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美容室の客単価を上げる方法とは?施策例と成功のポイントを解説

2025年11月10日 | ビジネス

「客単価」をどう上げるかは、美容室経営において重要なポイントです。

大切なのは、単に単価を引き上げることではなく、顧客体験の価値を高めて、納得してもらえるサービスを整えることです。

本記事では、客単価の基本的な考え方から実務上の施策まで解説します。

「無理な押し売りはしたくない」「客単価を上げながらリピート率も高めたい」方は、ぜひ最後までご覧ください。

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美容室における客単価とは

美容室における「客単価」とは、1人の顧客が1回の来店で支払う金額の平均を指します。

計算式はシンプルで「客単価 = 売上 ÷ 来店客数」です。

客単価を把握することで、店舗の売上構造や収益性を具体的に分析できます。

例えば、月の売上が300万円で来店客数が600名なら、客単価は5,000円です。

もしこの客単価を1,000円引き上げられれば、同じ来店数でも売上は60万円も増えます。

つまり客単価が向上すれば、集客が変わらなくても売上を伸ばすことができるのです。

厚生労働省の調査によると、美容室の客単価の平均は6,000円前後だと言われています。

参考:厚生労働省「美容業 結果の概要」

もちろん、地域や客層によって差はありますが、自店の単価を把握し、どのように客単価を上げていくかを考えることは重要です。

客単価アップが重要な理由

美容室経営において「客単価アップ」は、経営を安定させる上で重要な要素です。

なぜ重要なのかを考える際にまず押さえておきたいのが、新規集客コストの高さです。

ホットペッパービューティーなどの媒体やSNS広告などを活用した場合、1人の新規顧客を獲得するためには数千円単位の費用がかかります。

しかも、ようやく来店に繋げられたとしても、新規客がリピーターになる確率は決して高くありません。

集客費用を増やせば来店数は増やせるかもしれませんが、それではいつかジリ貧になってしまうでしょう。

さらに、客単価とリピート率の掛け合わせで「LTV(顧客生涯価値)」が決まることも重要なポイントです。

つまり、一度来て終わりの顧客よりも、リピーターを増やし、その都度満足して適正な価格を支払ってもらう構造を作ることが、経営の安定化につながるのです。

客単価アップは、単に売上を上げるための要素ではないことを覚えておきましょう。

美容室で客単価を上げる主な施策

客単価を上げるためには、サロンの強みや顧客層に合わせて、体験の質を高めながら単価を上げる施策を行うことが大切です。

メニュー構成の見直し

まず効果的なのがメニュー構成の見直しです。

「カット+カラー」「カラー+トリートメント」など、人気メニューをセット化することによって、お得感を演出しつつ単価を引き上げられます。

例えば、単品の合計が12,000円の施術を10,800円で提供すれば、「セットの方がちょっとお得」と感じてもらいやすくなります。

セット化する際には「艶髪コース」など、ネーミングを工夫するとよいでしょう。

オプションの追加提案

次に注目したいのがオプションの追加提案です。

ヘッドスパや集中トリートメントなど、追加メニューを提案することで単価を上げられますが、いきなりの営業トークは逆効果です。

いきなり提示するのではなく、カウンセリングや施術中の会話を通じてお客様に信頼してもらった上で、自然な流れで伝えるのがポイントです。

お客様の悩みに寄り添い、必要性を感じてもらうことで、それは押し売りではなくなります。

スタッフ同士で成功事例を共有するなど、サロン全体で取り組んでいきましょう。

商品販売(店販)の強化

そして見逃せないのが商品販売(店販)の強化です。

「このシャンプーを使うと、カラーの持ちが良くなりますよ」「このスタイリング剤ならほどよくオイリーな前髪が作れますよ」など、プロ目線のアドバイスとして提案することで信頼が生まれ、購入につながりやすくなります。

どの施策も押し売りにならないよう、顧客との関係性を築きながら進めていきましょう。

客単価アップの注意点

客単価を上げようとする際にやってはいけないのが「無理な提案」や「押し売り」です。

短期的には売上が上がっても、顧客の信頼を損ねてしまえばリピート率は下がり、結果的にLTVが落ちてしまいます。

お客様が納得して金額を支払うためには、満足度を上げていくことが欠かせません。

また、価格設定を見直す際には「価値に見合った金額」に設定することが不可欠です。

いきなりの値上げや一律の単価変更は、顧客離れを招くリスクがあるため注意しましょう。

そして何より重要なのは、数字を追うよりも顧客体験の質を上げることです。

内装から施術中の会話・アフターケアの提案など、サロン全体のでの体験価値が高まれば、価格以上に満足してもらえます。

顧客体験の質を上げ満足度が高まれば、結果として、「上げようとしなくても客単価が上がる」状態へ変わっていくことも可能でしょうか。

まとめ

美容室の客単価は、売上に直結するだけでなく、美容室経営を安定させるために重要な要素です。

焦らずに体験に見合った価格設定で施策を実践していきましょう。

数字だけを追うのではなく、カウンセリングや技術・接客・空間といったトータルの体験価値を磨くことが、本当の意味での単価アップにつながります。

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