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7700億円企業からの転落と再起の経営哲学『アイアンハート(折口雅博 著)』

とにかく諦めない|折口雅博著 アイアンハート

こんにちはKUROCO株式会社代表の齋藤です。

『アイアンハート』はゼロから12年で年商7700億円企業を創った、「ジュリアナ東京」「グッドウィル」「コムスン」と歴史を刻んだブランドを創出した折口雅博氏の書籍です。

しかし、突如全てを失ってニューヨークへ行き、またそこで再起する波乱万丈の人生を経営に結び付けて書かれた一冊となります。

中盤以降は折口氏の次男のアメリカでの学校生活、教育方法が、アメリカと日本のビジネスパーソン、経営者の違いを生み出していることに言及され、アメリカ式の教育方法の説明と、強いビジネスパーソン、経営者を創出する環境の説明となっているが、切磋琢磨できる環境とそれに負けない強い精神こそが日本の経営者にも必要だと強く言われているような気がした一冊でした。

とにかく諦めない

人生いつ何が起こるか分からない。そんなときに諦めずに再度前へ進むことの重要性を強く言っています。

実際折口氏は、ゼロから7700億円、10万人以上の従業員を抱える企業をつくり、そこから一気に転落、しかし再度トランプ元大統領が絶賛する高級レストラン「MEGU」の国際展開を成功させてイグジットという経験をしています。

起こってしまったことは事実として変えることはできない、重要なのはその事実をどう捉えて次に進んでいくのか、ということだと思います。同じ失敗をしないためにはどうすれば良いのか、経験値が多ければ多いほどその選択肢は広がります。そのためには諦めずに突き進むことは何よりも重要なことだと思います。

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とは言え何でも諦めずに突き進めば良いのか、という訳ではありません。折口氏が徹底していたのは、とにかく市場をよくリサーチしていたことです。

ジュリアナ東京にしろグッドウィルやコムスンにしろ、当時の社会環境、生活者のライフスタイル、経済状況、法令など、ありとあらゆる外部環境に目を向け、次に来るであろう波を仮説立てて、いち早く一気に取り組む、ということが一つの再現性を生んだ要因だと思いました。

既存事業の改善にしろ新規事業にしろ、ビジネスは「顧客」ありきのため、その顧客が何を求めているのか、これから何を求めるようになっていくのかを察知することはとても重要です。そのためにはとにかくありとあらゆる情報(出来る限りの一次情報)を取り入れ、それを様々な角度から見て仮説立てていく、しかもスピーディに、というのがビジネスを加速させるには必要だと感じます。

若いうちの環境の重要性

大人になるにつれて考えが固執し、なかなかそれを変えることができなくなってしまいます。(もちろんそうでない人もいます)

折口氏の次男は小学生のときに日本からアメリカで過ごすようになり、アメリカの教育環境に触れて、生きていく上での強い精神力を培ったように思われました。これが日本でも同じに育ったかというとそうではないだろうなと思います。やはり人は環境、特に接する人によって大きく左右されると思います。

私自身も小さな子どもがいますが、子どもが成長過程で過ごす環境について、将来的に生きる力を養える場、選択肢が広がる場を与えていきたいと思いました。

さいごに

折口氏の教育論が語られている部分も多く、自身の子どもの成長日記といった面もある書籍だと感じましたが、前半部分は、折口氏がどのような考えをもとにどんな行動を取り、様々な事業を成功に導いていったのか、そして何故そこから転落してしまったのか、また更に再起するために実施されたことなどが具体的に書かれていてとても興奮するものがありました。

経営者にとって考え方は様々ですが、「規模を追う」ということは前に進んでいくことの分かりやすい指標の一つなので、私としては一定の規模を目指すことはとても重要だと思っています。

そのためには超えるべきハードルや壁が出てきますが、それこそが自身、そして会社が成長することに繋がるのだと思います。

経営者はもちろん、ビジネスパーソンにとっても活力をもらえる一冊です。

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