公開されているホームページ内の情報や記事などの文章はいずれもサーバーなどにデータとして蓄積されています。ECサイトなどであればユーザーの購買履歴などもデータとして蓄積されます。
マルチメディアデータ
Webサイト上の文章や数値だけでなく、画像や動画、音声などもデータとして蓄積されています。AIや機械学習などと組み合わせてビッグデータを活用していく際には非常に重要なデータとなってきています。
ソーシャルメディアデータ
ホームページやECサイトのような企業が運営しているサイト以外でも、TwitterやFacebook、LINEなどのSNSで発信されている内容もデータとして蓄積されています。SNSは個人が手軽に情報を発信できるうえに、近年では動画を中心としたSNSの利用も盛んになっているためそのデータの量は非常に大きくなっています。
ログデータ
Webサーバー上にはユーザーがどのページにどれくらいアクセスしているかといったデータが蓄積されています。また、エラー履歴などのデータもリアルタイムで蓄積されています。
オフィスや店舗で生成されるデータ
私たちが仕事をしたり、プライベートで買い物をした場合もそれに関連する様々なデータが生成されています。
オフィスデータ
ビジネスに必要な様々な文書はネット上、クラウド上、あるいは企業ごとのサーバーなど様々な場所に蓄積されています。また、Web上のデータと重なる部分もありますが、メールのやり取りなども文章ややり取りをした日付などをデータとみなすことができます。
カスタマーデータ
顧客情報や会員情報なども企業ごとに保持しているデータです。
オペレーションデータ
店舗であればレジで行われているお会計、企業であれば取引先との取引に関連する商品、サービス、やり取りした金額、日付などがデータとして蓄積されています。
日常生活の中で生成されるデータ
Webやビジネスに関連しない場面でも、私たちの行動はデータとして蓄積されています。
センサーデータ
スマートフォンの普及によって非常に詳細なデータ取れるようになった人流データやICカードなどに記録される行動履歴なども、データとして蓄積されています。
ビッグデータの活用に欠かせないデータ分析基盤とは
上記のようなビッグデータを活用すれば、これまでのデータ分析に比べて精度の高い将来予測ができたり、これまでは分からなかったような規則性に気づくことができるようになります。
ビジネスにおいてビッグデータの活用を実現するためには、大量のデータを加工し保持しておくための「データ分析基盤」と呼ばれるシステムが必要になります。
データ分析基盤とはデータを統合して、ビジネスに活用できる状態で保持するシステムです。
データ分析基盤の構築には専門的な知識や少なくはないコストが必要になります。そのため、いきなりデータ分析基盤を構築してビッグデータを分析するよりは、まずはエクセルなどを使って取り組めるようなデータ分析や、分析結果の活用から始めて、データをビジネスに活用する体制が整ってきたタイミングでデータ分析基盤の構築、ビッグデータの活用を検討するのが効果的です。
ビッグデータの活用事例
ビッグデータを収集、分析すれば、これまでには分かり得なかったような事実を発見したり、未来予測を行うことが可能になります。ビジネスにおいては、迅速かつ正確な意思決定につながるため、すでに活用に取り組み成果を上げている企業もあります。
ヤクルト 売上20%増を実現
ヤクルトのオランダ法人では、ビッグデータをもとに顧客の購買行動を分析し売上を20%伸ばしています。
実際に活用したデータは
- Web上で生成されるデータ
- 広告キャンペーンのデータ
- Google内の検索に関するデータ
- 自社サイトのアクセス数
- メディア上の自社に関する記事のデータ
- オフィスや店舗で生成されるデータ
- 商業ブランドの追跡調査
- 小売店からの注文履歴
- 日常生活の中で生成されるデータ
- 気象データ
など、約2000万点にも及ぶデータを分析し、マーケティングに活用することで、売上を伸ばしました。
一般的なPCなどで処理をしたら何年もかかるようなデータですが、分析に特化した外部ツールを活用することでビッグデータの分析と活用を実現しています。
参考:ヤクルトの売り上げを大幅に伸ばしたデータアナリティクスの秘密
大阪ガス ビッグデータでコールセンターを効率化
大阪ガスではビッグデータの分析により、コールセンターでの顧客対応を効率よく迅速に行うことで、顧客満足度の向上を実現しています。
実際に活用したデータは
- オフィスや店舗で生成されるデータ
- 修理履歴
- 給湯器の型番
- コールセンターでの電話のやり取り
- 日常生活の中で生成されるデータ
- 契約住戸の給湯器の使用年数
- 契約住戸の給湯器の毎日のガス使用料
- 契約住戸ごとのガスがよく使われる時間帯
など、修理履歴だけでも過去数百万件点にも及ぶデータを分析し、故障の原因を割り出すシステムを構築し、コールセンター業務を大幅に効率化しました。
参考:データ分析の先駆者は大阪ガス?便利屋が最強の分析チームになるまで
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