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ビッグデータ活用 6つの事例!売上を2倍にした企業やコスト削減の事例を解説

発生するデータの量が膨大になっていくのと同時にIT技術も発展していく中で、ビッグデータの活用に取り組む企業も増えています。この記事ではビッグデータを活用して成果を上げている企業の事例を解説します。

ビッグデータの活用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

企業のビッグデータ活用 3つのパターン

ビッグデータとは、その大きさに明確な定義はなく「一般的なソフトウェアでは処理できない量の膨大なデータ群」といった意味合いで使われます。以前であればそのようなデータは一部の大企業だけが持ち得ていたものでしたが、クラウド技術などの発達によって多くの企業がビッグデータを持ち、活用できる環境が整ってきています。

それに伴ってビッグデータの活用事例も増えており、ビジネスにおける主な活用のパターンは大きく以下の3つに分類することができます。

  • コスト削減
  • 売上向上
  • 新商品の開発

ビジネスにおける事例を見ていくと、ビッグデータから規則性を見つけ在庫を適正化するなど「コスト削減」に取り組むパターンが特に多く感じられます。もちろんビジネス以外でも医療や災害対策といった様々な面でビッグデータは活用されていますが、特にこの記事ではビジネスにおける活用事例を、上の3つのパターンに分けて解説します。

ビッグデータ活用 6つの事例

  • コスト削減
    • JINS 廃棄ロスを約10%削減
    • くら寿司 すしの廃棄率を3%に抑制
    • 東芝エネルギーシステムズ トラブルの発生を20%以上抑制
  • 売上向上
    • 北欧、暮らしの道具店 4年で売上を約2倍に
    • ヤクルト 売上20%増を実現
  • 新商品の開発
    • アスクル 新商品の売り上げが通常品の約7倍に

JINS 廃棄ロスを約10%削減

JINSが取り扱うメガネは「耐久年数が長い」などの商品特性上、買い替え需要の予測が難しい商品でした。そのため「追加生産が間に合わない」あるいは逆に「過剰在庫が発生する」といった課題を抱えていました。

そこで、アクセンチュアの「AI Powered Management Cockpit」というAI活用を実現するソリューションを導入しました。これによりJINSが保有していた「過去実績」や「セール履歴」といったデータに「過去の天候データ」などを掛け合わせてAIが将来需要を予測をし「欠品リスクへの対応策の提示」や「過剰在庫の値引き施策の可視化」などを行うシステムを構築しました。

AIによる提案をもとに迅速な経営判断を行った結果、年間の廃棄ロスを10%削減し、欠品による売り逃がしを65%削減するなどの成果を上げました。

参考:
JINS:データに基づいた未来予測型の経営判断を実現
1200品目のビッグデータ生かし眼鏡の欠品減らす、JINSのAIシステムのつくり方

くら寿司 すしの廃棄率を3%に抑制

回転寿司大手のくら寿司では、店舗ごとの客層、滞在時間、時間帯ごとの注文状況がビッグデータとして蓄積されており、そのデータをもとにAIが最適なネタの種類や量を判断して提供しています。その結果、すしの廃棄率3%にまでおさえることに成功しています。

くら寿司ではこの他にも、原材料となる魚介類の養殖や仕入れ時の目利きなどにもビッグデータとAIを活用し、コストの削減に取り組んでいます。

参考:
回転すしの廃棄率は? くら寿司が「3%」に抑えられるワケ
AIでハマチが育つ!「くら寿司」が回転寿司業界にもたらしたテクノロジー革命

東芝エネルギーシステムズ トラブルの発生を20%以上抑制

東芝グループでエネルギー事業を行なっている東芝エネルギーシステムズは、ビッグデータとAIによって発電所の稼働効率を高める実証実験をインドネシアで行なっています。

ビッグデータをAIによって解析し、地熱発電所の運転時の監視に活用することで、従来の手法ではできなかった異常やトラブルの予知を実現しています。その結果トラブルの発生率を20%以上抑制することができています。

参考:
ビッグデータ解析で地熱発電所のトラブル発生率を20%以上抑制 – NEDO

北欧、暮らしの道具店 4年で売上を約2倍に

株式会社クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」では、売上が順調に拡大している反面、売上が拡大したことで1つひとつの施策におけるリスクが大きくなっていました。また、スマホアプリのリリースなどに伴い分析できるデータが増え、データ活用業務が大きくなることが見込まれたため、効率的なデータ活用を目指し、データ分析チームを発足しました。

データ分析チームは、データをもとに施策を決める「ビジネスサイド」、施策を決めるうえで必要なデータを決定する「データアナリスト」、データアナリストが必要と判断したデータの抽出などを行う「エンジニアサイド」で構成され、専門的な知識がないメンバーでもデータ活用ができる基盤の構築に取り組みました。

その結果

  • アプリ内の行動分析をもとに改善を行い、EC購入の6割がアプリ経由に
  • SNSやメルマガの顧客動向を分析しフォーマットを改善
  • 販売動向データを活用し、人気商品を開発
  • データに基づく合理性の高い予算計画の作成
  • 発注予測にデータを活用し定価消化率を95%に

といった効果を生み出し、4年間で売上を約2倍にしています。

参考:【「北欧、暮らしの道具店」データ活用の取り組み】データ分析チーム発足、4年で売上約2倍の年商51億円・定価消化率95%超達成。200万DLアプリ・50万超会員データが社員の感性を裏付け意思決定を迅速化。

ヤクルト 売上20%増を実現

ヤクルトのオランダ法人では、分析に特化した外部ツールを活用することでビッグデータの分析と活用を実現しています。

実際に活用したデータは

  • 商業ブランドの追跡調査
  • 小売店からの注文履歴
  • 気象データ
  • 広告キャンペーンのデータ
  • Google内の検索に関するデータ
  • 自社サイトのアクセス数
  • メディア上の自社に関する記事のデータ

など、約2000万点にも及ぶビッグデータを分析しました。その分析結果をマーケティングに活用することで、売上を20%伸ばしています。

参考:
ヤクルトの売り上げを大幅に伸ばしたデータアナリティクスの秘密

アスクル 新商品の売り上げが通常品の約7倍に

アスクル株式会社が運営するECサイト「LOHACO」では、購買データやアクセスデータなどのビッグデータを保有していました。それらのデータをもとに、自社だけでは解決できない課題を解決していくため、個人データを除くすべてのデータをオープン化しパートナー企業と分析、活用方法を検討する「LOHACO ECマーケティングラボ」を立ち上げました。

購買データや商品レビューなどの膨大なデータを分析することで、顧客のニーズが「商品が部屋に馴染むこと」にあると分析。その分析結果をもとに「暮らしになじむデザイン」の商品開発をスタート。

中身は同じで単価は1割ほど高い商品にもかかわらず、ユーザーニーズをとらえた商品デザインにより、通常商品に比べて年間で約7倍も売れています。

アスクル株式会社では、この他にもデータに基づいた併売施策の実施など、ビッグデータの活用に取り組むことで、6年間のうちに売上額を約25倍にしています。

参考:
アスクル「LOHACO」が急成長 原動力はデータ分析とメーカー共創
【特集インタビュー】ビッグデータも、目指すべきビジョンも、徹底的に共有しあう。アスクル流オープンイノベーションが生み出す、新たなEコマースのあり方。(前編)

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