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DX推進体制の作り方|適切な組織づくりと人材配置

2025年10月28日 | ビジネス

DX(デジタルトランスフォーメーション)の成功には、システムを導入するだけでは不十分です。

現場のみの取り組みでは、部署毎の最適化しか実現できず、会社全体の変革につながらないことも少なくありません。

そのため企業には、組織編成してプロジェクトを進める「DX推進体制」の構築が欠かせません。

しかし、実際に「どんな組織を作れば良いのか」「誰を責任者にすべきか」と悩む企業は多いでしょう。

そこで本記事では、DX推進体制の基本と必要性、具体的な組織例や整備の流れをわかりやすく解説します。

これからDXを本格的に推進したいと考えている経営者や担当者の方はぜひご覧ください。

DX推進体制とは

DX推進体制とは、企業が組織横断的にDXを進めるための枠組みのことです。

単なるIT部門の強化やシステム導入プロジェクトではなく、経営層から現場までが一体となってDXを進める、全社的な取り組みを支える基盤といえるでしょう。

その中心的な役割を担うのが、CIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)です。

CIO・CDOは経営戦略とデジタル技術を結びつけ、全体の活用方針を示す立場になります。

また、実務面ではDX推進室といった専任の組織が設けられることが多く、プロジェクトの企画や進行管理、部門間の調整を担います。

こうした体制を整えることで、企業は部分的なIT導入に終わらず、長期的な視点でDXを推進できるのです。

DX推進体制を構築する必要性

なぜDX推進体制が必要なのかというと、現場任せの属人的なIT導入は失敗するリスクが高いからです。

各部門が独自にシステムを導入すると、連携が取れずデータが分断され、かえって非効率を生むことがあります。

さらに、経営層がDXに関与しない場合には、現場レベルでの改善にとどまるのみで、本来の目的である「ビジネスモデルの変革」に結びつかなくなるでしょう。

DXは技術導入のプロジェクトではなく経営課題の解決策であり、そのためには経営層のリーダーシップと組織横断的な推進体制が欠かせないのです。

推進体制の例

DXを効果的に推進するためには、経営層から現場、さらに外部パートナーまでを巻き込んだ明確な役割分担が必要です。

ここでは典型的な推進体制の例を紹介します。

まずは経営層です。

CIOやCDOを中心に、DXの方向性や投資判断といった方針を決定しましょう。

経営層が明確なビジョンを示すことで、DXが全社的な取り組みとして推進しやすくなります。

次にDX推進室の役割です。

プロジェクトの企画立案や進行管理、各部門との調整を担い、現場での導入がスムーズに進むようサポートします。

推進室は経営層と現場の橋渡しをする中核的存在といえるでしょう。

さらに各部門の現場メンバーも重要です。

実際の業務にデジタル技術を落とし込み、業務改善やデータ活用を進めるのは現場であるため、現場メンバーの協力なしでは変革が進みません。

最後に外部パートナーです。

SIer(システムインテグレーター)やコンサルティング会社・ITベンダーなどは、最新の技術への知見や導入ノウハウを提供してくれます。

自社に足りない専門性を補完することで、より効率的かつ確実にDXを進められるでしょう。

DX推進体制は「経営層=方針決定」「DX推進室=進行管理」「現場=実装」「外部=専門知識」という明確な役割分担のもとで機能することで初めて成果につながっていきます。

DX推進体制を整えるステップ

DXを成功させるには、いきなりシステムを導入するのではなく、推進体制を段階的に整えることが重要です。

次の4ステップを押さえ、現場任せにならず着実にDXを進めていきましょう。

現状のDX課題を棚卸し

まず行うべきは現状のDX課題を棚卸しすることです。

自社のどの業務が属人的か、どの部門でデータが分断されているかを洗い出し、変革すべき箇所を明確にします。

推進責任者の任命

次に、DXを牽引する推進責任者を任命します。

CIOやCDOが理想ですが、規模によっては役員や部長が担う形でも問題ありません。

経営戦略とデジタル施策をつなぐ立場の者を、明確にすることがポイントです。

専任組織の設立

その上で、専任組織の設立に進みましょう。

DX推進室を設け、企画立案から部門を横断しての調整、進行管理まで担う体制を構築します。

KPI設定と定期レビュー

最後に欠かせないのがKPI設定と定期的なレビューです。

導入したシステムや施策がどの程度効果を出しているかを数値で把握し、定期的に見直すことで「やりっぱなし」にならずPDCAサイクルを回せます。

この4ステップを意識し、属人的な取り組みではなく、全社的な方針としてDXを推進できる体制を整えましょう。

まとめ

DXを成功させるためには、経営層がリーダーシップを発揮し、組織横断的に取り組む推進体制が欠かせません。

体制を整えるには、現状課題の棚卸しから始め、推進責任者の任命、専任組織の設立、KPI設定とレビューというステップを踏むことが大切です。

仕組みを整えることで、単なるシステム導入ではなく、持続的にDXを推進できます。

「DXをどこから始めれば良いのか分からない」「推進体制を整えたいがノウハウがない」とお悩みの方は、専門家の支援を受けるのも効果的です。

KUROCOでは、企業規模や業種に合わせたDX支援を行い、組織づくりから施策実行までをサポートしています。

DX推進についてお悩みの場合には、お気軽にご相談ください。

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